ピグマリオン人形展2020

気付いたら2021年も明けて早2ヶ月が経過してました…。今更明けましておめでとうとも言えませんね…。

もう半年も過ぎてしまいましたが、去年の8月に行った「ピグマリオン人形展2020」の写真を今更ですがアップしてみようかと思います。
結構前に目黒でやったのを見に行きましたが、今回は横浜でやり、場所も鶴屋町で住まいから近いので足を運ぶことにしました。

会場はFEI ART MUSEUM YOKOHAMA
そんなに広くなかったので、見たのは10分くらいですかね。
客層は若い女性が多かったです。

入口近くに展示されてた小さい人形たち。ゴスい雰囲気が漂ってます。

こっ、これは…。コロナで有名になった妖怪「アマビエ」だと思いますが、ハードに疫病退散の願いが込められているのか相当の肉体改造が加えられています。

う、美しい。講師の陽月先生のお人形です。
半分はこういう可愛らしい人形、半分はアマビエみたいなゴシック趣味の人形ですね。

こちらも陽月先生のもの。
壇蜜を思わせる怪しい魅力を放ってますね。


コロナで展示するのは大変だったと思いますが、今年もやるんでしょうか?
横浜だったらまた見に行きたいですねー。

人・形・展(2015年)

去年も同じ時期に行ったのですが(その記事)、人形(ヒトガタ)展を観に丸善 丸の内本店に行ってきました。
今回で10回目だそうです。

初日の23日に行きました。
この日は祝日ということもあるのか、東京駅の周辺は観光客で混んでいました。

初日は会場前に購入整理券が配られるそうですが、私がむかったのはもうお昼近くでした。

面白かったのは亀井潤さんの試験管の中に入った人形。
他にもピーナッツに彫った竜なども展示されていて、手先の器用さに感心しました。

それから踏鞴(たたら)房の人形。
こちらはリアルかつ、子供の身長くらいの大きさがありドキっとさせられます。
お値段、81諭吉でした。(そしてもう売れてた)

常連の陽月さんは今年は一体でした。
しかし結構大きいもの(90cmだそう)
そしておプライスは70Y
言うまでもなく売約済みでした。(しゅごい…)

第9回 人形(ヒトガタ)展

今日は秋晴れのいいお天気でした。ちょっと暑いくらいでしたね。
丸善本店で、9月24日から30日の会期で、創作人形の展示即売会「第9回 人形(ヒトガタ)展」が行われているということなので、用事のついでに見てきました。
入場無料なり。

このような素晴らしい催しが既に9回も行われていたとは…。
今回はたまたま知りましたが、これからはもっと頻繁にチェックしよう。

大手町駅から目と鼻の先だというのにかなり迷いました。
う〜む、カッペ丸出しである。

1F入口近くのディスプレイ。
否が応でも期待が高まります。会場は4Fギャラリーです。
30人くらいの作家が参加しているので、各ブースはかなり手狭な感じでした。
それぞれ数体づつ数を絞って出品されてました。

一番印象的だったのは、「玉青」先生の猫の人形
猫なのに人形と呼んでよいか判りませんが。
リアルな造作と、球体関節が凄かった。
特に尻尾まで球体関節で作られていて、玩具の竹蛇を思わせました。

さて今回は即売会なので、人形のリアルなプライスがわかります。
密かに目当てにしていた陽月先生のおドールの値札に目を遣ると、すでにSold outであることを示す赤いシールが貼ってありましたが、シールを透かして確認することが出来ました。
そうですか…、54諭吉ですか。

ピグマリオン30周年記念展

以前の記事でちょっと、吉田良や陽月といった人形作家のことをお話したことがありますが、彼らが講師として自由が丘で活動している人形教室「ドールスペース ピグマリオン」が今年で30周年ということだそうで、その記念人形展が目黒で行われています。
(詳細はコチラ

会期は11/2(土)〜11/10(日)までと極短です。
日常的にピグマリオンのサイトをチェックしている訳ではないので、いつもなら気付かず後で後悔するというパターンなのですが、何か今回は虫が知らせたというか、ピンと来るものがあり、見てみたらズバリですよ。
こうなると行かないわけには参りません。
昨日行ってきました。
会場は目黒区中町の「アンティークショップ・ジェオグラフィカ」です。

最寄り駅は学芸大学なのですが、電車代節約のために中目黒から歩きました。
山手通りを目黒警察署方面に進み、大鳥神社の交差点で直角に折れて、目黒通り沿いに自由が丘方面に向かいます。
2kmくらい歩いたでしょうか?
区立第四中学校のちょっと手前に、目黒通りに面して建っています。
目立つ建物なので通り過ぎることはないでしょう。

