須田一政『凪の片』トークイベント

東京都写真美術館で展示中の須田一政『凪の片』ですが、11月2日、そのトークイベント第二弾に行ってきました。(前回の記事はコチラ)

前回は昼過ぎに行って整理券10番台が余裕で取れたので、今回も同じくらいの時間で行ったところ、なんと50番台!
ヤバイ、油断してたら入れなかったかも。
この人気の違いは、ゲストの違いかもしれません。
今回のゲストは写真家の鈴木理策さん。
不勉強なもので存じなかったのですが、木村伊兵衛賞を獲った高名な写真家だそう。
坊主頭にヒゲで、ガッチリ系という何かを感じさせずにはいられないルックスです。
お二人の関係は同じ東京綜合写真専門学校出身ということ。
同校で鈴木さんが卒業後、助手として働いていたところ、須田先生の受け持っている授業を手伝うことになり親交が深まったそうです。

さてトークイベントが始まる前に、会場入口そばの本屋で物色していたところ、ななななんと、須田先生降臨!
ジャンパーのような黒ずくめの服に身を包んだ先生は、想像以上に小柄な方でした。
ご自身の作品の並べられたコーナーで写真集を手に取ってご覧になっていました。
そう言えば、「わが東京100」が復刻され、平積みになっていたのですが、そのお値段¥8,400!!!
「高すぎやしませんか?!」
と、とうぜん言えるはずもなく、遠巻きに眺めるしかなかったのでした。

整理券は後のほうだったので、会場に入った時には既にだいぶ席が埋まっていましたが、幸いにも前列の席が開いていました。
で、定刻になって須田先生、ゲストが入ってこられると、先生はほぼ目の前のテーブルに座られました。
ラッキー!
鈴木さんはスクリーンを挟んでちょっと離れたテーブルに座られました。
東京都写真美術館の学芸員の丹羽さん(女性)が司会で、先生と鈴木さんの対談が進んでいきました。

前回のトークイベントで、須田先生あまり話しておらず「寡黙な方なのかな」と思ってたのですが、今回はけっこう話され、しかもたくさん笑いをとっていました。
どうも前回はゲストの鈴木一誌さん(この人も「鈴木」だわ…)が喋りまくってたので聞き手に回ってしまったようです。
対談は1時間半で、色々な話題を、しかも長く話されたので、お話自体は大変興味深く面白かったのですが、メモしていなかったので大分忘れてしまいました。
覚えている印象深いエピソードを思いつくまま書き出してみます。

恐山

『凪の片』でも最初期のシリーズとして恐山の写真が展示されていますが、その当時は恐山を撮るのが流行ったそうです。
内藤正敏なんかも撮っていますね。
で、須田先生は東松照明の撮ったものが最もその場所の雰囲気が出ていて良いと考えているそうです。
でも東松照明の様に撮ろうと思っても、それは東松氏の空間感覚のなせる技なので、ダメだったとか。

須田先生と鈴木理策さんは一緒に恐山に行ったことがあるそうです。
(それが「Piles of time」という写真集にまとめられて鈴木さんは木村伊兵衛賞を獲った)
途中の道中で色々と写真論を交わしたそうですが、先生はすっかり忘れたとか。
鈴木さんは、須田先生の写真を撮る早さに舌を巻いたそうです。
逆に先生は、鈴木さんの手水舎の柄杓から滴っている水滴に何度もシャッターを切る姿に、作家独特の視点を見て感心したとか。

変わりたい?

