ネットワークプレーヤーでラジコが聴ける!🤭

このあいだネットワークプレーヤーでインターネットラジオが聴けなくなったが、なんやかんやあって聴けるようになったという記事を投稿しました。
めでたしめでたしなんですが――、実際のところ最近はもっぱらアマゾンミュージックやラジコを聴いてたので、「聴けない!」という掻痒感が無くなっただけでそれほどQOLが上がったわけではありませんでした。

YCASTをセットアップする中で思ったのが、「これを使えばネットワークプレーヤーでラジコも聴けるようになるんじゃないか?」ということ。
持ってるネットワークプレーヤーの後継機種(といってもとっくに生産終了してますがー)のパイオニアのN-50AEではラジコが聴けるので羨ましく思っていたんです。

最初の思い付きは単純に「インターネットラジオもラジコも同じラジオでしょ?」

つまりラジコにも他のインターネットラジオよろしくストリームURLがあり、それをYCASTに登録すれば聴けるようになるのではないかと考えたのです。
でリサーチしたところ、そうは問屋が卸さずでそんな単純な話ではありませんでした。

まず第一の関門はラジコのURLを開くためには認証が必要で、認証せずに開くとエラーとなり音声を聴くことができません。
第二にHLS形式ストリーミングという方式を採用していて、古典的なインターネットラジオのような固定的なストリームURLがあるわけではないということ。

N-50AEにはたぶん機器の中に上記の処理を行うプログラムが入ってるんでしょうが、N-50Aには入っておらず、今後も入ることはありません。(事業撤退しちゃったんで)
なので前回のお話し同様、外部で補ってやる必要があります。

その第一の難題を解決する今回のヒーロー(一人目)は彼ッ!

ヒーローというよりなんかADみたいですが…。
この人が認証を代行して、ラジコのサイトから各ラジオ局のプレイリストを取得してきてくれます。

この認証というのが何をやっているのかちょっと謎なんですが、ラジコはエリアによって聴ける局が変わるので、どのエリアに属しているのかという情報を取り交わしているんじゃないかと思います。

第二の問題を解決するのはこの人!

これはサーバー上で動く音楽プレイヤー(iTunesとかWindows Media Playerみたいな)なんですが、HLS形式ストリーミングの再生ができます。
パソコンと違ってサーバーには必ずしもスピーカーは付いてないので、再生している音楽をストリームURLに再放流するという機能も付いてます(これがミソ)

またサーバーには必ずしもディスプレイが付いてないので、スマホ越しに操作して聴きたい曲を選べるという機能が付いてます。

このRadioRelayServerとMusic Player Daemon、そして前回紹介したYCATを協調させることでN-50Aでもラジコが聴けるようになるんです。

マンガにするとこんな感じですね。
図にしてもサーバーのところがごちゃついてちょっとわかりずらいですが…。

  1. RadioRelayServerがラジコからプレイリストを取得
  2. Music Player Daemonがプレイリストを読込んでラジオを再生し、家のネットワークに再放流
  3. YCASTがネットワークプレーヤーに再放流してるURLを案内

という流れです。

番組の選択はM.A.L.Pというアプリで行えます。

ラジオ局の切替えを行うと数秒音声が途切れますが、まぁまぁ快適な操作感です。
それにしてもこのアプリの感じ、N-50Aの操作アプリに似てますな。
おそらくN-50Aの内部、に限らず各社が出しているネットワークプレーヤーの中身も、Music Player Daemonみたいなオープンソースのサーバー向け音楽プレーヤーを独自にカスタマイズしたものが動いてるんでしょうね。

ネットサービスのメニューを開くと、YCASTに追加したラジコの番組が見えます。
選択するとアプリで指定したラジオ局を聴くことができました😎

これまでパソコンを開いてブラウザを立ち上げ、番組を選択して聴いていたのでだいぶ簡便になりました。
ラジオを聴くためにわざわざパソコンを開けなくていいというのは大きいですね。
ただネットワークプレーヤーの画面上だと”Radiko”としか表示されないので、どの局を聴いてるのか分からないのが難点ですな。
あと、可能であればアートワークに番組画像が出れば良いですね。

以下は、備忘録も兼ねて技術的な内容になります。
自分もRadioRelayServerを入れたいんだよォ、という人には有益かも知れません。
興味のない方はここでお別れですね。

①Music Player Daemonのインストール&設定

下記コマンドでインストールします。
apt-get install mpd

/etc/mpd.conf を編集します。
チマチマ変えるところがありますが、大事なのは家のネットワークに再放流する箇所の設定ですね。
ひな形が載ってるので、必要に応じてコメントを外して設定します。


#
# An example of a httpd output (built-in HTTP streaming server):
#
audio_output {
    type                 "httpd"
    name                 "Radiko"
    encoder              "lame"
    port                 "8000"
    bind_to_address      "0.0.0.0"
    bitrate              "128"
    max_clients          "0"
}


②RadioRelayServerの設定

ZIPでダウンロードして、2か所変更しました。

<start>


#!/bin/bash

nohup python3 manage.py runserver 0.0.0.0:9000 > /dev/null 2>&1 &


これは単にターミナルからRadioRelayServerを起動した後、ターミナルを閉じても動き続けて欲しいので、死なないようにオマジナイですね。

<radiko.py>


186c186
<                 'http://f-radiko.smartstream.ne.jp/'
---
>                 'http://c-radiko.smartstream.ne.jp/'


たった一行の修正(f-radikoをc-radikoに変えただけ)ですが、けっこう大事な修正です。
今年の一月にラジコの仕様変更がありそれに対応したものです。
ラジコは時たまこういう仕様変更を行うそうで、そのたびに受信するアプリはちょくちょく改修しなければいけないみたいです。
ラジコが聴けることを羨ましがっていたN-50AEですが、もうファームウェアアップデートは行われていないと思うので、多分もう聴けなくなってるんじゃないかと思います…。

んで起動ですが、RadioRelayServerはPythonというプログラム言語で書かれていて、DjangoというWebサーバで動きます。
ただ七面倒臭いことに、仮想環境というものを作ってその中で動かすというお作法があります。

その辺りの操作を当時は色々調べてやったのですが、ちょっと時間が空いてしまったので詳らかには思い出せませぬ…。
多分Pythonを動かすうえではごく一般的な話だと思うので割愛します。

ポイントとして、プレイリストは下記に書き込まれるので、あらかじめ空ファイルを作成しておいて書き込み権限を与えておく必要があります。

/var/lib/mpd/playlists/00_radiko.m3u

③YCASTの設定

stations.ymlに下記を追記しました。


Radio:
  Radiko: http://192.168.0.20:8000


以上の設定でネットワークプレーヤーでラジコが聴けるようになりました。
次はAmazonミュージックが聴けるようになると良いなぁ…。

【解決済み】ネットワークプレーヤーでインターネットラジオが聴けなくなった話

8年くらいパイオニアのN-50Aというネットワークプレーヤーを使ってきたのですが、この頃インターネットラジオが聴けなくなってしまいとても困りました。
お気に入りに登録しているインターネットラジオ局を選んでも、↓のように「トラックが見つかりません。」と表示されてしまうんです。

