ウォッカ飲み比べ

冬至を迎えて、寒さが一段とキビしくなってきました。
そんな寒さを迎え撃つには、「飲む」しかありませんね。

内心ロシアの酒飲みに憧れている私は(だってロシアの文学には必ず泥酔漢が登場するでしょう?)、「ウラー!」と叫んで河に飛び込むべくウォッカを調達したのでした。
しかし近所の酒屋を何件か梯子して気付かされた真実とは、「ロシア製のウォッカが置いていない」という事。
そして意外な国が原産国として散見される。
それは「韓国」!
ギルビー、スミノフといったどこにでも置いてあるウォッカの原産国は韓国となっています。
その他のSKYYとか、アブソリュートウオッカとかもやはりロシア製ではない。

という事は、ロシアで生産されたウォッカは一滴残らず地元で消費されてしまって、外に出る余分はないという事でしょうか…?
怪しみつつ、新宿のやまやまで足を運んで探してみたところ、いいえそんなことはない!
あるではないですか、ロシアのウォッカ。
(とはいえ、この一銘柄しか見つけられず、反証としてやや心もとないものを覚えます…)

それが下の写真の左に写っている、「グリーンマーク」です。
ちなみに右はウォッカの銘酒「ストリチナヤ」です。
今回飲み比べをしてみるために買いました。

裏のラベルを見ると、確かにロシアとありますね。
ストリチナヤはラトビア産です。

ショットグラスにグリーンマークを注いで、ぐっっといってみると、かなりの荒々しさを感じます。
薄めたアルコールという感じです。
カクテルベースならまだしも、ストレートで飲むのはちょっと辛い感じですね。

代わって、ストリチナヤを口に含むと実にマイルドでアルコールの辛さをそこまで感じさせません。
スルっと喉を通って、何杯でも杯を重ねられそうな感じです。
ストリチナヤのほうが2%アルコール度が高いのに不思議ですね。

それではもう一杯。
「ウラー!」

ニューフロンティア・イン・リカー

う~ん、もう11月ですか?
これはちょっと早すぎじゃないですかね…。
ということはつまり、もう今年、2015年は残り2ヶ月もないという事ですよ。
そういうことを言ってるんですよ。
それは無いでしょう? ひどい話だ…。
せいぜい9月でしょうまだ。
だって、あの焼けつくような暑さ。皮膚を刺す陽の光をはっきり記憶していますよ。
まぁあの頃に比べりゃちょっとは涼しくなって、シャツ一枚で歩いてりゃくしゃみがでますがね。(ヘヘ…)
だいいち10月はどこに行ったんです?
本当に在ったんですか?
わたしは何一つ記憶してませんよ。
これじゃまるで時間を盗まれたも同然ですよ。
とんでもなく不遜な男がカレンダーの中に鎮座していて、だれも口答えすらできないのですか?
このまま一年が終わったら、わたしはただ無駄に齢を食ったってことになるじゃないですか?
そんなことって許されるのですか?
馬鹿な! わたしは認めませんよ。
もう我慢できない。わたしは行きます。
溶液の中の未開の地へ。

5時になると、自治体のアナウンスが流れ、お寺からゴーンと鐘つく音が聞こえてきます。
憂鬱に閉じていたカーテンをちょっと開いて外を眺めると、びっくり。
もう夜中と変わらないくらいにとっぷり暮れていました。

YouTubeで「ウルトラバカ酒飲み」と検索すると、10年以上前に放送されたロシアのヨッパライ番組が見つかります。
うっすら覚えていることが恐ろしい。
尾崎豊を聴いてバイクをかっぱらいたくなる中学生と同様に、彼らの無軌道な生き方に憧れを覚えます。
木製品のつや出し剤をよく飲む人は皮膚が紫色になり、周りからは「ナス」と呼ばれたそうです。(そんなことより病院だろう?)
なんという国民だろう。
さすが、ドスト、トルスト、チェホフ、ゴーゴリ、ソルジェニーツィンなど数多の文豪を生み出した国です。
わたしは流石にそこまで健康ではないので、許される範囲でリカーのフロンティアを探究してみたいと思います。