須田先生は、かなり初期から「須田調」と言われる黒っぽい画面を完成していたのですが、お世話になった写真評論家の方に「黒焼きに頼りすぎてる」と言われ、画風を変えようと苦心した時期があったそうです。
先生はカメラへの執着はほとんどなく、個展が終わると機材を売却してしまうそうです。
そんな風にカメラを次々と代えて新たな方向性を模索したそうですが、結局何も変わらなかったと仰っていました。
先の東松照明の話とあわせて考えると、写真家というのは持って生まれた固有の空間感覚、色彩感覚、トーンの感覚を表現するものなのかなと思います。

写真と妄想

以前はそうでもなかったそうですが、この頃「妄想」に突き動かされて写真を撮ることが多いそうです。
「妄想」というのは、まあイマジネーションのことなのでしょうが、先生が「妄想」と仰っているので「妄想」とします。
よく写真を撮るルートの途中に廃屋があるそうです。
どこにでもありそうな廃屋なのですが、非常に妄想を掻き立てられるそうです。
廃屋の軒先にひょうたんがいくつかぶら下がっていて、そのひょうたんに水が溜まっていて、そのせいで不規則に揺れるのだとか。
夜にその場所を訪れると、近くの自販機の灯りがフットライト気味にそのひょうたんにに当って、この世のものとは思えない不気味さを醸し出しているのだそうです。
そんな風に、一見つまらない風景からいろいろと観想して撮ることが多いとか。

ショートスリーパー

先生はまともに布団で寝ることは無いそうです。
いつもカウチなんかで3時間くらいしか寝ないとか。
夜中にフト目覚めて、車に乗って写真を撮りに出掛ける事も多いそうです。

ホーム

生まれも育ちも下町、神田の須田先生。
写真学校の授業や、以前やっていた「須田塾」なんかでは神田から出発してその周辺でスナップ写真を撮ることが多かったとか。
地域の旨い料理屋や居酒屋などにも精通しているそうで、時間が終わりに近づくと一杯やりたくてウズウズしてくるそうです。
「旨いものを食べたり、旨い酒を飲むのを第一にしてきた」と仰っていました。
その態度、見習いたいです。
しかし新宿、渋谷なんかはアウェー。
どうにも落ち着かず「早くお家に帰りたい」と思うそうです。

写真を見られる興奮

今回の写真展のタイトルでもあり、最新シリーズでもある「凪の片」は学芸員の丹羽さんがセレクトしたそうです。
しかも、須田先生の目の前で選ぶことになり、たいへん緊張したとか。
で、先生の方は作品を選ばれることに高揚感を覚えたそうです。
そう言えば前回の対談でも、他人の目を通して自分の作品がどう見られるのかということに興味を覚えると仰っていました。

「変態」と言われて興奮

鈴木理策さんからのタレコミ。
街中で撮影していると上記のような心ない言葉を浴びせられることがあるそうな。
許可も取らず、盗み撮りのような真似をしている方が悪いという意見もありますが、そこはひとまず置いておいて。
で、そう言われたその晩、先生は興奮して眠れなかったそうです。
何故…?

マネキンを撮って興奮

前回もちょっと話してらっしゃいましたが、先生のマイブームはマネキンを撮ることだそう。
早朝四時に、千葉から銀座まで出てきて、ショーウィンドウのマネキンを撮るそうです。
朝、掃除などをしている人たちの間では「また変なオヤジが来た!」と囁かれているとか…。
近頃では慣れたもので、15分くらいで撮影ルートを回れるようになったと仰っていました。
何故マネキンなのかというと、先生はもともと人体の一部分にフェチズムを覚えるタチだったそうです。
それで、最近のマネキンは筋肉の付け方など、かなりリアルになってきていて、生身の人間以上にすら感じられるそうです。
更にマネキンの足首には固定するために留め金がついているそうですが、それが「美しき囚われ人」というSM的な妄想を掻き立てられるそうです。
そう言えば先生の近著に「RUBBER」というSM的な作品があり、ちょっと自分には意外に思われたのですが、SM嗜好は先生の中では以前から持っていたもののようですね。

一連の対談を聴いて、「ああ先生まだまだ元気だなァ」と変に(?)安心しました。
ひょうたんとマネキンの写真、是非とも見てみたいです。
さらなるご活躍を期待しています。

最後にこの日の恵比寿ガーデンプレイスの風景を。
もうクリスマスツリーとは気が早い。

秋の写真

ここ数日間はスッキリしない天気が続いていますが、10月に入ってから「ヤッホー!」と快哉を叫びたいほどの快晴に恵まれ、写真の趣味が捗りました。
その一部をお目にかけたいと思います。