気が付いたのは2月頭くらいですかね。
世間(?)は1月半ばくらいから騒いでいたようですが、近頃はもっぱらアマゾンミュージックを聴いているので気が付きませんでした。
蛇足ですが最近は「夏チルJ-POP」をよく聴いています。季節感無いですね……。

久し振りにインターネットラジオでも聴いてみようかーと選局するとエラーに。
その時はネットワークの一時的な不調かと思って放っておきました。
しかし数日空けて再びトライしても同じ結果となったので、何かがおかしいとググってみました。

すると出るわ…。インターネットラジオにつながらないという悲憤の嵐。
日本人は価格.comのクチコミ掲示板、外国人はHiFiオーディオのフォーラムなどで不満を呈していました。
それらをつぶさに読んでやっと問題の原因がわかりました。

上はネットワークプレーヤーがインターネットラジオを聴く仕組みをマンガにしたものです。
インターネット上にはラジオを配信している局が山のようにあるのですが、ネットワークプレーヤーから聴くときには最初に案内サイトにアクセスし、そこから聴きたいラジオ局を教えてもらってストリームを開きます。
案内サイトはいくつかありvTuner、TuneIn、airable radioなどがあります。
パイオニアのネットワークプレーヤーはvTunerを使っていたのですが、この度vTunerがパイオニア製品のサポートを打ち切ったのが原因のようです。

「何を勝手に打ち切りやがって?!」とブチ切れたくなりますが、実は地殻変動ははるか2020年頃から始まっていました――。
2010年代、パイオニアのみならずSONY、Denon、マランツ、ヤマハなど各社がネットワークプレーヤーを競って出荷していました。
それらの機器のインターネットラジオ再生はvTunerがサポートしてたのですが、2020年頃から順次サポートの打ち切りや有料化が行われてきていたようです。

見切りを付けたSONYはファームウェアを更新してvTunerからTuneInに、同じくヤマハもairable radioに乗り換え。
マランツは年間6ドル、Denonは4ドル(この差は何…)払うことで継続利用できることになりました。
そう言えば、BOSEのHomeSpeaker500はTuneInでしたね。

で、パイオニアはなぜかお目こぼしを受けてこれまで無料で聴けてきたのですが、この度サポート停止の止むなきに至ったようです。

わき道にそれますが、これ本当にダメ―――と思いますね…。
年間4~6ドルって、日本円にしたら600~900円で全然払える額だと思います。
なんですが、最初から徴収してたなら納得できるんですよ。
でも元々タダだったのに今になって払えというのが本当に気持ち悪くて受け付けられない。
お金払って聴くくらいならむしろ聴けなくて良いやと思ってしまいます。

パイオニアはオンキョーに吸収されて、そのオンキョーも2022年に倒産してしまったんですよね。
ブランド自体は外資に買われて生き残っているみたいですが、恐らく旧製品のサポートは望めないと思います。
それではN-50Aはどこかの外人が言っていた「クールな外観のゴミ」になってしまうのでしょうか……?

しかし! そこに一人のヒーローがッ!!

外人が盛り上がっているフォーラムで見つけました。貴重な情報をありがとう!

その名はYCAST!
またの名をインターネットラジオの自家案内サイト!!

つまりはこういうことですね。
死んでしまったvTunerの代わりに自分で案内サイトを立ち上げてインターネットラジオ局につながれるようにするんです。

前置きが長くなりましたが、今回はYCASTを家のサーバーにインストールして再びインターネットラジオが聴けるようになるまでの顛末を語ります。
ただここから技術的な内容が濃くなるので、興味ない人は「へぇ~YCASTを使えば聴けるんだ」くらいの話で了解いただいて良いかと思います。

まずはここでYCASTのソースをGETします。
う~ん、全部英語だなぁ(アタリマエ…)
今となってはけっこう親切に書いてあることが分かるのですが、最初はなんのこっちゃ全然わかりませんでした。

ごく大雑把に言うと、YCASTのインストール&起動とDNSの変更をせよということです。
しかしウチのサーバーはすでにWebサービスが動いてるのでYCASTと共存するためにちょっと工夫をする必要があります。
個人的に悩んだところを軸に解説して行こうと思います。
悩まなかったところはあまり触れないと思うので、「そこを詳しく聞きたいんだよォ――ッ!!」という方いらっしゃったらごめんなさい。

①YCASTのインストールとサービス登録

ダウンロードしたTARボールをサーバー上の適当な場所に展開。
インストールは、python3 setup.py installとやるだけですな。
途中ビルドがSegmentation faultで落ちたので焦りましたが、もう一度やり直してみたら上手くいきました。

サービス登録は、examplesフォルダにあるycast.service.exampleを/etc/systemd/system/ycast.serviceにコピー。
UserとGroupの行を既存のユーザー名に書き換えて、下記コマンドを実行でOKです。

systemctl enable ycast.service
systemctl start ycast.service

②Webサービスの設定変更

ウチはWebサービスにApacheを使っています。
これがNginxを使ってたら、examplesフォルダにNginxの設定サンプルがあるので楽だったのですが……。
Apacheの設定が今回一番苦しんだところですね。
昔はWebサービスと言ったらApacheがデファクトスタンダードだったんですが、時代は変わったんですね。

Apacheのリバースプロキシ機能を使って、HTTPリクエストをYCASTに転送するのでproxyモジュールを読み込みます。
/etc/apache2/mods-enabledフォルダに下記コマンドでシンボリックリンクを張ります。

ln -s ../mods-available/proxy.load .
ln -s ../mods-available/proxy_http.load .

/etc/apache2/sites-available配下にある、既存のコンフィグに下記の設定を追記します。


<VirtualHost *:80>
    ServerName pioneer.vtuner.com
    ProxyRequests Off
    ProxyPass / http://127.0.0.1:8010/
    ProxyPassReverse / http://127.0.0.1:8010/
    ProxyPreserveHost On
</VirtualHost>


さらっと書いてますが最初は上手く動かず、試行錯誤がありました。
Nginxの設定にあるproxy_set_headerの行をApacheでどう書くのかが分からなかった…。
色々調べて”ProxyPreserveHost On”で良いことが分かりました。

で、サービス再起動。

③DNSの変更

これは2枚目のマンガにあるように「vTunerはこちら⇒」という看板をぐいっと下に向ける作業ですね。
ネットワークプレーヤーはpioneer.vtuner.comというアドレスを頼りにインターネット上を探そうとします。
それを「pioneer.vtuner.comは家のネットワークにあるよ」とダマすんです。
これを犯罪に悪用したのがDNSポイズニング攻撃と言われますが、家の中でやる分には問題ありません。