話は横道に逸れますが、とちゅう目黒通り沿いに「目黒寄生虫館」を発見。
その刹那、今まで忘れていた昔の記憶がフラッシュバックしました。
そう、かれこれ8,9年前そこを訪れた記憶が鮮明にーー。
時の流れの速さに戦慄を覚えた瞬間でした。

まあいいや…、そんなことは。
肝心なのはドールです。
出来ることなら写真でその素晴らしさを伝えたかったのですが、店内撮影はNGだったので、文章オンリーです。
が、わたしの筆力では人形の美しさを伝えきることは土台無理なので、あくまで概要的な話をします。

二年くらい前に行った人形展(こちらの記事参照)もアンティークショップでやってましたが、あそこは狭いし、商品も不気味過ぎるし、入場料を取るしでダメでした。
ところが今回のジェオグラフィカは広い! オマケに地下1Fから3Fまでの売り場をフルに活用です。
それに商品もまっとう。
アンティークな椅子やサイドテーブルなど、つい欲しくなるような(しかし値段を見て諦めがつく)品がいっぱいあり、それを見るのも楽しかったです。

で、いきなり1Fエントランスそばのガラスケースに陽月先生の新作ビスクドールが2体。
発せられる妖刀村正の如き妖気に、思わず2歩後退りしました。
ちなみに今回の展示会は販売もあり。
値札を見ると既にSOLD OUTとなっていました。
一体おいくらだったのか…、それだけでも知りたい。

1Fはピグマリオン講師陣の作品が中心的に展示されていました。
吉田先生のかなり大きめな人形が売り物のソファーに座っていてビビります(後ろから見ると普通に人が座っているように見える)
ここではピグマリオン関係の書籍や展覧会のポスター等をジュエリーショーケースに入れて展示していたのが興味深かったです。

そしてそこにはハードカバー版「解体人形」が…。
そう、この本こそこの世界を知るキッカケでした。
2002年に八王子駅前のくまざわ書店でこの本を見た時のショックたるや。
そしてなぜあの時有り金はたいてでもGetしなかったのかと、愚かだった自分をしばきたい!
貧すれば鈍すである。
それからは反省して「ピン」ときた本は即Getを心掛けています。

また話が逸れました。
各階の説明をします。
1F以外には生徒たちの作品が展示されています。

まずB1Fを見ました。
正面側の階段下に「デビルマン」に出てきそうな陽月先生の人形が展示されており、なんだか見てはいけない一面を見たような気になります。
その側にあった蕾さんだったか、棘さんだったかちょっと失念しましたが、その方の人形も良かったです。
このフロアはベッドとかソファーとかなのですが、そこに人形が寝そべったり、座ったりしているので非常にシュールな空気が漂っていました。

次は2F。
2Fはカフェが入っているので、展示場である売り場は狭いです。
なので小さい人形がまるで商品のように置かれていました。

最後3F。
ここもB1F同様、広い売り場に人形が奇妙に溶けあわずに展示されていました。
このフロアはオールドパイン家具が中心で、品の良い鏡台やサイドテーブルなどに目を惹かれました。
生徒さんの作品の売価に注目してみると、10〜30万が中心的価格帯のようでした。
う〜ん、何か頑張れば手が届きそうな値段のようにも思われ危険です。

お客さんはほとんど女性でした。
その中には生徒さんと思しき方も散見されました。
そうでない娘たちはグループで来てキャピキャピはしゃいでるので大体見分けがつきます。
あと年配の女性のグループも目立ちました。

一時間弱ほど見て回って会場を後にしました。
これは掛け値なしに素晴らしい展覧会だったと言えます。
しかもタダです。
ごく短い会期なので、なるべく多くの人に足を運んでもらいたいものです。

ベルメールと日本の球体関節人形

 浅草橋で2月14日から3月14日までの会期で開催されている「ベルメールと日本の球体関節人形」に行ってきました。
 昨日、ほんとうに何気なく陽月(という人形作家)のウェブサイトを覗いたら告知されていて、慌ててスケジュールに入れたのです。
 わたしはかなり以前から吉田良(という人形作家)のファンで、陽月は将来を嘱望されている彼のお弟子さんです。それでたまにその活動をチェックしているのでした。写真集を出して欲しいと切望しているのですが、今のところその予定はなさそうですね……。
 