まずはこれ。
近所の善徳寺の金木犀。

次も金木犀です。
なんともモコモコと生えていて可愛らしかった。
金木犀はこの時期に、短い間しか咲かないので、見かけたらパシャパシャ撮りました。

次は世田谷の住宅街をぶらぶらして撮ったシリーズ。
この日は目に染みるほどの青空でした。
民家の間から鉄塔がニョッキリと顔を出して、対比が面白い絵。

台風にやられたのか、崩れかけている家。
家並みの中に忽然と現れたので、ギョットさせられました。
空の青さがなんとも無常を感じさせると思います。

しかしそんな中でもほっこりタイム。
小春日和に誘われたのかヒョウモンチョウが植え込みに舞っていました。

世田谷シリーズの締めは墓場。
手前に黄色い棒(コレなんて言うんだろう)を置いたことでちょっと面白くなったような気がします。
壁にかかった陰が怪しい感じで、結構気に入っています。

再び舞台は地元へ。
これは台風26号が通過したすぐ後に撮った空の写真。
雲の表情が非常に美しく、えも言われぬ感動を味わいました。
この日は何枚も撮りましたが、ベストテイクと思われるこれを載せます。

同じ日の晩に撮った空。
この日は満月で、雲間から時折顔をのぞかせる銀色の月が美しすぎました。
夜なので画質的には苦しいですが、雰囲気を感じていただければと思います。

須田一政写真展『凪の片』

さる十月五日、恵比寿にある東京都写真美術館に須田一政の写真展『凪の片(なぎのひら)』を観に出かけました。
タイトルの『凪の片』とはパンフレットによれば、

「凪(なぎ)」という風が止まる時間特有の感触に似た、日常と非日常を往還するような作家の視線が、一片(ひとひら)の写真となって降り積もっているかのような展覧会です。

なのだそうです。

今回の展示は、代表作「風姿花伝」シリーズを含む80年代くらいまでの作品群に加えて、最新未発表作品シリーズ「凪の片」を展示しちゃおうという、コンピレーションアルバムのような構成。
これさえ観ておけば須田一政のことはだいたい分かっちゃうという、便利な展覧会です。
しかし、わたしのような須田フリークにもおやと思わせる作品も展示されており侮れません。

構成

『赤い花』(展示数40点)

1968年から1975年の初期作品群。
2000年に同名の写真集にまとめられて出版された。
写真展としては初お披露目となるそうだ。
しかも写真集に収録されていない作品も見られ、興味深かった。

『恐山へ』(展示数25点)

1963年発表。
これは全く初めて観るシリーズだった。
最初期の作品ということもあり、非常に興味が掻きたてられた。
しかし、プリントが小さかったのがちょっと残念。
そしてかなり内藤正敏っぽかった。

『風姿花伝』(展示数25点)

代表的なシリーズ。
1978年に同名の写真集にまとめられて出版された。
何度も展示されていて、写真集でも見慣れていることもあり、特に感動はなし。
BLDギャラリーで50インチの特大プリントを見たあとでは尚更か。

『物草拾遺』(展示数50点)

1982年発表。
一部は『人間の記憶』に載っているが、これも初めて観たシリーズ。
被写体を単体で切り取った作品が多い。
パンフでは「即物的」と表現されている。

『東京景』(展示数60点)

今回一番展示点数が多かったシリーズ。
70年台に撮りためた膨大な東京の写真をまとめたもの。
全て初見で、これも面白かった。
しかしどういう訳か展示のされ方が他に比べて若干ぞんざいだった。
首都としての東京ではなく、生まれ育った場所としての東京が写し出されている。

『凪の片』(展示数20点)

未発表の最新作。
現在の住所のある千葉の風景をメインに収めている。
他の作品群とは急に30年も離れてしまうわけだが、特に違和感なく見れた。
しかし、人物をメインに撮ったものは一点だけ(しかも細君)
あれほど人物を撮っていたことを考えると、嗜好に変化が生じたのかなと思う。