家庭用のDNSサーバーを立てるため、bind9をインストールします。
それから/etc/bind/named.conf.default-zonesに以下を追加。


zone "vtuner.com" {
    type master;
    file "/etc/bind/db.vtuner.com";
};
zone "0.168.192.in-addr.arpa" {
    type master;
    file "/etc/bind/db.0.168.192";
};


db.vtuner.comとdb.0.168.192の2つのファイルを/etc/bind配下に追加します。

<db.vtuner.com>


$TTL    604800
@    IN    SOA    vtuner.com. root.localhost. (
             5        ; Serial
             604800        ; Refresh
             86400        ; Retry
            2419200        ; Expire
             604800 )    ; Negative Cache TTL
;
@    IN    NS    localhost.
pioneer    IN    A    192.168.0.20


<db.0.168.192>


$TTL    604800
@    IN    SOA    vtunner.com. root.localhost. (
             4        ; Serial
             604800        ; Refresh
             86400        ; Retry
            2419200        ; Expire
             604800 )    ; Negative Cache TTL
;
@    IN    NS    localhost.
20    IN    PTR    pioneer.vtuner.com


ちなみに家のサーバーアドレスは192.168.0.20の設定です。

それにしてもなんですが、どうしてこう各種サービスの設定ファイルの文法は千差万別で脈絡が無いんでしょう……。
bind9の設定ファイルは数あるサービスの中でも輪をかけて複雑に感じます。

最後にN-50A本体のネットワーク設定を変更します。
DHCPをOFFにして、プライマリDNSのアドレスに家のサーバー(192.168.0.20)、セカンダリDNSのアドレスにブロードバンドルーターを設定します。
これで「vTunerはこちら⇒」の看板が家のサーバーに向きました。

祈りつつ再起動…。

ーーーキタッ!!
「サーバーがありません。」となっていたネットサービスのメニューにRadiobrowserとMy Stationsの二つが出現しました。

まずRadiobrowserの方を開いてみます。

Genres配下を見てみると、前はRockとかJazz、Hip Hopという感じのジャンルで並んでたのですが、特に整頓されていないカオスなタグが膨大にエントリーされています。
これでは使いづらくてしょうがありません。
Most Popularも前はジャンル毎だったと思うのですが、今はすべてのジャンルが一緒くたにされていて、訳の分からない順番で並んでるのですごく残念な感じです。
たぶんこのメニューを今後使うことは無いでしょう。

次にMy Stationsの方を見てみます。
こちらはYCASTの設定ファイルに自前で登録したインターネットラジオ局を表示します。

Jazzのジャンルにお気に入りの1.FM – Bay Smooth Jazzを入れています。
ポチッと選択すると――。

やったッ! 再生できた!!
なんか苦労した甲斐があってのことか、音が一音一音粒だって聞こえましたね😎

お気に入りに入れていた他のラジオ局も登録し直して、以前のライブラリを復元しました。
アートワークが表示されないなど、以前に比べてデグレードしていますが、音楽再生自体はこれまで通り聴けるようになったので満足しています。

(昔話)CROSS FMの思い出

つい数日前に、ホリエモンこと堀江貴文氏が北九州のFMラジオ局「CROSS FM」の代表取締役会長に就いたというニュースを耳にしました。
ホリエモンとラジオと聞けばニッポン放送を思い出しますが、今となっては大昔の話で普通の人には「フ~ン」という感じだったと思います。
そもそもCROSS FMなんていうラジオ局、聞いたことないんじゃないかと……。

しかし、北九州に住んでいた私にとっては実に懐かしい名前でした。実に青春の一ページと呼ぶべきラジオ局でした。
もう四半世紀以上前のことになります。

CROSS FMは1993年に開局したFMラジオ局で、最初は米軍放送よろしく洋楽しか流さないような硬派な局だったようです。
しかし急速に社会に迎合して(?)、私が聴き始めた95年当時はふつーにJ-POPもガンガン流していました。

当時私は高校受験を控えていて、少なくとも机に向かっているフリはしなくてはならなかったのですが、机上の友は誕生日プレゼントに買ってもらったAIWAのラジカセCS−P5でした。
それで勉強の傍らラジオを聴いていたのですが、当時北九州に住んでいたので一番よく入ったのがCROSS FMでした。

その頃人気を博していたDJは「JK」こと北野順一氏で、カッコイイ英語と兄貴分の様な親しみやすいトークで中高生のハートを鷲掴みにしていました。
冠番組「北野CLUB」はラジオのゴールデンタイムと言える平日の21:00~24:00枠でかじりつくように聴いていました。
とは言え大昔の話なので、ウィキペディアを参考に思い出しつつ印象に残ったコーナーをお話しすると――。

「CROSS COUNTER」のコーナー
これは似たような二組のアーティストを取り上げて、番組内で双方のヒット曲をかけながら気分を盛り上げ、人気投票で雌雄を決するというものです。
確か「ボンジョビvsヴァンヘイレン」「マイケルジャクソンvsプリンス」「アラニスモリセットvsジョーンオズボーン」とかがあった気がします。
必ず洋楽対決で「オフコースvs安全地帯」みたいなことにならないのが、オシャレであり適度な温度感で良かったです。
私は判官びいきで大抵負ける方を応援してましたね。

「ダブルブッキング」のコーナー
これは要するにラジオ内お見合いですねー。
面識のない男女を番組内で電話を繋いで会話させるというもの。
メインリスナーである中高生同士がたどたどしいやり取りをするのが、聴いているこっちまでムズ痒くなりますが、野次馬根性で聞かずにはいられないです。

当時全国区で人気のあった「赤坂泰彦のミリオンナイツ」と放送時間がぶつかっており(FM福岡でネットされていた)、北野も意識するような発言を繰り返していたので、双方のファンの間に軋轢を生んでいたようでした。
「ダブルブッキング」のコーナーに応募してきてると見せかけて、「ミリオンナイツ聴けー!」と一言叫んでガチャ切りされるという事件(?)があったのを記憶しています。

当時同じくラジオリスナーだった友人と、自転車で浅香通りにあった旧本社スタジオに行ったのもこの頃ですね。
日曜だったので、たしか「ホットワンハンドレッド」という流行曲のランキング番組をやっている最中だったと思います。
オープンスタジオの中から手を振ってくれたのを覚えています。ステッカーも二枚貰っちゃいました。

北野CLUBの前の放送枠で、16:00~21:00でやっていた「POWER STATION」も良く聴いてましたね。
こちらは日替わりのパーソナリティーでした。木曜担当の田中リエさんがキャラ立っていてよく覚えています。
プリンスの大ファンで、必ずプリンスの曲をかけていました。
96年に最初の妻のマイテと結婚した時はショックを受けてましたね。(「どうせすぐ離婚するさ」とやけくその台詞)

その頃、新人アーティストが担当する「ミュージックヴォイス」という深夜番組があったのですが、平井堅とか及川光博、川本真琴なんかがナビゲーターを務めていました。
その縁で及川光博と交流があったみたいで、プリンスのCDを貸したと話していましたね。

POWER STATIONはほどなく終了してしまうのですが、最後に涙声になりながらオンエアした曲はやっぱりプリンスで、当時リリースされたばかりの「イマンシペイション」だったことを覚えています。

