近所をぶらぶらと歩いていたら面白い風景に出会いました。
一枚目は年季の入ったアパートですが、なんと、満開の夾竹桃がニョキッと顔を出しています。どこから生えてるんだろう?
二枚目は町工場の脇ですが、神棚のようなものが備え付けられています。
ふつう屋内に飾るものだと思うのですが……。
「all」カテゴリーアーカイブ
火事
夕方買い物に出かけ、帰ってきてみるとなんだか物々しい雰囲気。
家に近づくにつれてパトカーのサイレンが大きくなっていきます。
見ると家からすぐそばの通りに、消防車がずらりと並んでいました。
「まさかウチでは!?」とさっと嫌な予感がしましたが、幸い違いました。
しかし火元はウチから50メートルも離れていない場所でした。炎は見えませんでしたが、煙がもうもうと立ち込めて、非常ベルがけたたましく鳴り響いていました。
それにしても野次馬が酷かった。自転車で乗り付けて奇声を挙げている不良がいて、不愉快極まりなかったです。
RE:写真集
「多摩景」は十五年に渡って多摩周辺(多摩・府中・国立・立川・国分寺・東大和市)を撮ったものです。
先の「偽景」とは対照的に郊外のありふれた風景を収めた作品です。特に公園を撮ったものが多いです。
概して人物は点景として配されています。
フィルムのフォーマットはブローニー6x7だそうで、たいへん緻密で美しいです。
しかしながら正直な感想としては退屈なフレーミングが多い。画面上下の余白が「もったいない」と感じさせる絵もあります。
とは言え、この写真集の魅力は被写体自身です。
多摩に住んだことのある人なら、いずれかの写真に目が留め「あっ、この景色みたことある」と呟いてしまうに違いありません。
特別なランドマークな訳でもなく、むしろごくありふれた風景に過ぎないのですが、にもかかわらず全編濃厚な多摩の気配に満ちています。
作家は特別な嗅覚でもって「多摩らしさ」の本質を捉えています。それは個人的な体験と共鳴し郊外を追体験させてくれます。
まるで子供時代のアルバムが数十年の時の流れを遡らせるように。
まさに多摩の記念写真です。
写真集
最近購入した写真集を紹介します。「偽景 1998‐2006(菊池一郎)」と「多摩景(田中昭史)」です。
いずれも店頭で見つけてパラパラ眺め、一旦は「フーン」、しばらく放っておいたのですが、後日ムラムラと欲しくなり手に入れたというパターンです。
まずは「偽景」のほうから。これはなんともいいタイトルです。
このタイトルと表紙から中身がなんとなく想像つき、かつその通りだというのがこの本の良いところです。
有り体に言えば、作家が九年間に渡って日本各地で撮りためた「変な風景」をまとめたものです。
とはいえ「VOW」であるとかトマソンのような「日本珍奇景」に堕していないところが素晴らしい。絵に緊張感があるのです。
単純に変な風景を写しているだけのカットもままありますが、多くの写真で主題となっているのは自然と人工物との鋭い対立です。
本作ではそれをよくある人間疎外と絡める立場ではなく、むしろ楽しみ、肯定的に取り扱っているのが分かります。
それを端的に言い表したのがタイトルの「偽景」なのではないかと思います。
RE:DIY
モツ煮込み
雨の公園
ポストに錠
最近あった奇妙な出来事です。
昨日、仕事から帰ってくると、アパートの一階にある集合ポストに身に覚えのない錠がしてありました。わたしは普段は錠をしていないので、びっくりしてしまいました。
これでは郵便物を取り出せないので、あわてて大家さんに相談しました。
大家さんはけっこう齢のいったおばあちゃんで、訛もきつく、言ってることが良く分からないことがあります。
案の定勘違いして、わたしが鍵を無くして困っているものと思ったようです。
しかし、元から錠などしていなかったことをなんども説明するとやっと理解したようで、非常におどろいていました。
しかし外すには鍵屋を呼ぶしかなく、すぐには無理だしお金もかかると言われてしまいました。
それで自分でやると宣言しました。悪戯でやられたような気がして、頭に血が上っていたのです。
工具箱から棒ヤスリを取り出してきて、錠の腕をゴリゴリ削り始めました。意外と柔らかくて五分ほど削っていると、肉がかなり薄くなってきました。最後は大家さんにクリッパーを出してもらって、それでパチンと切り落としました。
しかしそれだけやって開けたポストの中にはチラシが一枚入っているだけでした。
そのうえちょっと力みすぎてポストの錠を掛ける把手の部分を壊してしまい、けっきょく業者に来てもらわなければならなくなってしまったのです。
今日、帰ってきて見ると、把手の部分が修理されていました。