その他

『人間の記憶』にたくさん載っていた、ミノックスで撮った写真のプリントがケースにて展示。
それからかなりの年代物と思われるカラープリントもケースで展示されていた。

展示自体でもかなり見応えがあったのですが、それだけのために600円を払うわたしではありません。
今日は、作家とゲストによる対談が予定されていたのです。
ゲストはブックデザイナーの鈴木一誌氏。
『人間の記憶』を手がけられた方と聞き、興奮します。

そこで正午ごろに受付に行き、整理券を受け取りました。
番号10番。
ヨッシャ!と思うのと同時に、70人のキャパが埋まるのか心配になりました。
しかしそれは杞憂、15時からの開場15分前になり1Fの会場前に行くと、ズラズラと並んでいます。
10番なのですぐに案内されましたが、どこに座ろうか悩みました。
対談席の真ん前が空いていましたが、それは憚って、中央の後方よりに座りました。
定刻になると会場はぎゅうぎゅうのスシ詰め状態となり、先生の人気ぶりが実感出来ました。
やはり年配の方が多かったですが、若い人もチラホラ見ました。
女性よりは男性が多かったです。
現在ドキュメンタリーを撮っているそうで、ビデオカメラも入っていました。
そのドキュメンタリー、出来たらぜひ観てみたい。わたし写ってるかな?

須田先生と、鈴木さんが入ってきます。
なんか数年前に見かけたより元気に見えました。
御年70を超えていらっしゃるはずですが、頭も黒黒としています。

対談は鈴木氏がインタビュアーとなる形で、『人間の記憶』編集当時のことや、雑誌連載を振り返りながら進められました。
対談中、鈴木氏が色々と須田一政の作家性について定義しようとしているのに対し、先生の方はそれを否定はしないものの、「ただ撮っているだけ〜」というクールな立場のように見え、そこが面白かったです。
アレヤコレヤ考えながら撮るのではなく、ガーっと撮って意味はあとから考える(あるいは評論家に任せる)というのが実際のところのようです。
今でも一週間に100カートリッジくらい撮られるそうで、意欲に衰えは見られません。

内藤正敏先生と飲んだというこぼれ話が出て、はっとします。
須田先生と内藤先生。どちらも好きなのですが、ふたりともモチーフや表現に共通点が感じられ、影響しあっているのではと睨んでいたのです。
内藤先生は機関銃のように話されるタイプだそうで、饒舌な写真集のあとがきから受ける印象とピッタリで、思わず笑ってしまいました。
須田先生は寡黙なタイプなので、そこは対照的ですね。

スライドを使って、最新作『凪の片』の解説がありました。
須田先生はユーモアのある方で、一作一作解説するたびに聴衆から笑い声が漏れていました。
最近ハマっているのは、「踏切」と「マネキン」らしく、「千葉のマネキンは東京のとは一味違う」というコメントに爆笑。

最後に質疑応答。
何度も聞き返しておられる場面があり、お耳が遠いなという印象。
質問も要領を得ないものが多かったです。
その中で、「人物を撮影する際に許可を得ているのか」という質問におおきな関心を覚えました。
答えは「取ってない」
やっぱり!
というのも、写真集を見ていると立小便しているところを後ろから撮ったものが結構あり、絶対許可取ってるわけないよなァと以前から思ってたのです。
クレームを言われた場合は耳が遠い振りをしてやり過ごすのだとか…。
往年の疑問が氷解したので、さらに立小便姿を撮る意図を質問しようかとも思いましたが、あまりにも悪目立ちしそうなので止めました。

2時間のプログラムでしたが、あっという間に過ぎていきました。
良かったです。

1Fのミュージアムショップ。
ここには大量の写真集が販売されているので、東京都写真美術館を訪れた際に立ち寄るのが大きな楽しみとなっています。
早速Getしました、『凪の片』のカタログ