「JK」と並んで、当時私たち中高生リスナーを虜にしたDJ
それは福岡吉本の芸人「おたこぷー」
今では全国区となった「博多華丸・大吉」とともに福岡ローカルのTV番組「とことんサンデー」に出演し、「おタコ体操」などシュールな芸風で好評を博していました。
「ハイパーサンデースーパーリクエスト」というリクエスト番組を担当していましたが、ラジオでもその独特な喋りとネタで、北野CLUBのようなオシャレさは無いですが、大人気でしたねー。
でもこちらは勉強しながらBGMとして聴こうと思っても、笑ってしまってそれどころではありませんでした。

博多華丸・大吉は今や全国的に人気者となりましたが、おたこぷーはどうしてるんでしょうか?
おたこぷーに限らず、JK、田中リエさん、その他のパーソナリティーのその後が気になります。

CROSS FMも大学入学とともに上京して以来とんと聴いていませんが、ウィキペディアによると経営母体が何度か変わっているようで、厳しい感じなのかなと思います。
北九州自体が斜陽ですからね……。
ホリエモンがどう考えてるのかは知る由もありませんが、CROSS FMにも北九州にも元気を与えるような経営をしてもらえると嬉しいですね。

スガシカオ「イノセント」

3ヶ月くらい前ですが、ブックオフでスガシカオの「労働なんかしないで光合成だけで生きたい」を500円でGETしたという記事を書きました。
実に素晴らしいアルバムで聴くほどに味わいがあり、今に至るまでよくリピートして聴いています。
それにしても500円というのは犯罪的というか、不当に安かったなと後ろめたさすら覚えます。(初回特典版でDVDも付いてるのに……)

私はスガシカオの長年のファンなのですがー、そう胸を張れないのはほとんどお金を落としていないからですね。
だいたい中古をブックオフで手に入れるか、ツタヤでレンタルしてリッピングして済ませていました。
CDを定価で買いたくないのは、ブックオフをはじめとするリユース店で二束三文で叩き売られているのを見るにつけ「定価などあって無いようなもの」という意識が頭をよぎるからです。

「労働なんか~」(19年)はふだんのアルバム以上に内省的な感じで、派手さは無くて最初は地味に感じるけど、何度も聴いているうちに歌詞の内容とかが生活の端々で思い出されるような、シミジミとした良さがあります。
一つ前のアルバム「THE LAST」(16年)も同じような感じで、スガも円熟の境地に入ったのかなと思わせます。

しばらくは「THE LAST」と「労働なんか~」をとっかえひっかえ聴いていたのですが、次第に新しい曲への渇望が湧いてきたので、今年の2月に出たばっかりの12枚目のオリジナルアルバム「イノセント」に手を伸ばしました。

いちおう見て回れる範囲のブックオフとディスクユニオンを見てみたのですが、「ナシ!」
ここに来て初めてファンらしく新品をGETしようかと決意します。
しかし、どうしても定価¥3,300を払う気にはなれず、Amazonアウトレットで出品されていたものを¥2,673で購入しました。

アウトレットってどんな状態なんだろう? バキバキだったりしないよね……。
と、心配しつつ届いたCDをみるとこんな感じ。

「安心してください!」とばかりに「検品済」のシールが貼ってあります。

ケースの裏を見ると小さなキズが入っていたので、恐らくこれでB級品落ちしたんだと思います。

ディスク自体は綺麗で、読み取り面にも傷はありませんでした。
ブックレットも問題なし。
今回はクリムゾンレッドで統一されてカッコイイですな。

早速聴いてみます。

一曲目の「バニラ」はサディスティックな感情を歌った曲で、前作、前々作にはない挑発的な雰囲気に「おや…」と面喰います。
ファーストアルバムに入ってる「イジメテミタイ」系列の曲ですね。
過去アルバムにしばしば入ってますが、ここ最近は影を潜めたかと思ったら枯れ切れなかったと見えます。

二曲目の「さよならサンセット」はアルバム「TIME」に入っている「June」に似た爽やかかつメロウな曲。
三曲目は……、という調子で一曲ずつ解説していくことは止めますが、12枚も出しているので「前にも聴いたことあるな…」と思い当たるような曲が多いです。
それによって昔からのファンはいつものスガシカオ節を感じ、安心して聴ける面もあるかも知れません。

しかしアルバムを通して聴くと感じるのはスガシカオの「変節」ですね。
3曲目の「叩けばホコリばっかし」、6曲目「バカがFUNKでやってくる」、10曲目「メルカリFUNK」、12曲目「おれのせい」はファンクザウルス名義の4曲。
一聴して「ウッ?!」と思う。
70年代にアメリカで流行った、大人数でガヤガヤとやるファンクミュージックのよう。
これまでのスガシカオの音楽って、ファンキーだけど基本的にはJ-POPだったと思うのですが、これはその枠を飛び越えている。
前二作と内省的なのが続いたのでその反動でしょうか?

もしかしたら3作続けて同じような作品にならないようにという判断なのかも。
でもスガシカオの根暗な曲が好きな人がファンクザウルスのネアカな曲を歓迎して聴けるかな?
私はアルバム通しで聴いている時もこのトラックは飛ばすことが多いですね……。

そしてどうしても一言いいたいのは、8曲目の「東京ゼロメートル地帯」
シっ、シティポップっすか?!
スガシカオ一流のブラックジョーク、だと思いたい。
いや、シティポップは海外から人気が再燃していると聞くし、定額音楽サービスの隆盛を見込んだ一流の戦略なのかも……。

とにかく前二作に対してバラエティーに富む作品になっていることは確かですね。
「このまま枯れるつもりはねぇぞ!」という意思を感じる作品です。

ちょっと今は付いていけてませんが、聴いているうちに「やっぱスガ最高だわ」「ファンクザウルス最高」と言ってるかも知れません。

最近買ったCD

早いものでもう三月ですな……。
早い、早すぎる。
季節もぐっと春めいてきて、そろそろ開花宣言が出るかも知れない感じです。

この頃は音楽はもっぱらアマゾンミュージックで聴いているのですが、久し振りにCDを買ったのでご紹介したいと思います。

ノラジョーンズの1STアルバム「Come Away with Me」(02年)と2NDの「Feels Like Home」(04年)です。
「Come Away with Me」の方は横浜のディスクユニオンで¥300くらいでGETしました。
ノラ、ごめん。
「Feels Like Home」の方はディスクユニオンにもブックオフにも無かったので、ちゃんと(?)Amazonで購入。¥980(税込み¥1,078)でした。

わたしなんかがとやかくと言うまでもなく、二枚とも歴史的名盤ですね。
リラックスした雰囲気の、シンプルで率直な歌が心地よいです。
特に気に入っているのは、二枚目の「Those Sweet Words」
アマゾンミュージックの「リフレッシュジャズ」のプレイリストに入っているのを聴いて虜になりました。

前々から名前は知ってたのですが、「ジャズボーカル」という手を出す気になれないジャンルでした。
当時の自分にはたぶん気に入らなかったし、よく理解できなかったでしょうね。
騒々しい音楽よりこういうシミジミした曲が聴きたくなるのは歳を取ったしるしかなとも思います。