大家さんに訊くと、鍵屋がすぐに来てくれたということです。
それから事件の「真相」を教えてもらいました。
今朝、わたしの上の階の住人が、大家さんを訪ねてきたそうです。ポストの錠が無くなっているという相談でした。
つまり上の住人の錠が、どういう訳かわたしのポストに取り付けられていたのです。
どうしてそうなったのかは、本当の謎です。
大家さんが言うには、上の住人はロックせずに錠を把手に引っ掛けたままで出掛けていたそうです。それが何かの弾みで落ちてしまい、それを見つけた誰かが親切のつもりでわたしのポストに掛けたのではないか———、ということです。
とても納得できませんが、わたしの咎ではないことがはっきりしたので修理費は払わなくても良いことになりました。
しかし考えれば、時間が解決してくれた問題だったのかも知れません。
RE:浜名湖
港を一通り見た後、最後に遠州灘でも見ておこうと考えました。
海岸に平行して防風林の松林が続いていており、そこは遊歩道になっています。松林沿いにはしらすの加工場が並んでいて、従業員が発泡スチロールの箱を腕に忙しそうに立ちまわっているのが見えました。とにかくしらすの匂いが強烈でむせかえりそうでした。
遊歩道の先には舞阪灯台があり、そこまで歩きましたが残念ながら灯台の中には入れないようでした。
松林を抜けて今切団地の脇を通り過ぎると、海岸との間にとうせんぼをするように浜名バイパスが見えてきます。そのガード下を潜り抜けると遠州灘の白い砂浜にたどり着きました。正午の日差しを浴びた砂丘は目が痛いほど眩しかったです。
砂浜には浜名湖周辺の混雑に比べると信じられないほど人がまばらでした。何人か目に入った人たちもみなサーファーで、釣りや潮干狩りに興じる者はいませんでした。
わたしは波打ち際まで出てしゃがみ、黒い波頭に現れては消えるサーファーの姿をしばらく眺めていました。
その後弁天島に戻り、遊船家でお土産を買いました。しらすや練り物、うなボーン等の乾物です。一部はゆうパックで実家に送りました。
渚園には午後一時に着きました。レンタル料は二日分取られてしまいましたが、保証金は帰ってきました。おじさんはちょっと済まなそうにしていましたが、却っていい思い出になったかも知れません。
塩臭い風を胸一杯に吸って、わたしは帰路についたのでした。
RE:浜名湖
翌三日。七時半頃目が覚めました。朝食はもう六時半からビュッフェ形式でやっています。食事の前に朝の浜松の町の様子をカメラに収めたかったので、キーをフロントに預けて外に出ます。この日も晴れていて、爽やかな天気でした。
繁華街を歩くと昨夜とはうって変わって人通りはまばらです。ただあいかわらず法被を着た人が目につきましたね。
法被密度の高い方に移動していくと五社神社にたどり着きました。石段を上がって本殿の前に来ると制服を着た警察官でいっぱいでした。祭りを前にして、皆で会期中の安全を祈願していたのでしょうか?
ホテルに戻り、食堂へ向かいます。料理は和食と洋食があったのですが、和食の方はすでに食べ尽くされて無くなっていました。洋食の方もパンとサラダ、カットオレンジが残っているのみです。時刻はもう八時を過ぎていたので、出遅れた感が否めませんでした。それでもあるものだけ胃に詰め込んでホテルをチェックアウトしました。
ふたたび東海道本線に乗り、鷲津に戻ります。駅の駐輪場にとめた自転車、前輪に鍵をしただけなので盗られたら大事だと不安だったのですが、ちゃんと置いた場所にありました。
駅前の国道三〇一号から新居町方面にむけて、自転車の旅を再開します。途中で左手に直角に折れ、鉄道を越えてマッスクバリュー湖西店前の道に出ます。しばらく走ると正面に大きな吊橋が見えてきます。橋を渡ると浜名湖競艇場のある埋立地に入ります。自転車で入ってもいいものかよく分からなかったですが、競艇場の巨大なプールの周りをぐるっと一周しました。観客席はまばらでしたが、競艇選手たちが水しぶきをあげて水上を走る姿が見られました。
新居町のあたりで国道一号線と合流します。このあたりは釣具屋、釣り船屋、ファミリーロッジなどが軒を連ねています。国道、東海道線、新幹線がずらりと並ぶ水道をふたつ越えて、旅の出発点である弁天島に戻ってきました。
この時まだ十一時くらいだったので、自転車を戻して帰るにはまだちょっと早いなと思い、舞阪漁港を見に行くことにしました。
製氷工場の裏に自転車をとめ、港へ降りて行きます。ちょうど漁船が帰ってきたところで、水揚げした魚にクレーンに吊り下げられた大きな砕氷機の口からドボドボと氷を落とすところが見られました。近くには水神宮があり、周囲の柵におびただしい量の網が掛けられて日干しされていました。