5月2日から3日にかけて、浜名湖一周の旅に出てきました。
普段は新幹線で通過してしまうだけの場所だったのですが、車窓からの美しい湖の眺めに前々からあこがれてたのです。
2日の早朝、わたしは突如として思い立ち浜名湖一周プランを立てました。スタート地点は東海道本線の豊橋と浜松の間にある弁天島駅です。
その日の正午に弁天島に到着しました。天気は快晴。さわやかな風吹く、絶好の行楽日和でした。
ここは浜名湖の河口からちょっと北にある埋立地で、国道一号沿いにはホテルや食事処などが並んでいます。
湖の周りにはいくつかレンタサイクルのターミナルが設けてあって、弁天島にもあります。そこで自転車を借りて回ろうと考えたわけです。
大鳥居が見える海岸へ降りますと、ものすごい人です。潮干狩りを楽しむ家族連れでした。
レンタサイクル店を見つけ、受付のおばさんに自転車を借りたい旨を伝えます。ところがぎっちょん、自転車はすべて借りられてしまいもうないとのこと。確実に借りるためには予約が必要だったそうです。すべて出てしまうことは珍しいのだそうですが、やはりGWですかね。
おばさんに渚園という埋立地北部のターミナルに行けばあるかも知れないと教えられたのでそこへ向かいました。途中には釣具屋、貸し船屋、しらすやうなぎなどを売る物産店が点在しています。細い通りは車でごった返していました。
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羽田五十間鼻
関東では春一番が吹き、二十度を超える陽気になりました。
わたしも春の気配に誘われるようにして、久しぶりに多摩川をジョギングしました。
普段は大師橋でUターンするのですが、今日は浮かれた気分も手伝って羽田のほうまで足を伸ばしました。
大師橋を過ぎた当たりから河岸の様子が変わり、遊漁船の船着場が間隙なく並びます。 左手には玉川弁財天が見えます。
さらに進むと、海老取川との合流地点に突き当たります。ここはちょうど鼻のように多摩川の河口に突き出していることから、「五十間鼻」と呼ばれているそうです。
さて、その鼻の先端には、川の中にコンクリートの土台をを盛り上げて、水難者のための小さな祠が建てられています。
なんでも、関東大震災のときに多くの被災者の遺体がここに流れ着いたそうです。
その無縁仏たちの霊を慰めるために建てられたものなのだそうです。
堤防の上からスロープを渡って参拝することができました。
近くで見ましたが、何とも形容しがたい、実に異様な空間でした。
こんな不思議スポットを見つけられてラッキーでした。足を伸ばした甲斐があったというものです。
写真に収めたかった! カメラを持ってこなかったのが悔やまれます。
初日の出の隠れた名所でもあるそうですよ。
神保町
今日は本の街、神保町に行ってきました。
上京して十年くらい経ちますが、訪れるのはこれが初めてです。以前から行ってみたいなとは思っていたのですが、なんとなく、きっかけがなかったのです。
重い腰を上げたのは、須田一政の「風姿花伝」を手に入れようと決心したからです。
昭和53年に朝日ソノラマから出版されたこの本は、須田先生の初写真集ですが、すでに絶版で手に入りません。
代わりに、古本市場で高値で流通していることはネットで調べて知っていました。
ずっと手に入れたいと思ってきましたが、値段がネックとなり手が出せないでいたのです。
そこでサイトにアップされている画像を眺めて、やり過ごしていました。
しかし我慢は体に良くない。
ついに俺の金をどう使おうが俺の勝手だと、半ば逆上し、実弾(たま)をいくらか用意して、戦場に乗り込んだのです。
向かったのは白山通り沿いにある、「魚山堂」という古本屋です。
なんでも写真集を専門に取り扱っているそうです。ビデオ屋の二階という非常に分かり辛い場所にありました。
新宿の海賊版レコードショップに近い雰囲気でした。わたしが小心なせいでしょうか? 一見さんお断りの空気が濃厚に漂っているように思えました。
うなぎの寝床のような狭い店内でした。壁一面を本が覆っています。
入り口のそばにはガラスケースが置かれ、篠山紀信なんかが置かれていました。
客はわたし以外には誰もいなかったので、つかつかとレジに座っている店主のところに行って、にこれこれこういう本は無いかと尋ねました。
「ネットで見たのか?」と訊かれたので、そうだと答えると、もう売れてしまったとのこと。ガッカリ……。
しかし、ちょっと待ってと引き止められます。海外向けにストックしている在庫を調べてみると言います。おじさんはパソコンとなにやら格闘を始めました。その間、店内を興味深く眺めていました。