今でも新譜を追い続けている唯一のアーティスト、スガシカオ。
とは言えマジメにリリース直後にGET!ではなく、中古レコードの棚を眺めて見つけたら手に取るくらいの温度感ですね……。
このアルバム「労働なんかしないで光合成だけで生きたい」(19年)もブックオフで何気に見てみたら、DVD付の初回限定盤に¥500の値札が付いていたので「これは?!」と手に入れました。
もう11枚目のアルバムになるのか……。
これだけ枚数を重ねると、既視感を覚える曲も多いですね。
しかし何度も噛むと味が出てくるスルメのように、何度も聴いていると自分の今の生活に沁み込んでくるような感覚をおぼえます。

この印象的なアルバムタイトルはアマゾンミュージックみたいな定額音楽サービスで、ふと画面に登場したら興味を持って聴いてもらえるんじゃないかと思って付けたのだそう。ライトノベル的手法ですな……。

私の一番のお気に入りの曲は「おれだってギター1本抱えて田舎から上京したかった」
もう聴く前にタイトルを見ただけでニヤけてしまった。
そして期待を裏切らないルサンチマンに満ちた歌詞に大満足しました。
私がスガシカオを聴き始めたのは大学生の頃なので、彼の歌を聞くと当時の感覚がうずくようです。
そこにド直球ストレートで投げ込んでくる曲。

DVDはライブ映像と屋形船での座談会のよう。
ちらっと見ただけですが、時間があれば観る、かなぁ。

最近のオーディオ遍歴

前回オーディオの記事を書いたのはまだ寒い3月のことであったか…。
いまもまた寒い師走に突入し、何というか時の流れは早いものですね。
その間に実は引越しをし(といっても同じ区内だけど)、テレワークもけっきょく恒常的に続いていますね。

相変わらずテレワの傍らオーディオを弄るということをしております。
この頃はアマゾンミュージックをよく聴いてますね。
「Hot In Japan」を垂れ流して聴いてます。
Official髭男dismは良い曲が多いですね。あとAdoも曲によって当たり外れがありますが、「ギラギラ」「夜のピエロ」「会いたくて」あたりは非常に好きです。

以下本題。

ヘッドホンはもう疲れた! 自作スピーカーで箱庭的オーディオ環境を作る

4月ですねぇ。
MS-Pro(ヘッドホンね)って、悪名高いGRADOの血を引いていて着け心地が悪いんですよ。
なので机上に置ける超小型スピーカーを自作で作ってみようと思い立ちました。
白羽の矢を立てたのは、自作スピーカー界では超有名なブランドFostexの8cmスピーカーユニットP800-Kと、その箱P800-Eです。
それぞれペアで、¥3,510と¥2,964でした。(税込み)

パソコンの自作同様なんちゃってDIYで、ハンダでスピーカーと箱を結線してねじ止めするだけで完成です。
確か30分くらいでできたと思います。

超小型スピーカーなので非力なCayin HA-1Aのスピーカー出力でもちゃんと鳴りました。
スピーカーケーブルもアマゾンで買ったこれ。

30mで¥1,646の激安。なのでトータルで8千円強くらいの投資でした。

机上に置いたところ。

さすがはFostex製で、最初から聴きやすい音が出ます。
フルレンジ一発なのでやはり低音は期待すべくもないですが、Youtubeのスピーカーテスト音源で確認したところ70Hzくらいから出てるようです。
高音は耳の方の限界で14kHz以上は確認できませんでしたが充分あるんじゃないでしょうか。
点音源に近づいたことでステレオ感があり、明確な定位でミニチュアサイズになった演奏家を眺めるような愛らしさがあります。

球転がし第二章 次は二段球を転(や)る

これは6月のことでした。
Cayin HA-1Aの初段球をムラードに替えて「アハハ」と楽しんでた訳ですが、二段球が元々付いてた中華球なのが実は精神衛生上良くなかった…。
で、しばらく市場(アマゾン)をウォッチしてたのですが4千円前後で推移していたのが2千円台に落ちたので脊髄反射でポチり!
税込み¥2,377でGETですじゃ。

早速取り付けたところ。
右の背の低い管です。(ステンレスのセパレータが鏡になって映ってますね)

音に関してはリッチになったという人もあればスッキリしたという人もあり、それぞれなのですがウチはドンシャリ傾向が強まりました。
なのでリッチになるという方に一票ですかね。
HA-1Aには背面に三極管接続とウルトラリニア接続という回路を切り替えるスイッチがあるのですが、ウルトラリニア接続の方が派手というかじゃじゃ馬的サウンドになります。
それが気に入っていて普段はウルトラリニアにしていたのですが、それだとうるさすぎるようになったのでもっぱら三極管接続で聴くようになりました。

部屋を暗くするとほんのり灯りが点って安らぎます

オカルト論争に終止符 果たしてインシュで音は変わるのか?
これは引越し後なので、先月ですね。
テレワークに使う部屋が広くなったのでせっかく作ったFostexのスピーカーは片づけて、スペンドールS3/5という元々使っていたブックシェルフ型スピーカーに戻しました。
これは確か2007年頃、ヨドバシカメラアウトレット京急川崎店で7万円くらいで買ったものです。
もう14年くらい使ってることになるのですね…。
幾たびの引越しを経て箱はキズだらけ、一部フローリングの補修材で繕っていますがスピーカーユニット自体は劣化した様子はなく買った当時と変わらない音だと思います。

小型スピーカーとは言えFostexのに比べるとやはり音の迫力に雲泥の差がありますな…。
スチールラックに直置きして聴いていたのですが、曲によっては棚にビリビリが伝わり聞き苦しいものがありました。
クッションを挟むと収まったので、しばらくそれでよしとしていたのですが、やはり見た目が悪く(オーディオは見た目が5割(?!))精神衛生上良くないので、インシュレーターに置いてみることにしました。

オーディオのアクセサリーには科学的根拠が乏しいわりにびっくりするような値段が付けられているものが珍しくなく、それがオカルトと揶揄される一因なのですが、インシュレーターにも多分にそんなところがあります。
そこでオカルト論争に終止符を打つべく、大枚(ヨドバシカメラ横浜で¥2,950)をはたいてインシュレーターを購入しました。

それがオーディオテクニカAT6099ッ!

う~ん、なんというダサイパッケージだろう。オーディオというもの、もっと幻想を大事にしなくてはいけません。
幸いパッケージから出すと結構カッコイイ。

なぜ6個?かとういうと、下の写真のように3角形の形に配置してその上にスピーカーを載せるからです。(決してケチってるからじゃないよね…?)

