定額制夫の「こづかい万歳」〜月額2万千円の金欠ライフ〜

ウ~ン、なんとも世知辛いタイトルですが、安心してください。わたしの事ではありません。
吉本浩二の漫画のことです。
このあいだ読んでたいへん面白かったので紹介します。

このページから第一話と最新話が無料で読めるようですね。
どんなものか試し読みしてみたい方はドウゾー

こづかい制で暮らす人たちの生活力あふれる生き様を描いたドキュメンタリー漫画です。
最初は作者や知人たちの話でしたが、読者からの応募にたいする取材という形に定着しつつありますね。
そのやりくりの知恵と独特の世界観で「こづかい超人」と呼称されています。

デフレの申し子である私には、知恵を絞って倹約に励む姿は非常に興味深く、シンパシーを覚えます。
インターネットの書評を読むと楽しんでいる人もいれば不快に感じる人もいるようです。
気持ち悪いという人は下のポイントを挙げていることが多いように感じます。

  • フリーライダー気質なのが気持ち悪い
  • 異様なポジティブさが気持ち悪い
  • 絵柄が気持ち悪い

ちいかわ好きなら「ちいかわの不穏な空気になるところがキライ!」という意見に対して、「そこがイイんじゃないかァ~」とキ〇〇イスマイルで答えると思います。
不快に感じるポイントが、好きな人には逆にタマラナイ点であるように思えます。
なので、それぞれ気持ち悪さを吟味していきたいと思います。

《フリーライダー気質なのが気持ち悪い》

少ないこづかいでやりくりするため、イオン、ダイソー、ハードオフ、業スー、日高屋、サイゼリヤ、ガストなど貧乏人したたかな生活者が好むお店が頻出します。
フードコートや社食、公園、市民プール、銭湯なども一部の超人御用達ですね。
こづかい生活を支えるためにインフラを当てにしているのがフリーライダー気質で気持ち悪いという意見です。
しかし私自身タダ乗り大好きなので、「その手があったか?!」と膝を打ちたい気持ちになります。

なかには河川敷で野草を摘む仙人レベルの超人もいますが、これなどは誰にも迷惑をかけていません。
しかし用もないのに役所の食堂を使ったり、「ステーション・バー」と称して駅の構内でお酒を飲んだり、親類縁者の感激する姿に同調するため甲子園の開会式だけ同席して試合自体は見ずに帰る超人はグレーゾーンに足を踏み入れているような気もします……。(しかも揃いもそろって「生の映画」を味わうためという謎の動機)

だが両腕が後ろに回らなければドンドンやってもらって構わない!
品行方正な人など見ていて何も面白くはなく、こづかい超人の独特な感性こそ見たいのです。

《異様なポジティブさが気持ち悪い》

作者の奥さんが日高屋を心のオアシスと呼んで、こづかいを貯めて豪遊(?)する描写がありますが、「日高屋なんてそんな良いものじゃないだろ?」という意見もよく聞きます。
わたしもよく利用してきましたが、味はともかく安くお腹いっぱい食べれる店という認識で、オアシスと感じたことはないですね。
こんな風に現実以上にポジティブに描いているという非難があります。

暗く描くとこづかい制の否定になってしまうし、漫画として面白くないというのがあるでしょうね。
それにこづかい超人たちはお金を貯めて大きな買い物をしようと頑張ってる人や、家族のために節約に励んでいる人が多いので、自然と前向きになれるのかも知れません。
あとは常人とは異なる感性の持ち主なので本当に楽しいという可能性もありますね……。

《絵柄が気持ち悪い》

絵柄自体は藤子不二雄作品を彷彿とさせる丸っこい絵柄ですが、影の付け方が劇画風でアンバランスさを感じますね。
さらに毎回一度はこづかい超人が見せる「ハーブやったん?」と訊きたくなるようなキマリ顔……。

こういう顔ね

なにかを食べてる時になることが多いです。
ほぼ毎回やるので、明らかにこのキマリ顔、フューチャーしてるんでしょうね。

ふつうの人が見ると「話しとか通じなそう……」とドン引きですが、こづかいマニアからすると「さすが超人だぜ」と思わせる踏み絵のようなものです。

最後に私がこづかい制行けるのか? 行けたとしてひと月幾らあれば足りるのかを検証してみたいと思います。

まずケータイ。これは格安SIMを使ってるのでひと月千円くらいです。
アマゾンプライムの月額が600円。

おやつは卸値スーパーやまいばすけっとで買うことが多いですが、レシートから抜粋するとこんな感じです。

  • 男梅キャンディー ¥163(¥176)
  • ロッテ ブラックブラック粒ワンプッシュボトル 140ℊ ¥668(¥722)
  • カルビー 堅あげポテト うすしお味 ¥119(¥129)
  • トップバリュー ブレンドコーヒー微糖 900ml ¥88(¥95)

ガムはせいぜい1ヶ月に一回程度なので、¥2,300/月くらいですかね。

お酒のほうはこんな感じ。

  • 甲類25 キンミヤパック 1.8ℓ ¥1,349(¥1,483)
  • バーリアルグラン糖質50%オフ 350ml×6 ¥638(¥702)
  • カクテス サワーレモン 700ml ¥159(¥172)
  • 伊賀の天然水強炭酸 1ℓ ¥89(¥96)

キンミヤ1.8ℓは一か月は持ちそうです。
ビールは2パックは要るかな?
カクテスと炭酸水は毎週1本づつとして、¥4,000/月くらいですかね。

ここまで八千円弱くらい。おお…!!意外といけそうやん。

しかし私は時に発狂して、オーディオやカメラ関係に大金を投じてしまう癖がある…。
このあいだのGoProも、周辺機器まで含めるとトータルで八万円くらい使ってしまいました(そこまでしてさほど使ってないという…)
発作は一年に一回くらいだと思うので、6千円/月を費用として積んでおきましょう。

そうすると締めて1万4千円ッ!!
ヤッタ!! ステーション・バー怪人村田に千円勝ったッッ!
これを機に埃をかぶったGoProを取り出して「生の映画」をまた撮ろう――――。