お値段¥2,800+税
これは良心的な価格だと思います。
しかもサイン入りを手に入れられてホクホクです。

さて、たぶん展示会に合わせて須田先生の写真集が取り揃えられており、目を楽しませてくれました。
『角の煙草屋までの旅』は喉から手が出かかったのですが、今回は見送り。
¥5,040
(出せなくはないが…。いや無理だ)

目を惹いたのは、アキオナガサワパブリッシングから出ている『Early Works 1970-1975』
風姿花伝以前の作品を集めたもので、レア度の高いもの。
しかも5種類のイメージカバー、サイン&ナンバー入、ハードカバー、スリップケース入と至れり尽くせりの豪華本です。
お値段、¥21,000
高ーーーいッ! 高すぎます。
アキオナガサワパブリッシングからは他にも、『1975 三浦三崎』という『風姿花伝』に収録された、あの有名な蛇の写真とそのバリエーションを収めた大型本が置いてあったのですが、こちらもお値段、¥18,900
高いッ!!!
『Early Works 1970-1975』の方はまだ、250Pもあり、高いといえど納得出来ないこともないです。
しかし『1975 三浦三崎』はたったの6P
1P当たり¥3,150ですか?!

ファンとしてはどんな形でも世の中に出ることを歓迎しないわけにはいきませんが、これでは一部のコレクターのみにしか手が届きません。
ライトな層とはますますかけ離れていって、一部のマニアの趣味になっていってしまうような気がします。
かと言って、普通の値段で売って何万部も売れるかといえばそうではない。
まさにブートレッグCDと似たような構図。
なので批判することは出来ませんが、もっと庶民に手の届きやすい値段で売って欲しいというのが偽らざる本心です。

その他に気になった本は、牛腸茂雄の『こども』と『見慣れた街の中で』の新装版。
鈴木清の『流れの歌』の新装版。
それから洋書で、Bernd & Hilla Becherの“Stonework and Lime Kilns”という本が気になりました。
訳せば「石造物と石灰窯」となりましょうか。コンクリ工場やコンビナートの写真を集めた作品です。
作者は、あとから調べたところ、ドイツ人の夫妻のようでした。
しかしこれも一万円以上したので手が出ず。

カタログから、展覧会で印象に残った作品を引用させてもらいたいと思います。

まずは、今回初めて観た、最初期のシリーズである「恐山へ」

シリーズの中では、この着物の女の子たちが何故かジュースを捨てている作品が特に気に入っています。

イタコを撮った写真も黒黒として凄い。
この時の話として、当時夫人を亡くされたばかりだった写真評論家の田中雅夫氏が同行し、イタコに夫人の霊を降ろしてもらったそうです。
しかし、イタコの口から語られた夫人の言葉は何故か津軽弁で、まったく聞き取れなかったそうです。
笑っていいのか悩むエピソード。

次は、「物草拾遺」から。

左下のお嬢さん。
まさかこの日の奇天烈な格好が永く写真史に残るハメになるとは思ってなかったろうなぁ。

右の写真。
一見、樹の枝が邪魔なようですが、無ければ相当単純な写真になっていたはずです。
須田先生のバランス感覚の真髄を見たような気がする作品。

「東京景」から。
右の写真の少女たちの爽やかな表情が素晴らしい。
左に老婆を持ってきたのは狙ってのことでしょうか…。

最新作「凪の片」から。

画面の下に小さく少女の姿が写っていますが、撮った時には気が付かなかったそうです。
え〜、スゴイ。ホントですか?
空と海の大きさを表すうえで劇的な効果をもたらしています。

そして今ハマっているという踏切。
まるでこの世とあの世の境のような、異様な雰囲気を作り出すことに成功していると言えないでしょうか。

最近のフィルム写真(7、8月)

夏の間に撮ったフィルム写真を現像したので、UPしていきたいと思います。
7〜8月の間に撮った、36枚入りフィルム2カートリッジ分(=72枚)の写真からピックアップします。
2カートリッジずつ現像することが多いですが、これは現像タンクに最大2つ入り、薬液の節約になるからです。
そのせいでいつも現像の間隔が数ヶ月ごとになってしまいますが。