インシュレーターに載せる前と後で同一音源で聴き比べをしてみました。(アマプラで何曲か)
「何も変わらない…」
だったら面白かったのですが、意外と分かりやすく変化がありました。
低音が締まってベースラインが明瞭に聞き取れるようになります。
音の変化としては良い方向に向かってるのではないでしょうか?
インシュレーターに載せることで高級感が増して感じられるので、3千円弱の投資としては悪くなかったのでは思います。

レコファン渋谷店

「東京迷路」などの作品で著名な、写真家の鬼海弘雄さんがさる10月19日にお亡くなりになられたそうですね。
このサイトでも「東京夢譚」を紹介したり、好きな写真家でした。残念です。
それにしてもまただいぶ更新に間隔が空いてしまいましたな…。

このあいだ「あしたのひかり」展を見に行ったのが夏の暑い盛りでしたが、早くも冬の気配が漂っています。
昔良く行った大型中古CD店のレコファン渋谷店が10月11日に閉店してしまったそうです。
私が学生の頃は結構色んな所にあった印象なのですが、時代の流れとともにビジネスが難しくなってきたんでしょうね。
いちばん行っていた橋本サティ店はとっくの昔(06年)に閉店しちゃってました。

そんな中まだしぶとく(?)続けているディスクユニオンとの違いって何だったんでしょうね?

「あしたのひかり」展を見に行った後、久し振りに渋谷に足を延ばしたのですが、これが最後の訪問になりました。

最初に来たのはもう20年前くらいだと思いますが、什器のレイアウトとか当時のままなんじゃないでしょうか?
店内の雰囲気に変化がありませんね。

このあいだミルトンナシメントの記事を書いたので、ワールドミュージックのコーナーを覗いてみましたが、残念ながら特に掘り出し物はありませんでした。

店内に爆音BGMが流れていて、元を確かめてみるとなんとタンノイのカンタベリー(という高級スピーカー)でした。
現行品なら一台二百万円近くする代物…。
それがペアで60万くらいで売られていて、一瞬唾をのみ込みましたが、まずこんな馬鹿でかいものを置く場所がありませんね。

流してたのはロックやヒップホップとかでしたが、クラシック向けとよく言われているので、意外と違和感なくて感心しました。

しばらくブラブラと物色してたのですがコレと言って欲しいものが無い…。
歳を取るとともに新しい音楽を聴こうという気持ちが薄れていくのを感じます。
まあ、でもどうにか手に取ったのが下の二枚です。(どちらも2枚組なので4枚?)
閉店セールで5枚買えば割引だったのですが、これで限界でした。

左:サンタナの「ロータス」、右:VSOPの「ライブアンダーザスカイ79」
「ロータス」の方は73年に大阪厚生年金会館で行われた伝説的なライブを収めたものです。
ジャケットは横尾忠則が手掛けたもの。
同時期に同じく横尾がジャケットを手掛けたマイルスデイビスの「アガルタ」が好きで、実はジャケット繋がりで前々から気になっていたアルバムでした。
音楽的にもちょっと似ているかも。
「砂上の楼閣 パート1」で聴かれるギターリフはマイルスの「ジャックジョンソン」に収録されている「ウィリーネルソン」のものでは?!
あと、何というかスーパーマリオとかロックマンで聴かれるフレーズが出てきて、ファミコンの作曲家たちに大いに影響を与えたことが伺われます。

ライブアンダーザスカイは、JTが77年から92年まで夏に催していた野外ジャスフェスティバルですね。
79年のVSOPは、なんでも大雨が降るなか熱演して伝説となったそうです。
メンバーはハービーハンコック、ウェインショーター、ロンカーター、トニーウィリアムス、フレディハバードと、マイルスの「黄金のクインテット」からマイルスをハバードと挿げ替えただけという超豪華面子で、これが面白くないわけない―――。
ハズなんですが、正直アコースティックジャズが苦手な私にはいまいちピンと来てません。
これが分かるような渋い大人になりたいな~という未来の自分への宿題のようなアルバムです。
ただ、ハービーが日本人向けにすごく簡単な英語でMCをしているのは分かる。

BOSE Home Speaker 500

8月に入ってからアマゾンプライムを使い始めました。
まだ一ヶ月のおためし期間中ですが、プライムビデオやアマゾンミュージック、お届け日時指定便なんかが自由に使えて、それでひと月500円ならなかなかお得なのでは?と思います。
動画配信サービスはHuluをファミリーパックで観せてもらってたのですが、アマプラでしかやってない「有田と週刊プロレスと」がどうしても観たくなり…。
あんましこのブログではプヲタぶりを披瀝してこなかったですが、結構好きなんです。
で、どういうところが好きなのか載せようと思ったのですがー、書いてるうちに長くなってしまったのでそれは別の記事にすることにします。

アマゾンミュージックはイイですねー。
CDを買うほどじゃないけど、ちょっと聴いてみたかった曲を探すのにうってつけです。
ゼスプリのCMのキウイブラザーズの曲とか、auの浦島太郎の曲とか楽しく聴いています。
あと昔よく聴いていたオアシスとかスマパンとかも懐かしい気持ちで聴き直したり。

ファイヤーTV経由でテレビで聴くと、こんな感じで歌詞が出てカラオケ気分を味わうことができます。
好きな曲をスマホにダウンロードしてオフラインで聴くこともできます。
Unlimitedに入ればもっと色々聴けるみたいですが、なんかもうプライムでも充分じゃないかと思いますね。

それからもちろんアレクサを搭載したスマートスピーカーでも聴くことができます。
ただ、元々オーディオマニアの気がある自分にはアマゾンEchoはちょっとちゃっちく感じられ手が出ませんでした。
しかし、有名オーディオブランドのBOSEがアレクサ内臓のスマートスピーカーを出していることを知り、俄然興味が出てきました。

それがBOSE Home Speaker300と500
どちらも同じような形状ですが、500の方は液晶画面付きで、演奏している曲のアートワークが表示できるのが良いと思いました。
しかしお値段は驚きの5万円オーバー?!
10万円の給付金はとっくに使い切っています。
う~ん、どうしようか?としばらく「価格コム」とにらめっこする日々を過ごしましたが、意を決して購入しました。
安くGetするため、Qoo10という謎のECサイトを初めて使いましたが…、ちゃんと届いてよかった…。

梱包はしっかりしており、本体は高級日本酒よろしく不織布に包まれていました。
本体はプラスチックと思いきや、アルミ製で堅牢感があります。
大きさは20cmくらいで意外なほど小さいです。重さは2kgちょっとといったところですね。
部屋から部屋に持ち歩くのに少しも苦になりません。

内容物は本体と電源ケーブルのみ。ケーブルはしっかりしたもので高級オーディオ感があります。
で、コンセントに繋ぐと「ブオォォーン!!!!」という感じで起動音が鳴りビビります。

セットアップは全てアプリからです。
最初なかなか機器を認識せず苦戦しました。
認識した後はスムーズに行きましたが、Wifiのパスワードを入れたり、アマゾンにログインしたりとパソコンに疎い人には結構ハードルが高いのではないかと思いました。

セットアップが完了し、ついにアレクサに話しかけます。
「アレクサ。あいみょんかけて」

音声を認識すると液晶の上部がピカピカと光り、しばらく(3~5秒)して
≪アマゾンミュージックのあいみょんの曲をシャッフル再生します≫

「お~ッ!!」
♪マリーゴールド♪が流れてきました。
いやー、スゴいっすねミ☆

肝心の音なのですが、とにかぐ低音がスゴイ。
BOSEは低音とはよく聞きますが、もうわざとらしいくらいの低音。
あいみょんのはずがクラブサウンドと化しています。
コレがボーズサウンドかー!

