遠藤周作の「沈黙」を読了しました。
本作は、ポルトガル人司祭を主人公に、江戸時代のキリシタン弾圧を描いた作品です。
言うまでもないことですが、遠藤周作はカトリック教徒で、キリスト教をテーマにした作品を沢山書いています。
これまで「海と毒薬」、「白い人・黄色い人」、「深い河」、「わたしが・棄てた・女」といった有名どころは押さえて来ました。
これらのなかに神を信じて救われたというような話は皆無で、神父なのに下女と寝たり、信者なのに友人の恋人を寝取ったり、信仰を貫いてもロクでもない死に方をしたりという酷い話ばかりです。
わたしが思うに、遠藤周作の文学とは、良心と現実とのせめぎ合いと葛藤なのだと思います。
そして「沈黙」です。本作はその板ばさみを極限まで押し進めたもので、全編に緊張感がみなぎっています。
特にフェレイラ師との再会から、穴吊り刑、そして踏み絵と対峙するクライマックスの盛り上がりは凄まじく、鳥肌が立ちました。まごうことなく、最高傑作です。