まずは暑い盛りに出かけた御徒町。
ここはいつも活気に溢れて賑わっています。

最近とみに国際色が豊かになってきたようで、シシカバブーを売る中東系のお兄さんや、ブラザー系お兄さんがとっても怖いです。
ここに来るとよく、「みなとや食品」という露天店で海鮮丼を食べるのですが、食中毒など意に介さずこの日も食べました、小柱とサーモン丼。
衛生という言葉を嘲笑うかのような店内なので、だれにでもは勧められませんが、安さと旨さに裏切られたことはありません。
ここはたこ焼き屋も併設しています。
下の一枚は、丼が届くのを待ちながらその行列を撮ったもの。

ダミ後が飛び交うアメ横の店先を眺めるのも楽しみの一つです。
ひと際目を惹いたロブスター。
そういえば昔「レッドロブスター」っていうCMがやっていたのを思い出しました。

次は水元公園。
ワンシーズンに一回は出かけています。
今回も超暑い中、涼を求めて足を運びました。

ざわわ~ざわわ~、サトウキビ畑ではありませんが、この日は風があって助かった。
そんな一枚。

そして蓮の葉が繁茂していました。
花はだいたい散っていましたが、それでもところどころ咲いていました。

印象的な木立。

小合溜を回って、対岸のみさと公園に行きます。
普段は子どもたちで賑わうアスレチックも、今日は流石に暑すぎたのか閑散としていました。

水元公園の北側には大場川が、小合溜と狭い「洲」を隔てて流れています。
(↓の写真では、左が小合溜、右が大場川)
洲は東は国道298号線のあたりから始まっていて、1kmほどもあり、西の水のふれあいルームまで続きます。

足元が危ういので途中で引き返してしまいましたが、貫走してみたかった。
小合溜には蓮の葉がびっしりと生い茂っていて見ものでした。

埼玉県八潮市を通って、公園の西側に周りました。
県境をわたると急に田舎になったように感じられたのが興味深かったです。

水のふれあいルームのあたりから撮った小合溜。

そろそろ夕刻に近づいていたので、この後、水本グリーンプラザにちょっと寄って帰りました。
水本グリーンプラザではこの時期、水元公園の写真展示が行われてました。
空調が聞いていて助かりました。まさに天国。

帰り道に、中川から水元方面を望んで撮った一枚。
それにしてもこの日はよく歩いたなあ。

最近のフィルム写真(4月〜6月)

去年末くらいからでしょうか、須田一政のブログが見れなくなり、どうなさったのか? 穏やかならぬことがあったのかと心配していたのですが、つい最近リニューアルされたホームページが公開されていることに気が付きました。

須田一政 ISSEI SUDA

アーカイブが増強され、400枚近い作品が見れるようになりました(サイズは小さめですが)
プロフィールや、個展/写真集歴なども事細かにまとめてあり、役に立ちます。
さらに、youtubeにUPされたインタビュー動画も張られていて、盛り沢山の内容に生まれ変わっていました。

今年の4~6月の間に撮ったフィルム写真はおよそ36枚撮り2カートリッジ分(=72枚)
う〜ん、少なめですね。
さらにその中からピックアップして紹介させていただきたいと思います。

クラゲ? みたいですが、荒川の河川敷にある少年野球のマウンドを橋の上から撮ったものです。
予期せぬ仕上がりに現像してみてびっくりしました。
これもフィルム写真の醍醐味か?


上の二枚はGWのはじめ頃に行った、青砥で撮ったもの。
天気も優れず、気分も落ち込んでいたので、写真も憂鬱な感じです。

これは、中川沿いにある青龍神社のため池です。
たまにそばを通りかかると、子どもが釣りをしているのを見かけます。

ドン臭いわたしには珍しく、飛んでいる鳩にトライ。
新宿ポンプ場のそば、なぜかやたらと鳩が多かった。

お次はカラス。

所変わって、亀有駅周辺を攻めます。

これは親水緑道のそばに咲いていたタチアオイを撮ったもの。
ちょうど親子連れと重なってしまい、ゴメンナサイ

ノスタルジックな雑貨屋の中にちょこんと佇んでいた猫。
店番ですか? ご主人は?