 今回の展示は「夜想」というサブカルチャー系の雑誌が主体となっているようです。
 タイトルにもあるハンス・ベルメールとは、シュールレアリズムの作家で、気持ちの悪い球体関節人形を作成し、それを写真に収めて発表した偉い人ですが、それが日本にも伝わると四谷シモンや吉田良に影響を与え、日本の人形史に独特の屈折を与えたのです。
 その動きを俯瞰する、とパンフレットに書いてあったか、いまわたしが思いついたのか判りませんが、そういう展覧会です。
 しかし、それではあまりにマニアック過ぎると思ったのか、客寄せパンダが欲しいと思ったのか、「ローゼンメイデン」で有名なPEACH‐PIT(漫画家)に特別参加を依頼。
 それから商売気も出したのか、ボークスのスーパードルフィーまで陳列するに及んだのでした。
 結果としてバラエティー豊か、かつ、焦点のぼやけた展示となりました。
 
 さて、浅草橋はこれで二回目です。
 この前は08年に須田一政塾の卒業発表を見に行ったのでした。
 「えぇ〜、そんなに前だったっけ!?」と発狂しそうですが、そうなのです。小規模なギャラリーが集まっている土地柄なんですね。
 今回の会場は「パラボリカ・ビス」という、浅草橋東口から徒歩六分ほどの場所にあります。
 ところがぎっちょん、今日は東京マラソンで江戸通りが封鎖されていたのでした。むこうに渡りたくても渡れない。交通規制が解除されるまで三〇分ほど待たされました。
 地図を頼りに進むと、一見してそれとわかる妖しい建物が見えてきました。ショーウィンドウに狼の剥製に跨った等身大の人形が展示されています。間違いありません。
 あまりに嫌な匂いを感じとりつつ、二階受け付けへとのぼって行きました。
 二階は「夜想大骨董市」という、脳みそにヒルを植え付けた猿の盗品のみで構成したようなガラクタ市の会場になっていて、マネキンの胴やウシの頭蓋骨、アルマジロの剥製、トリの剥製、アフリカの彫物、アフリカのお面、よく分からない薬の瓶、よく分からない臓器片のホルマリン漬け、等々なんの役にも立たない妖しい品がドンキホーテ並に圧縮陳列されていました。
 その奥にレジがあり、チケットはそこで購入するのでした。入場料五百円なり。
 
 同じフロアに球体関節人形の元祖、ベルメールの人形――は残念ながら無く、ドローイングが数点展示されていました。マルキ・ド・サドの小説を題材にしたシリーズで、強烈に露骨な性表現です。なかでも接合の解剖学的な(断面)図には驚きました。この表現、日本発だと思っていたので。
 そしてどういうわけかベルメの何番目かの女房のウニカ・チュルンのドローイングがそれ以上の点数展示されていました。
 
 しかしお目当ては吉田良&ドールスペース・ピグマリオンの高弟たちの作品です。
 陽月先生の作品は二階の別の部屋にありました。う〜ん素晴らしい。脳がとろけそうです。わたしは熱い風呂に浸かった時と同様のうめき声を上げました。そのまま担いで逃げたかったですが、僅かに理性が勝利し思い止まりました。
 その他、四谷シモンは呼べなかったけれど、その代わりにですがという感じでエコール・ド・シモンのお弟子さんの作品なんかもありましたね。
 
 吉田先生の作品は一階のガレージのような場所に展示されていました。なにか極めてヤバい作品が隔離されて置かれているような印象が……。
 ベルメールへのオマージュと題した連作は、人形の首と腰を短絡させたり、少女の腹部を妊婦のように膨らましたり、椅子と同化させたり、といった奇形的な表現です。
 お弟子さんも師匠に負けず大張り切りで、辻斬りされたのに気付かず笑っているようなものや、無数の孔が穿たれた人形、葉脈のように肋骨だけが取り残された胸部、イチジクのような腫瘍が皮膚の上で脈打っている表現など、芸術と捉えて良いのか悪趣味とすべきか判断に困るようなものばかりでした。
 個人的には見世物小屋的な痛々しいものは好きにはなれませんね。
 以前に東京都現代美術館で行われた球体関節人形展は芸術としての品位を保っているように思えましたが、今回のは夜想のオカルト志向にだいぶ引っ張られてしまってるんじゃないかと怪しんでしまいました。
 (そう考えたところで、東京都現代美術館のが2004年であったことを思い出しうろたえました。あれから七年も経っていたとは…。時間の流れが早すぎてヤバいです)
 
 それなりに展示を楽しんだ後、浅草まで足を伸ばしました。
 隅田川沿いを歩くきます。今日は暖かかったですね。20度超えていたんじゃないかな?
 噂のスカイツリー、はじめて間近で見ましたよ。