内藤正敏の「東京」が置いてありました。思わず手に取ります。いい写真集でした。さて、お値段は?と見てみると、二万円……でした。くわばら。
突然、背にしていた方の本棚が動き出します。びっくりしましたが、可動式の保管用書庫だそう。
その中からほうれん草色のカバーの本を取り出して来ました。ついに憧れの本との対面でした。
三十年前の本と考えれば、カバーは日焼けも少なく、よい状態でした。ぱらぱらとめくってみると、中は汚れもなく大変きれいでした。裏には白抜きで、「1800円」
「おいくらですか?」
「550ドル」
そうかあ、須田先生は海外にもファンがいらっしゃるのか。やっぱり偉大だなあ。などと思考が空回りします。
「いまのレートが92円だから」店主は電卓を叩き、「50600…、5万円でいいよ」
思わぬ円高の恩恵を受けることになりました。
放心状態で店を後にして、しばらくあてどもなく歩いてしまったのですが、今日はもう一つお目当てがあったのでした。
「風姿花伝」の翌年に出された「わが東京100」です。
次に向かったのは、岩波アネックスビル2Fに京都便利堂と一緒に入っている秦川堂書店。かなりこざっぱりとした店内でした。
レジに座るおじいさんに訊くと、店内から運んできてくれました。値段は四千円。先ほどの店に比べるとかなり常識的な値段です。これはよい買い物でした。
その後は街をぶらぶらとゆっくり見物しました。
うず高く本が積まれた店先。本当にどこにもない、独特な街でしたね。気に入りました。
次は特に理由がなくても出掛けてしまうかも。
ピクニック
買ってしまいました、サーモスのステンレスランチジャー。
モチベーションになったのは、近所のスーパーで毎週水曜日に冷食半額セールをしている事実をつい最近発見してしまったことです。
社食を使わずにそれを詰めて会社持っていけば、食費をかなり浮かすことができそうです。
しかし、それはあくまで室内のこと。アウトドアでもちゃんと保温できていなければ、建築現場で働くおじさんは納得しません。
それを確かめる(だけの)ために生田緑地にランチジャーを引っ提げて出掛けてきました。
折りしも小雪のチラつく絶好のハイキング日和。足の指の感覚は既に失われています。
青少年科学館の裏手を通る尾根道を行くと、ちょうどランチをとるのにちょうど良さそうなテーブルを見つけました。そこに弁当箱を広げました。
蓋を取ると湯気がもくもくと立ちます。スープはまだ熱い! 作って二時間くらいです。
暖かいものでお腹がいっぱいになると、ほっと救われたような気持ちになれますね。
食事の後は梅園を眺めて帰りました。もう咲いているものもあってびっくりしました。心に春を覚える昼下がりでした。
川崎大師
東京散歩
年末の追い込みもどうにかやり過ごし、無事冬休みを迎えることができました。
連休の初日は鬱憤を晴らす思いで、都心へお出掛けしました。
降り立ったのはお茶の水駅。今日の目的は名所巡りです。お茶の水から上野まで歩きます。
最初の目的地はニコライ堂です。突如現れるターコイズのドームの威容にびっくり。人気が無く、敷地に入ってよいものか思案してしまいましたが、門が開いていたのでお邪魔しました。
拝観は午後からだったので、中はまで見られませんでした。時間を調べておけば良かったです。
聖橋を渡って湯島聖堂に向かいます。さだまさしが「檸檬」の中で歌った風景です。しかし実際にここからホームに向けてレモンを投げたら、確実に逮捕されそうです。
次に神田明神に行きました。山門の鮮やかな朱色が目に飛び込んできます。神殿の奥では何やら祈祷をしてもらっている人々の姿が見えました。
さらに進んで、湯島天神を観ます。季節柄か、合格祈願の絵馬が目に付きました。
もうちょっと歩いて、不忍池です。池は立ち枯れをした無数のハスが覆っていました。それは金の針のように輝いていて、今日の青い水面にとても映えていました。
池をぐるり一周します。途中、老人の絵描きさんが池に向かって絵筆を振るっているのを見かけました。最高のモチーフではないかと思います。
最後は無縁坂で締めくくります。そう、あの「運が良いとか〜悪いとか〜♪」の無縁坂です。しかしごくありふれた坂だったので、ちょっと拍子抜けでした。
写真(左から):ニコライ堂、聖橋からの眺め、神田明神山門、不忍池、無縁坂
高尾山
今日は突然思い立って、紅葉を観に、高尾山に登ってきました。
ものすごく混んでいました。連休に重なったせいでしょうか?