これがこんな小さい筐体から出ているとはとても信じられません。
上の写真ではスペンドールS3/5というスピーカーに乗っていますが、2倍以上重いのに低音はBOSEの方が全然出ています。
きっと何か秘伝の謎の技術が使われてるんでしょうな。
ただ、低音が強すぎて高音が聞き取りずらいので、普段は操作アプリ(BOSEミュージック)で、高音を+20、低音を-20のバランスにして聴いています。

ステレオ感は当然期待していなかったのですが、期待しなかった割(?)には感じます。
左右のスピーカーが背中合わせになっていて、壁に音を反射させることでステレオ感を出しているんだそうです。
そう言えば昔から似たようなコンセプトで901とかを出してましたね。

ただ残念な点もいくつかありー。
ひとつはホームサーバ上に大量に貯めたMP3をそのまま聴くことができない。

DLNAという規格(?)に対応した機器なら、サーバ上の音楽ファイルをストリーム再生することが出来るのですが、本機は未対応のよう…。
別のBOSE機器の中には対応しているものがあると聞いたので、そのうちソフトウェアアップデートで対応されたら良いなと思います。

もうひとつはファイヤーTVの音声をプライムビデオの場合はテレビで、アマゾンミュージックはBOSE Home Speaker 500で、という風に出し分けたいのですが無理のよう…。
これはBOSEのせいというよりアレクサの問題かも知れませんがいつか対応して貰えたらな~と思います。

でも細かい色々はありますが、おおむね満足していますよ。

ミルトン・ナシメント

新型コロナが全世界的に流行してますね。
アメリカについで感染者が多いのがブラジルだそうです。

私は昔からブラジルの著名な音楽家のミルトン・ナシメントのファンなのですが、たしか結構高齢になっていたはずなので、ふと不測の事態がありはしないかと頭をよぎりググってしまいましたよ…。
どうやら変なことにはなってなさそうなので一安心しました。「最近はあんまり聴いてないな~」などと思いつつ最新の情報を調べていると、いつのまにやら伝記「ミルトン・ナシメント “ブラジルの声”の航海<トラヴェシア>」が刊行されているのを発見しました。
そうそうこういうのが読みたかったのです。早速アマゾンでポチりました。
まだ最初の方しか読んでないのですが、幼くして両親と別れてしまい養父母(しかも白人の)の元で育ったという生い立ちがあったのですね~。ドラマチックです。

私がミルトン・ナシメントの音楽にはじめて触れたのは中学3年のころですね。地元の古本屋で100円で売っていた「ベレーザ・トロピカル」というブラジルのポピュラー音楽のコンピレーションCDを手に取ったのがきっかけです。

それ以前はブラジル音楽など一度も聴いたことはなく、そもそもハワイアンか何かかと思って買ったのですが、一聴してその素晴らしさに打たれました。
それもそのはず、カエターノ・ヴェローゾ、シコ・ブアルキ、ジョルジ・ベン、ジルベルト・ジルといった超大御所が勢ぞろいで、お得に18曲のてんこ盛りですが1曲としてつまらない曲が無い!
日本で言うならさしずめ、井上陽水、さだまさし、中島みゆき、桑田佳祐、山下卓郎のヒット曲を集めたようなアルバムです。
しかしそんな名曲ぞろいの中でも9曲目の「サン・ヴィセンチ」は出色で、ミルトン・ナシメントの名が永久に脳裏に刻みつけられることになりました。
何というか、出だしから美しい裏声で、リズミカルな曲でありながら宗教音楽のようにも聞こえる今まで聴いたことのない音楽でした。
17曲目の手製楽器集団“クアウチ”とコラボしたという「アニマ」も、曲調は全然違うもののスピリチュアルな曲でこれまた素晴らしかった…。

ミルトンの写真を見たのもこのアルバムのブックレットが初めて。(↑の赤丸の人)
何となく白人かと思っていたのでちょっと意外に思った記憶があります。
ジョルジ・ベンの曲とかは如何にも黒人っぽいファンキーな曲なのですが、ミルトンの曲はファンキーとはかけ離れた上品な曲なので図らずも誤解してしまったのでしょう。

それ以来レコード店に行けばブラジル音楽コーナーを覗くミルトンフリークとなり、集めたCDは28枚にもなっていました。

一番収集熱が高かったのは大学生の頃ですね~。
新宿や渋谷のレコファンやディスクユニオンなんかに足繁く通っていました。

穴場だったのは意外にも大学の近くにあった京王多摩センター駅の「Tahara」
他所ではほとんど見かけたことのないアルバムが置いてあり、驚喜したものです。授業をサボってよく行っていました。

下はそこでの釣果、「ミッサ・ドス・キロンボス」(左)と「ミラグリ・ドス・ペイシェス」(右)

そんな思い出深い店でしたが、2009年の大晦日に閉店したそうです。時代の流れとはいえ残念ですね。

ミルトン・ナシメントの音楽には宗教的とも言いたいような神秘的な雰囲気があり、それでいてポピュラー音楽としてもばっちりな親しみやすさがあり、サイコー!!!と思うのですが、やはり長いキャリアで多くのアルバムをリリースしていると「これは…」というのもあります。
いや、もしかしたら聴く人が聞けば素晴らしいとか、時代が追い付いていない系かも知れませんが、ちょっと普段気軽に聴くにはキツイものもいくつかあります。

実は上の2枚もモロそういうやつで、私も数回しか聴いたことはないです。
「ミッサ・ドス・キロンボス」なんか、サンバとカトリックのミサが融合したような、日本人の感性からは遠くかけ離れたもので、ミルトンの入門盤としてこれを聴かされた人は前世がブラジル人じゃない限りは二度と聴くことは無いんじゃないかと思います。

そこで自分的におすすめしたいアルバムを5枚ピックアップしてみました。

  • 1978年 クルビ・ダ・エスキーナ2(「街角のクラブ2」上段左)
  • 1980年 センチネラ(「歩哨」上段右)
  • 1982年 アニマ(下段左)
  • 1983年 アオ・ヴィーヴォ(「ライブ」下段中央)
  • 1985年 エンコントロス・イ・デスペヂーダス(「出会いと別れ」下段右)

う~ん、見事に70年代末~80年代中盤に偏りましたな。この辺りがキャリア全盛期でしょう。
90年代以降になると声にちょっと陰りが出てくるように思います。
2000年以降はー、実はあまり聴いていません…。

クルビ・ダ・エスキーナ2

「ベレーザ・トロピカル」で知った「サン・ヴィセンチ」は72年の「クルビ・ダ・エスキーナ」に入っていて名盤なのですが、78年の「クルビ・ダ・エスキーナ2」はさらに充実し楽曲も粒ぞろいなのでこちらを選出しました。
これをキャリアNo.1に挙げるファンも多いはず。70年代を総括するかのような大傑作だと思います。

センチネラ

いきなりミサ曲から始まるという、ミルの趣味駄々洩れのアルバム。これは好き嫌いが分かれるかも知れません。
しかし4曲目、超絶名曲「カンサォン・ダ・アメリカ(アメリカの歌)」に全てが救われます。
これが「ミッサ・ドス・キロンボス」方面に暴走して行くんだな~と思うと感慨深いものさえあります。
作家性と大衆性が危ういバランスをとる一作ですがー、私は押します。

