以前の記事でちょっと、吉田良や陽月といった人形作家のことをお話したことがありますが、彼らが講師として自由が丘で活動している人形教室「ドールスペース ピグマリオン」が今年で30周年ということだそうで、その記念人形展が目黒で行われています。
(詳細はコチラ)
会期は11/2(土)〜11/10(日)までと極短です。
日常的にピグマリオンのサイトをチェックしている訳ではないので、いつもなら気付かず後で後悔するというパターンなのですが、何か今回は虫が知らせたというか、ピンと来るものがあり、見てみたらズバリですよ。
こうなると行かないわけには参りません。
昨日行ってきました。
会場は目黒区中町の「アンティークショップ・ジェオグラフィカ」です。

最寄り駅は学芸大学なのですが、電車代節約のために中目黒から歩きました。
山手通りを目黒警察署方面に進み、大鳥神社の交差点で直角に折れて、目黒通り沿いに自由が丘方面に向かいます。
2kmくらい歩いたでしょうか?
区立第四中学校のちょっと手前に、目黒通りに面して建っています。
目立つ建物なので通り過ぎることはないでしょう。
話は横道に逸れますが、とちゅう目黒通り沿いに「目黒寄生虫館」を発見。
その刹那、今まで忘れていた昔の記憶がフラッシュバックしました。
そう、かれこれ8,9年前そこを訪れた記憶が鮮明にーー。
時の流れの速さに戦慄を覚えた瞬間でした。
まあいいや…、そんなことは。
肝心なのはドールです。
出来ることなら写真でその素晴らしさを伝えたかったのですが、店内撮影はNGだったので、文章オンリーです。
が、わたしの筆力では人形の美しさを伝えきることは土台無理なので、あくまで概要的な話をします。
二年くらい前に行った人形展(こちらの記事参照)もアンティークショップでやってましたが、あそこは狭いし、商品も不気味過ぎるし、入場料を取るしでダメでした。
ところが今回のジェオグラフィカは広い! オマケに地下1Fから3Fまでの売り場をフルに活用です。
それに商品もまっとう。
アンティークな椅子やサイドテーブルなど、つい欲しくなるような(しかし値段を見て諦めがつく)品がいっぱいあり、それを見るのも楽しかったです。
で、いきなり1Fエントランスそばのガラスケースに陽月先生の新作ビスクドールが2体。
発せられる妖刀村正の如き妖気に、思わず2歩後退りしました。
ちなみに今回の展示会は販売もあり。
値札を見ると既にSOLD OUTとなっていました。
一体おいくらだったのか…、それだけでも知りたい。
1Fはピグマリオン講師陣の作品が中心的に展示されていました。
吉田先生のかなり大きめな人形が売り物のソファーに座っていてビビります(後ろから見ると普通に人が座っているように見える)
ここではピグマリオン関係の書籍や展覧会のポスター等をジュエリーショーケースに入れて展示していたのが興味深かったです。
そしてそこにはハードカバー版「解体人形」が…。
そう、この本こそこの世界を知るキッカケでした。
2002年に八王子駅前のくまざわ書店でこの本を見た時のショックたるや。
そしてなぜあの時有り金はたいてでもGetしなかったのかと、愚かだった自分をしばきたい!
貧すれば鈍すである。
それからは反省して「ピン」ときた本は即Getを心掛けています。
また話が逸れました。
各階の説明をします。
1F以外には生徒たちの作品が展示されています。
まずB1Fを見ました。
正面側の階段下に「デビルマン」に出てきそうな陽月先生の人形が展示されており、なんだか見てはいけない一面を見たような気になります。
その側にあった蕾さんだったか、棘さんだったかちょっと失念しましたが、その方の人形も良かったです。
このフロアはベッドとかソファーとかなのですが、そこに人形が寝そべったり、座ったりしているので非常にシュールな空気が漂っていました。
次は2F。
2Fはカフェが入っているので、展示場である売り場は狭いです。
なので小さい人形がまるで商品のように置かれていました。
最後3F。
ここもB1F同様、広い売り場に人形が奇妙に溶けあわずに展示されていました。
このフロアはオールドパイン家具が中心で、品の良い鏡台やサイドテーブルなどに目を惹かれました。
生徒さんの作品の売価に注目してみると、10〜30万が中心的価格帯のようでした。
う〜ん、何か頑張れば手が届きそうな値段のようにも思われ危険です。
お客さんはほとんど女性でした。
その中には生徒さんと思しき方も散見されました。
そうでない娘たちはグループで来てキャピキャピはしゃいでるので大体見分けがつきます。
あと年配の女性のグループも目立ちました。
一時間弱ほど見て回って会場を後にしました。
これは掛け値なしに素晴らしい展覧会だったと言えます。
しかもタダです。
ごく短い会期なので、なるべく多くの人に足を運んでもらいたいものです。