上野~谷中

昨日は午前中小雨が降っていましたが、午後になると止んだので用事のついでに上野を歩きました。

根津から上野動物園の裏手を回って、不忍池に出ます。
生憎の天気でしたが、三連休ということもあったのでしょうか、かなりの人出がありました。

弁財天に渡る橋のところ。
ピントが合ってなくてよく分かりませんが、無数の鯉が観光客が橋の上から投げるエサに群がっていました。

ハス池の手前にスズランのようなユッカ欄が咲いていました。

京成上野駅のところの階段。
階段を登り切ると…

墓地!
というわけで公園内は割愛して、谷中霊園に飛びます。

着いた時はすでに夕刻で、日暮里のタワマンがアルプスの嶺のごとく光り輝いていました。

燃える西の空。

しばらく経つと陽が落ちて薄明となり、場所も場所なだけに、とても幻惑的な雰囲気になってきました。
写真は補正が入っていますが、実際はもっと暗く見えています。

東大医学部の仏舎利塔。
ひと際大きく異様な姿です。
一体どんな謂れが…?(献体者の霊を慰めるためとかではないよね…)

タワマンとの対比。

薄暮の中で石がうっすらと光ってるように感じられ、夢の中のような奇妙な浮遊感を覚えました。

墓マイラー

著名人のお墓を巡ることを趣味にしている人たちの事を「墓マイラー」と言うそうです。

二年位前、谷中霊園に行って鏑木清方のお墓を見てきたことを記事にした記憶がありますが、この頃再び同地を訪れて、「お墓参り」に対する興味が再燃してきました。
とは言え、私の「墓マイラー」としての関心は主に写真を撮ることにあります。

「地面の上」
つまり故人を偲ぶことではなく、もっと即物的に墓石自体、卒塔婆、供物、そして墓地という場所そのものにあります。
墓地というのは考えようによっては、写真を撮るのに理想的な場所ではないでしょうか?

第一にとても静かで、落ち着いた気分になれます。
谷中霊園という都心にほど近いところでさえ、ほとんど人気がありません。
ファインダーを通しての被写体との会話をだれにも邪魔されずに済みます。

そして墓石はどれも同じようでいて、その実個性に富んでいます。
形状もそうですが、新墓の御影石のヌメリとした質感や、年を経てザラリとしてきた肌理などが写真にどう写るかというのは、写真愛好家にとってはとても興味深い点です。
時刻によって変化する光の中で、墓石がどう見えるかを追求するのも面白いテーマでしょう。
灯籠や、つくばいといった脇役も目を愉しませ、飽きることがありません。

また墓地は、意外にも自然に溢れています。
谷中霊園は桜で有名ですし、この時期だとイチョウも見事です。
あまり手入れのされていない墓所では草葉が繁茂していて、それが無機質な墓石に対して際立って見えます。

ここから私が実際に撮った写真を紹介しながら、こだわりのポイントなどを説明していこうと思います。

この墓石ごとの肌理の違い。いいですよね?
卒塔婆の梵字も妖しい魅力を放っています。

これは宝塔というタイプか?
サイドの梵字がカッコイイ。


やはり動かないので、デッサンのように光と影の当たり方について色々と試すことが出来るのが魅力のひとつかも。


谷中霊園といえば、墓所の一等地。
それで、まるでマンションのような集合墓地すらあります。
これは新たな分譲地か?



日暮里駅前のタワーマンションがよく見えるのがシュールな感じです。
あとスカイツリーも。



生命力溢れる樹木が墓石と好対照を成しているようです。

見事なイチョウ。

墓地に咲き誇るコウタイダリア。

墓を覆い隠さんばかりに繁茂してる野草。

遠くからでもすごく目立っていた白樺の木。
傍らの墓石にも白樺の意匠が施されていました。
一体どういう所以が……?


これは無縫塔というタイプの墓石で、僧侶の墓だそう。
密集して建ってるのをよく目にしました。


卒塔婆…いい。

墓地に隣接する民家。
どんな感じだろうか…?

おお! 朽ちぬ花よ。