放送ライブラリー

 三連休は会社の先輩の結婚式に出席するため、横浜へ行ってきました。七月に引っ越して以来ですから、三ヶ月ぶりということになります。
 式は連休初日の土曜日で、その日は関内にある横浜スタジアムそばの東横インに泊まりました。
 この旅の真の目的が近くにあるからです。
 
 翌日は早起きしてロビーで朝食を採り、それから大桟橋の方へ散歩に出かけました。
 空は雲一つない快晴で、眩しいくらいの日差しが降り注いでいました。ほんの少し冷たい秋風がさわやかな気分にさせてくれました。
 十時にホテルをチェックアウトして、横浜情報文化センタービルに向かいます。ここはレンガ作りの重厚な旧横浜商工奨励館を底部に残し、地上十二階建のビルを載せたユニークな造りになっています。一階には上品ですがお値段も相応に高いレストランが入っています。
 今回用があったのはここの八階にある、放送ライブラリーでした。
 ここでは過去に放送されたテレビ番組や、ラジオをなんと無料で視聴することができるのです。お目当ては、テレビ埼玉で99年から01年にかけて放映された、「鎌倉街道夢紀行」です。
 時間はたっぷりあったのですが、五十二本もあったのでとてもすべては見切れず、東京と神奈川を歩いた回を重点的に観ました。
 府中や、川崎を歩いた回では見覚えのある風景にじわっと懐かしい気分になりました。
 圧巻は、鎌倉への最後の難所「大仏坂切通し」でしょうか。当時の雰囲気をそのまま現在に伝える勇壮な風景でした。
 
 通して観たことで意外な発見がありました。パーソナリティーの村松健さんの服装が毎回変わっているのです。12分番組なので、まとめて何本か撮っているいるのだろうと思っていたのですが、さにあらずでした。それだけ手が込んでいたに違いないと改めて感心いたしました。
 しかし、こんなことを言っては良くないですが、初期の健さんの服装はかなりダサイです。そしてあまりカメラに慣れていない印象。インタビューの時くらいはポケットから手を出してはどうでしょうか……。
 ただ、「中山道 風の旅」ではぐっと洗練されているので、その間にいろいろ考えるところがあったのでしょう。
 
 目的も果たせて、思い出深い旅になりました。

中山道 風の旅

 ガイドブック版「鎌倉街道夢紀行」を手に取ってから、にわかに旅への憧憬が盛り上がってきました。
 「鎌倉—」の続編である、「中山道 風の旅」のDVDが村松健の通販サイトで売られていたので、ついポチってしまいました。
 
 届いたのがこれ。89分、三部構成になっています。
 一部は、広重の浮世絵とともに中山道の六十九の宿場を紹介するというもの。
 二部は放送された内容をダイジェストにしてまとめたものです。
 旅番組らしく、各地の名物を食したりもするのですが、健さんはタレントのようなリアクションをとらずに淡々と食するだけなので、それが逆に可笑しくて、変な笑いがでてしまいます。
 三部は旅先での演奏集です。教会や、日本庭園の中で行われた美しいピアノやオルガン演奏が収められています。
 
 全体的にかなりよくまとまっていると思いました。
 同じクォリティで「鎌倉—」の方も出してもらえれば言うことはないのですが。

鎌倉街道夢紀行

 わたしが大学生の時分に、ローカル局で「鎌倉街道夢紀行」という十五分番組が放送されていました。
 ピアニスト村松健が、鎌倉街道を歩いてたどり、旧跡を紹介するという番組です。
 ただなんとなく観ていただけなのですが、(当時の)近所が映ったりして、かなり楽しみにしてはいました。
 特に、村松健の手がけたBGMが素晴らしく、それが魅力の半分ほどを占めていたと言っても過言ではありませんでした。
 CDは後に手に入れました。
 
 今日、ふと図書館にて本棚を眺めていたら、たまたまこのタイトルが目に入いり、懐かしさの余り手に取ってしまいました。
 パラパラとめくると、懐かしい風景が目に飛び込んで来て、当時のことがしみじみと思い出されました。
 
 この頃ホームシック気味なので、この本を読んで癒されようかと思います。