ハタから見ていて「あちゃ~」と思う双璧は、焼酎甲類の大容量ペットボトルとパック入り普通酒ではないでしょうか?
コンクリートを枕とする人の傍らに置いてあって違和感を感じないものと言えば--。
さすがにまだそこまで人生を極めてないと思ってるので、これらには手を出してませんでした。
しかし今晩禁忌に手を染めます。
とは言え大五郎系は本当にタブー過ぎるので、シャレで済みそうなパック酒で攻めます。

セレクトしたのはキクマサピン。
プリントされたピンクの菊が洗練されたデザインだなと思います。
それにしてもこのパックの形状は小学生のころ給食に出ていた牛乳パックと同じではないか?
ストローが付いてくるところまでいっしょ。
これはストローで飲むのが正統なのだと感じ、チューチューと飲りました。

「アレ?!」
普通に美味い。
ラベルに原材料「醸造アルコール」と書いてあったので、安酒にありがちなアルコール臭いのを想像していたのですが、まったくそんなことはなく、むしろ飲みやすかったです。
なんという良心。
「怖いもの見たさ」で手に取ったことを恥じました。

ツマミはアタリメ、サンマの塩焼き。
旬のサンマが本当に美味い。

食後、「デルカップ(甘口)」を飲みます。
これもコンビニなどでよく見かけるものの今まで手を出せなかったお酒。
容量50mlで、¥170だったので、結構割高ですね。
決してアル中が飲んでいるイメージはありませんが、その特異な形状とラベルから発せられるオーラから高齢者が好みそうなイメージがあり、別の意味で手を出したら終わりそうな感じがありました。
しかしこうやって見ると、琥珀色に光っていてとても綺麗に見えます。
口に含むと薬草の複雑な香りと甘みが広がります。
何か食べながら飲むには適さないですが、ナイトキャップなんかにはいいんじゃないかと思います。(ただ、歯を磨きたくなるかも)

きょう自分の中のリカーの版図を広げる冒険を行いました。
なかなか有意義であったと思います。
それではこれから住み慣れた霧深き我が島に戻るとしましょう。

ワイルドターキー・レアブリード

あんまり高いバーボンを飲んだことがないのですが、安いウイスキーを長年飲んできた経験からすると、味・価格のバランスから言って「ワイルドターキー8年」がファイナルアンサーということになります。
この「ワイルドターキー・レアブリード」はそのちょっとプレミアム版。
とは言え、熟成年が上がるわけではなく、6年、8年、13年の樽からブレンドし、加水なしでボトリングするというもの。

キンキラの化粧箱にテンションが上がります。
壜からも仄かな色気が漂います。

濃い琥珀色の液体をグラスに注いでペロっとひとなめ。

「アレ?!」

想像とは違う味。
ワイルドターキー8年のあの重厚なボディが感じられず、ただただスルっと喉を通っていくのみです。
自分の体調が悪かったのかと日を改めたり、はたまた飲み方が悪いのかとグラスを変えてみたり、水で割ったりしたのですが、最初の印象はますます強まるばかり。

ウーンと悩んだ挙句、8年とレアブリードとでは味のベクトルが異なるように調整されていると結論付けるしかありませんでした。
これはこれで決して悪いというわけではなく、こういう味の方が好みの人もいるでしょうが、ちょっと私にはツマランですな。
これからは迷わず8年を買おう。

最近のリカー

最近は初夏の気配が漂ってきたので、清涼感のあるお酒を嗜んでおります。

まずは以前も記事にしたこともある、「スーズ」
ソーダで割って飲む---、ウマイ!