アニマ

これは表題曲が「ベレーザ・トロピカル」に入ってるやつですね。
全編スピリチュアルな雰囲気とキシリトールガムのような清涼感に包まれた傑作です。

アオ・ヴィーヴォ

ライブアルバムはいくつか出てますが迷うことなく一番に押せる作品です。
キャリア絶頂の瞬間ではなかったというような、艶のある声。
1曲目「コラソン・デ・エストデンチ(学生の心)」の抑揚を付けながら終盤にかけて徐々に盛り上げていく歌唱が素晴らしい。
11曲目のガル・コスタとデュエットで歌う「ソーラー」がライブのハイライト。

エンコントロス・イ・デスペヂーダス

個人的にイチオシ作品。
シンセサイザー使いまくりでいかにも80年代臭が漂うのはご愛敬ですが、粒ぞろいの楽曲が揃っています。
白眉は7曲目の「プラ・エウ・パラール・ヂ・メ・ドエール」と、10曲目のクララ・サンドローニとのデュエット「ア・プリメイラ・エストレーラ(一番星)」ですかね~。
著名なギタリストのパット・メセニーが参加している11曲目の「ヴィードロ・イ・コルチ(ガラスと切り傷)」は全編スキャットで歌われアンビエントな雰囲気です。


つらつらと書いているうちにまたミルトンの曲を聞き直したくなってきました。
御大はたしか糖尿を患っていたと思うので、コロナに感染することないよう祈っています。

パイオニア N-50A

この間ふいにオーディオについて書いたりしたのですが、それは言うまでもなく物欲に責められていたからでして…。
色々悩んだ末、買ってしまいました。

パイオニアのネットワークオーディオプレーヤー「N-50A」です。

「ネットワークオーディオプレーヤー」とは何か? なのですが、ネット時代になって多様化した音楽ソースを一元的に操作・再生できる機器といったところです。
例えばインターネットラジオ、iPhoneのAirPlay、パソコンに入っているMP3、USBメモリに入っているMP3、そしてCD(からのデジタル入力)という様々なソースを再生できます。
ある意味セレクターのようなものですが、入力はみなデジタルなので、機器の中でデジタル処理を行うことでボトムアップ(高音質化)を期待することもできます。

各社から出ていて、100万円を超えるような非常に高価なものもあるのですが、デジタル/エレクトロニクス製品にそんな大枚をはたく気はなく(そもそもそんな原資がない)、DENON、マランツ、パイオニアあたりが普及価格帯(~10万)を出していて、そこからのチョイスとなりました。
実際には視聴せず、レビューサイトの情報のみを頼りにしたのですが、価格、機能のバランスと見た目のシンプルさで本機種に決定しました。
通販サイトで購入して、お値段¥55,200でした。

翌々日くらいにはもう届き、早速セットアップします。
入力が色々多いので、LANケーブル、PCからのUSBケーブル、CDからの同軸ケーブル、外付けHDD、アンプへのRCAケーブルとしっちゃかめっちゃかです。
とにかく全てつないで音出ししてみます。

「う~ん、なんだか硬い音だなァ」というのが第一印象。
今までのCD(ケンウッドDPF-7002)で聴かれていたような柔らかさ、繊細さとはうって変わってハッキリクッキリした音です。
とくにパーカッションなどは頬をピシャリと打たれるようなハッとするほどの鮮烈さを覚えました。
やや寂しいものがないとは言えませんが、たぶんこれが音響特性的には上なんでしょうね。
ブラウン管から地デジに移行した際の、あまりの鮮明さにたいする戸惑いと相似のものがあるのかも知れません。
実際しばらく聴いていたらあまり気にならなくなってきましたし。:-P

色々デジタル処理のオプションがあり、「DIRECTモード」というのが何にも処理を施さず素直に音を出すモード。
しかし音の硬さも最大となるように思われます。
「Hi-Bit32」「Up Sampling」というデジタル処理を噛ますと、正直ほどんど変化を感じませんが、やや柔らかくなるような気がするので気休めでONにしています。
「Auto Sound Retriever」というMP3とかの圧縮音声を補う機能もありますが、これをONにすると音が太くなりややごちゃごちゃするのでOFFにしています。
同じく「Auto Level Control」というのも変化を感じないのでOFF。

よく聴いているのはインターネットラジオ、PCに入ってるMP3、外付けHDDに入れてるFLACあたりです。
インターネットラジオは膨大な放送局があるので選ぶだけで一苦労なのですが、「お気に入り」機能があるので、いちどお気に入り登録してしまえば次から選ぶのはラクです。
今のところ、「FM Bayスムースジャズ」と「LINNジャズ」を登録しています。
ラジコとからじるらじるとか聴けるネットワークオーディオプレーヤーもあるみたいですが、N-50Aは残念ながら未対応のようです。
(ラジコ聴きたい人はよく調べたほうがいいです)

今回ネットワークオーディオプレーヤーを買うということで、気合を入れて所有CDのFLACファイル化を進めました。
※FLACファイルというのはMP3よりファイルサイズは大きいけれど音質的に有利なファイル形式のことです。
まぁ正直それほど変わらないな…と思うことも多いですが、曲によってはシンバル等の金物のシャカシャカ音が鮮明になったり、コンサートなどでのガヤガヤがよく聞こえたりするのでプラスに働いてるのは確かじゃないかと。

この機種の不満点は、起動が遅いこと…。
電源ONから操作ができるようになるまで、たっぷり30秒はかかります。
スタンバイからでも同じだけかかるので、スタンバイの意味あるのか?と思ってしまいます。
外側はオーディオ機器のようですが、中身はパソコンなんじゃないかと勘ぐっています。

そして楽曲を選ぶ動作がモッサリしている…。
特にいっぱいアルバムがあるアーティストのフォルダを覗こうとするとしばらく凍り付いているのでイライラさせられます。
ディスプレイも小さいので、全体がつかみにくく不便に感じられます。
ただ、そこはスマフォをネットワークオーディオプレーヤーのリモコン代わりにするアプリがあり、それを使うとかなり解消されます。
わたしは「BubbleUPnP」というのを使っています。
これを使うとスマフォから、PCの中にあるMP3をN-50Aで再生するという芸当ができ、あまりの便利さに「おぉ…」とたじろぎました。

あと、アルバム名、楽曲名にラテン文字(‘ã’とか’ç’とか)が含まれていると文字化けして#で表示されて興ざめな気分になります。

とまぁ…色々不満も書きましたが、実はおおむね満足しています。
新しいテクノロジーに触れて大いに刺激されるものがありました。
そしてオーディオを新しくすると、過去のライブラリをもう一度聴きなおして見たくなるというのも効能かなと思います。

今はリオ五輪にあやかってー、という訳でもないですがブラジル音楽を再び聴きはじめました。

やっぱ名曲というのは何で聴こうが感動は変わらないものだということに気付かせてくれます。