おっと、おやすみでしたか。

家の近所にある、西光院そばの長門八幡神社です。

日暮れ時。空の表情が美しいです。

梅雨の景色

梅雨のさなか、雨が多くて蒸す日々が続いています。
わずかな晴れ間に撮った写真をいくつか紹介させて頂きます。

これは親水緑道の脇に咲いていたタチアオイ。
鮮やかな赤が目に染みます。
この花はこの季節、土手や道路脇などいたるところで目に付きますね。

「タチアオイ畑?!」と驚くほどの密生度。
とある寺社の裏手の土地です。

梅雨といえば、アジサイ。
下は人の家の庭先を撮ったものですが、花弁が普通のアジサイ(セイヨウアジサイ)のように密生していないので、ガクアジサイと思われます。
こちらも奥ゆかしい感じでいいですね。

近所に流れる中川の風景、あれこれ。
夕方とったものが多いです。




スカイツリーも見える。

シュールなオブジェのようにも見える、河岸に打ち上げられたドラム缶。

う〜ん、こんなところに船着場を作って良いのだろうか?
無許可だとしたら、その自由さ、見習いたいです。


青砥

今日はいまいちハッキリしない天気でしたが、気分転換に青砥まで散歩がてら写真を撮りに行きました。
環七沿いに進めば、ここ亀有からは30分強ほどの道のりです。

道路沿いの植え込みはどこも、つつじが競うように咲いていました。

青砥橋のところで環七から離れて、中川右岸沿いを進みます。

河岸には青砥(青戸)の名の由来である船着場が目に付きました。

葛飾区総合スポーツセンターの付近で橋を渡って左岸に回ります。
この付近で中川は直角に折れ、クネクネと蛇行しながら荒川と並走していきます。

運動公園まで来たところで、天気の崩れが気になったので、ここで引き返すことにしました。
踵を返して中川沿いに北上を始めます。
途中、消防庁の訓練場の脇を通って行きました。

青砥橋の架かっている鼻をぐるっと回って、新中川沿いに進んで川を越えます。
そこから総武本線新小岩駅と常磐線金町駅とを結ぶ単線の貨物線である、新金貨物線に沿って進みます。
この辺りは線路沿いに菜園などが作られていて、ほのぼのした風景が広がっています。

さて、高砂小橋付近でよく見慣れたカラーリングの車両が目に入りました。

これは京急ではないか、いったい何故こんなところに…?

そこで京急線が京成線に乗り入れていたことを思い出しました。
そう言えば、特急「青砥行き」などという表示をしばしば目にしていましたね。
こんな近くまで京急が来ているなんて、ちょっと感激しました。

下はもうちょっと進んだところにある、青砥神社の沼です。

中川大橋が見えてくる頃になると、地所は新宿(にいじゅく)に差し掛かります。
最初、「新宿ポンプ場」を見て、新宿区にまで送水しているのかと訝しんだものですが、さにあらずでした。
しかし分かっちゃいるものの、「新宿」の文字を見ると今でもちょっとぎょっとしますね。

生憎の天気だったので、写りはイマイチですが、以上、近所の風景を紹介いたしました。
個人的には、絶好のシャッターチャンスを三回も逃してしまって、気分転換のつもりがなんだか逆にモヤモヤする結果でしたね…。

フィルム現像用薬品

今日は秋葉原の近くに行く用事があったので、ヨドバシカメラに寄って、フィルム現像用の薬品類を購入しました。

左から、定着剤、現像剤、ドライウェル(フィルムを洗浄した後の水シミを防ぐための界面活性剤)です。

現像剤はいつもコダックのD-76というのを使っています。
これは粉で、見ずに溶いて使います。
最もポピュラーな現像剤ですが、自分としては別に強いこだわりがあるわけではなく、安いから使っています。
これ一袋で、1ガロン(3.8リットル)の現像液になります。
一袋¥820なので、1リットルあたり¥215の計算となります。
これが富士フィルムの「ミクロファイン」だと、現時点のヨドバシ価格で、¥310/Lで割高となります。

ところで今日、「ナニワND-76」という1リットル用の現像剤を発見しました。
お値段、¥199 う〜ん、安い。
しかしメーカーが謎すぎることと、あまりに昭和なパッケージに腰が引けてしまい、購入には踏み切れませんでした。
円安が進んで、コダックが割高になったら使ってみようかな?