しかも若い女性のグループが目に付きました。ミシュラン三ツ星効果?
麓からケーブルカーが出ているのですが、なんと一時間待ちとアナウンスされていました。歩いた方が早いです。
登山道は八本あるそうですが、登りに使った一番路は山頂まで舗装されていました。特に登山靴でなくても、スニーカーでOKですね。
しかし、序盤が結構急勾配できついです。やっとこさケーブルカーの駅に着いたときには「これでまだ半分か…」とため息が出たものです。
ただ半分を過ぎると道は緩やかになります。これで救われた気分。
途中、道は勾配のきつい「男坂」と、軽い「女坂」に分かれますが、迷わず女坂を選びました。
高尾山薬王院の境内を通って、山頂に到ります。ここからが特に混んでいて、牛のような歩みで登頂しました。
二時間弱くらいでした。
晴天に恵まれたお陰で、山頂からは八王子の町と、その向こうの都心のビル群を一望することができました。振り向けば富士の白い峰です。
ここでも非常に人が多く、腰を下ろす場所が無かったので、征服の余韻もそこそこに下山の途につきました。
下りは沢に沿って歩く六番路を選びました。
登りとはうって変わって険しい道でした。狭いうえ、道が濡れていてすべり易かったです。
しかし人は少なかったので、自然を楽しむのにはうってつけでした。
所々で大きな樹が沢に向かって倒れ込んでおり、朽ちて背はシダで覆われています。その様は原始の森のようです。
登山道の出口に近づくと梢の間から白い建物が覗きます。こんな山奥に?とびっくりしましたが病院でした。しかも精神科…だそうです。外階段が鉄条網でびっしり覆っているのがとっても怖かったです。
これほどの人混みは予想外でしたが、いい景色をたっぷり見られて良かったです。
清方の美 秋の情趣
今日は鏑木清方記念美術館の収蔵品展「清方の美 秋の情趣」を観るために鎌倉にまで足を伸ばしました。
展示解説が午後一時半からとアナウンスされていたので、それに合わせるために外でぶらぶらしました。
線路沿いのすこし寂しい道を歩いていると、寿福寺に差し掛かります。
山門の前にガイドに率いられた年配の方がたが集まっているのが見えました。
なんとなく興味をそそられたので、彼らの後に付いて行くと行き先はなんとお墓!
北条政子の墓でした。予期せずすごい地所を目にすることができました。ちょっと歩いただけでこんなところにぶつかるなんて、鎌倉は濃い所です。
さて、お目当ての収蔵品展です。ギャラリーは十五名くらいでした。学芸員の方が三十分ほどかけて館を案内してくれました。
思ったより小さな美術館で、展示されている絵も六十点ほどでした。そのため、年に九回作品の入れ替えをやるそうです。
鏑木清方について色々お話が聞けて大変楽しかったですが、ちょっと展示に空腹感が残ったので画集を購入して帰りました。
展示が入れ替わったらまた観にいきたいです。
夢見ヶ崎動物公園
金沢文庫
今日は企画展「徒然草をいろどる人々」を観るために金沢文庫に行ってきました。実は去年の夏休みにもここを訪れています。その時は密教の展示をやっていました。
この展覧会の本旨は徒然草の作者、吉田兼好の正確な人間像を描き出すことです。彼の人物像は実は謎に包まれていて、人柄にまつわるエピソードの多くは後世(主に江戸時代)の創作であったそうです。本名も実は「卜部兼好」というそうです。
そういう虚構を剥ぎ取って、本当に信頼できる資料を基に新しい兼好像を再構成するという狙いがあります。
学芸員さんのガイドで三十分ほど回ってたのですが、正直チンプンカンプンでした。重要文化財の古文書も、達筆すぎて全然読めません。でも、解説してもらうとなんだか賢くなった気分。
展示を見終わった後は、市民の森を散策しました。これは金沢文庫に近接する称名寺の周囲をめぐる山々で、結構険しい道でした。金沢山の頂上からの眺めは良好で、八景島を見渡すことができました。眼下に見えるのは、称名寺のお堂です。