次に初めて買った、「ウゾ12」
「ウゾ」はギリシャでよく飲まれる、アニスで香り付けした苦いリキュールです。

味は正直歯磨き粉を飲んでるような感じですね。
あまり日本人には馴染みのない風味ではないでしょうか。

以前「ペルノー」という同じアニス系のリキュールを買って後悔した思い出があるので、買うのを躊躇したのですが、「ペルノー」のような変な甘ったるさはないので、「大好き」とは言えませんがまぁいけます。

とは言え、ストレートで飲るのはツラいものがあるので、炭酸かミネラルウォーターで割って飲んでいます。
アニス酒の特徴として、水で割ると白濁するので、それを眺めるのも楽しきかなです。

真夏の、へこたれそうなくらい暑い日にはきっと恋しくなる味でしょうね。

梅酒作り

去年は忙しすぎてやる暇がなかったですが、今年は余裕ができたので再び梅酒作りにトライします。

去年の鬱憤を晴らすかのように、今年は二瓶仕込みました。

梅は熟した南高梅。
洗って、ヘタを取り乾かします。

今年は味の違いを楽しもうと、二種類のベースリカーを用意しました。

ひとつは一昨年同様ジン(左)
ペットボトル入りのバートンジン。「やまや」で¥1,700くらいでした。

もうひとつは初めての試みで、ラムでいきます(右)
これも「やまや」で買ったリコベイ・ホワイトラム。
お値段は¥1,300くらい。
漬ける前にちょっと舐めてみましたが、「薄めたエタノール」って感じであまりラムの風味はしてませんでした…。

日々の成長が楽しみです。

最近のリカーや

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ここしばらくシングルモルトの旅を続けていましたが、何かまた安酒の世界に戻って来たかのような最近のリカーです。

いいよね3リットル箱ワイン、僕も大好きだ! という感じでヴィニャランサール赤、肉のハナマサで¥1,280でした(税抜き)

去年の12月に「一杯」でこれと同じくらいの値段の赤ワインを飲んだのですが、確かに美味しかった、それにひきかえこれがどうしようもない安酒であることは間違いないのですが、30倍も違うほどにでしょうか? とは思います。

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この注ぎ口の仕掛けが楽しい。
結構勢いよく出るのでビビります。

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芋→泡盛→黒糖と来て、また芋に戻ってきました。
安いが黒霧より明らかに劣る酒質が楽しい。
酔えばどちらも変わらない。

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最近のリカー

メリークリスマス!

恐らくこれが今年最後の投稿になるんじゃないかと思います。
それなのに酒って……という感じですが、もうここまで来たら引き返せません。

クリスマスらしく、野生の七面鳥を飲(や)る。
最近はスコッチばっかり飲んでいて、以前ワイルドターキーを飲んだのがいつの事だったか思い出せませんが、元々わたしはバーボン派。
甘く豊かな香り、しっかりとしたボディにうっとりします。
しかしこの頃はあのセメダインのようなエステル臭がダメになってきました。
それにスコッチと比べると味にあまり幅がないような気がします。
まぁでもこうしてたまに飲むとやっぱり良いなと思います。

出たッ! パック酒!!
コスパの高いパック酒は普段飲みのために買っています。
紙パックは捨てる時楽で良いです。

芋→泡盛という流れで飲んでいたので、普段あまり飲まない黒糖焼酎にトライ。
黒糖焼酎といえばこれまで「喜界島」しか飲んだことがなかったので、この「里の曙 瑞祥」のラム酒っぽさに驚きました。
まぁ原料は同じなので驚くことではないのかも知れませんが…。
それだけ「喜界島」が無個性だったということか?

さて、今わたしの家の食器棚には隠し球が控えています。
う〜ん、まだ飲まない。
何か良い事があったら、飲もう。

クラガンモア

また久し振りにシングルモルト紹介シリーズです。

この間久し振りに御徒町を訪れたところ、長らく工事していた「吉池」がリニューアルされているのを発見しました。
ここの二階にあったお酒売り場は凄い品揃えで、他所では見たこともない銘柄を取り揃えてあり、本当に夢のある空間でした。
それがリニューアルでどう変わったのかと、期待に胸膨らませつつ店内へ。
以前はすこし煤けた感じの店内でしたが、ピカピカに生まれ変わっていました。
そしてお酒売り場は地下二階になってました。