定着剤も今まではコダックの粉のものを使っていたのですが、これにはある不満が。
水に溶けきらず、一部沈殿してしまうのです。
面白いことに、横浜に住んでいた頃はそれほど気にならなかったのに、亀有に越してから目に付くようになりました。
もしかしたら水(水道水)が違うのかも知れません。
というのも、洗濯物の仕上がりが違う(ゴワゴワする)ようになったと常々感じていたのです。
水質(ミネラル?)が変わったせいで、溶けにくくなったいうことは有り得そうに思えます。

そこで今回は濃縮液タイプの定着剤をセレクトしてみました。
これは一リットル弱(1クォート=946ml)の薬液を、四倍に希釈して使用するものです。
濃縮液タイプは、粉に比べて割高で重いので敬遠してきましたが、これなら溶け残りに頭を悩ます必要はないわけです。
ちなみにお値段は、¥840(=¥221/1L)
粉タイプが、¥680(=¥178/1L)なので、やっぱり結構割高ですね。

さて、ドライウェルですが、これは¥340です。
これも希釈タイプで、40リットルまで希釈して使えるので、まあランニングコストとしては大したことは無いのですが、わたしはこれは台所用洗剤で代用できるのではと踏んでいます。
機会があったら実験してみたいですね。
代用できるなら、何もドライウェル税を払う必要はないですから。

最近のフィルム

溜まっていたフィルムを現像したので、アップしていきます。


これは、だいぶ前のものです。去年の12月に谷中霊園に行った時に撮った一枚。


この3枚は、去年の年の暮れに日暮里繊維街に買い出しに行った時に撮ったもの。
ああ、もう三ヶ月も前の事ですか。時が立つのは早い。


今年の二月の初め頃に、上野公園で撮った写真。
この日は雨が降っていました。
噴水広場を挟んで建っている、スターバックスとパークサイドカフェ。


さすがの天気に、普段は賑わっている上野動物園も人っ子一人見当たりませんでした。
サボイアの店員さんもヒマそうだった。


上野こども遊園地も生憎の天気でクローズドです。
普段はファンシーな人形も、人気がないと不気味です。
カラスがメリーゴーランドのテントの下で雨宿りをしていました。


先月立ち寄った荒川の風景。
小春日和で、河川敷はスポーツに興じる人たちで賑わっていました。


先々週の土曜日に、友人と花見に出かけた千鳥ヶ淵の写真です。
満開の素晴らしい桜でしたが、やや肌寒い天気だったのが残念でした。


これはつい先日に行ったみさと公園の風景です。


アスレチックに大勢の子どもたちが群がっていました。


久しぶりにブローニーでも撮りました。
間が開きすぎて、勘が鈍っていましたね。

水元公園 みさと公園

先日、水元公園にお花見に行ったので、その時撮った写真をアップしていきたいと思います。

今年は開花が早かったので、散ってしまったのではと心配しましたが、なんのその、最高の見頃を迎えていました。

特に素晴らしかったのは、香取神社側にある人造滝の両側の桜ですね。
滝の白い飛沫と、舞い散る桜の花弁が合わさって、幻想的な風景でした。

さて、今日は小合溜の向う側にあるみさと公園に足を運びました。
(水元公園から望むみさと公園)

小合溜を越えると、そこは埼玉県三郷市です。
規模は水元公園に比べると小さいものの、広々としています。

花見客で賑わっていました。

盛土をした小山には、アスレチックや、ローラーすべり台などが配されていて、沢山の子どもたちの姿が見られました。

久しぶりに自然の中で羽を伸ばせました。いい目の保養になりました。