ところがエスカレーターで地階に降り立った私の目に入ってきたのは、以前の半分ほどに縮小された売り場。
それも雑貨売り場と同居という残念な姿でした。
あれほど色々な種類のボトルを揃えて目を楽しませてくれた売り場はどこに行ったのでしょうか?
どういう経営判断があったのかは判りませんが、東京の台所の御徒町に相応しく、「ここに来ればどんなお酒でも手に入る」という信頼感を残して欲しかったですね…。

しかし、はやり吉池で、品揃えは並の酒販店以上はあります。
そして「クラガンモア」という渋いウィスキーが特売されているというのも面白い。
ちょうど探していたところなので、渡りに船と購入して帰りました。

クラガンモアは「スペイサイド」というスコットランド北部の蒸留所が密集しているところの産です。
で、何かの格付けでスペイサイドの「クラシックモルト」に選ばれたとかいうことが、化粧箱に誇らしげに書いてあります。
他の地域のクラシックモルトの名前を上げて(いずれも有名な銘柄)、「どうだこいつらと同列なんだぞ」という感じで書いてあるので、ちょっとその態度が「クラシック」に相応しいのかと危ぶんでしまいます。
とはいえ、本当の評価はボトルの中身でしかありえません。

色は紅茶っぽいゴールドですね。
香りは甘く、奥ゆかしい感じがします。しかし何と形容してよいか分からない。
「紅茶のような香り」という人もいます。

味は穏やかでサッパリしています。
とはいえ例の紅茶のような香りはしばらく口中に残ります。
スコッチによくあるピート臭はまったくありません。
複雑な香りを持つ事で有名だそうで、ナシや青りんごの匂いという人もいるそうですが、ちょっと自分には判りませんでしたね。

オールド・パーの原酒だそうで、数年前に飲んだかすかな記憶を辿ってみると、確かにこんな後味だったような気がします。
ただ、もっと色んなモルトをブレンドしてゴージャスに仕上げていましたね。
それに比べるとやはり玄人好みの酒なのでしょう。
「クラシックモルト」と評されるのも、むべなるかなと言ったところでしょうか。

梅酒完成&梅ジャム作り

以前の投稿(「梅酒作り」「梅酒作りの経過」)でお伝えしていた梅酒が、4ヶ月の熟成期間を経てついに完成しました!
完成した梅酒と、引き揚げた梅を使ったジャム作りをお目にかけたいと思います。

こんないい色になりました。
梅もすべて沈んで、シワシワになっています。
とてもいい匂いです。

梅の実をすべて引き揚げます。

実はジャムにするため、種から剥がしやすいようにいっぺん水から煮ます。

15分ほど茹でたあと、ザルに揚げて冷まします。
手で握り潰して実と種を分け、実の方はさらに鍋にかけて煮詰めます。

オタマの底で実がペースト状になるまで潰しました。
それからレモン汁と砂糖を加えて、とろみがつくまで煮ます。
とろみがついたら冷まして完成です。

2瓶分出来ました。
これで一ヶ月くらいは持つでしょうか。
味は、たぶん市販の品に比べたら落ちると思いますが、手作りの思い入れもあり、結構美味しく頂いています。

それから梅酒の方も、一部をミニチュアボトルに入れてみました。

う〜ん、美しい!
味もジンベースのおかげか、あれだけ砂糖を入れたにもかかわらずストレートでも美味しく飲めます。
ちなみに壜の中に浮いているのは梅の種の「仁」です。

梅酒作りの経過

二ヶ月前に梅酒作りの記事を投稿しましたが、その途中経過を報告します。

↓が二ヶ月前の状態。

これが、こんな感じになりました。

梅が真ん中に帯状に浮いていて、それを境に色が変わっています。
氷砂糖は一ヶ月ほどで全て溶け切りました。

上澄みをすくって飲んでみました。
まだ青いというか、尖った味がしますが、美味しいです。
氷砂糖の量が多すぎたかと思ってましたが、ちょうどいい塩梅でした。

混ぜてふたをするとこんな感じに。

梅が沈みきったら飲み頃かと思います。