【昔話】西鉄バスの思い出

「仕事でぇ~、更新がぁ~」と久し振りにポストしてからはや一か月が経過しましたな…。
この間、時間的にはだいぶ余裕があったのですが安定の放置プレイでした。

世間的にはGWに突入し、円安が一時160円突破したりと、旅行の話題がかしましい感じになってますが、我が家は4月に里帰りも兼ねた九州旅行をキメていました。
その様子は最近購入した(そしてもうちょっと飽き始めてる)GoProで動画に収めているので、支障のない範囲でYoutubeにアップしようかなァ…と考えたりしてますが、考えるだけで今のところ何にもしてません。

実家の北九州をはじめとして、博多や大分(由布院、別府)を観光したのですが、確かに円安を追い風としたインバウンドを肌で感じました。
白人もぽつぽつ見かけましたが、中国、韓国といったアジア系が大勢を占めています(地理的に大陸に近いせいもあるかもですがー)
テレビではやはり白人が映えるのでよくインタビューされてますが、インバウンドの実態としてはアジアの旅行者に近場の安価な観光先として選ばれているということではないでしょうか。

観光のことは(できれば)動画で追ってお伝えできればと思うのですが、ここでは昔話をします。

帰りは福岡空港を利用したのですが、前々日から博多駅そばのホテルに逗留していました。
長旅の疲れで子供がぐったりしてたので、あまり遠出せず近くのキャナルシティや博多駅ビルあたりをブラブラしていました。

子供は鉄道好きで、すでに将来鉄オタになりそうな気配を漂わせておりちょっと心配です……。
この旅のなかでも、ソニックやゆふいんの森に乗って喜んでました。
それでアミュプラザの鉄道模型の店「ポポンデッタ」に連れて行って遊ばせていたのですが、自分も漫然と店内を眺めているとトミーテックのバスコレクション「西鉄バススペシャル」を見つけました。

赤と白の塗装に思わず懐かしさがこみあげます。
高校生のころ登下校で利用してたんですよねー。

こんな感じで本来は12種類どれが入ってるか分からないんですが、コレクターに優しくあらかじめ開封済みで欲しいものが分かるようになってます。
細かいデザインまでは覚えていないのですが、千代自動車営業所4520号車が当時よく乗ってたものに近しいように思えたので、こちらを購入しましたー。
¥1,980也

高校はけっこう遠くにあり、電車とバスを乗り継いで通ってました。しかも山の中腹みたいな異様に不便なところにあったので、毎日片道一時間半くらいかけてたように思います。
九州には悪名高い「0限目」というのがあって、普通は1限目8:45くらいから始業だと思いますが、7時台に課外授業を行う風習があるんですな。
それに間に合わせるため5時に起きて6時には家を出るという3年間を送っていました。
冬場など当然外はまっくら。
で、激寒ッ!!
「俺は僧侶か? 水垢離でもして護摩でも焚くんかーい?!」と思ったものです。

生徒も辛いですが教師もかなりシンドかったと思います。
なので今では廃止してるところも多いと聞きます。
眠くてあんまり頭に入らなかった気がしますし、それで良いんじゃないでしょうか。

移動中はウォークマンでラジカセで録音した深夜ラジオなんかを聴いてましたね。
今でも通勤中にポッドキャストを聴いたりしてるので、習慣ってあまり変わらないな~と思います。
ちなみにウォークマンはパナソニックのRQ-SX60というのを持ってました。
「トライアル」みたいなディスカウント店で、15,000円くらいで購入したような気がします。
型番はもちろん覚えてなかったので、今回画像検索して辿り着きました。

結構カッコイイデザインだったので気に入っていました。
当時はメーカ各社が携帯カセットプレーヤーを競って発売してたので、機能・デザインともに優れたものが多かったように思います。
このモデルは市場によく出回っていたので、クラスの一列全員が偶然にも同じウォークマンだった!なんて笑い話もありました。
上京してからもしばらく使ってましたねー。最後はどうしちゃったのかな?

話は脇にそれますが、ipod前夜の2000年当時レコードショップの店頭には、ハイポジだメタルだと、カセットが山積みされていましたね。
今や音楽はスマホで聴く時代なので見る影もありませんがー。
しかし一部ではカセット復権の動きもあるというような話も聞きます。
一種の懐古趣味なんでしょう。
これがレコードなら、大きなジャケットや音を出すまでの儀礼的とも言える手間ひまに魅力を覚える気持ちは分からなくもないです。
しかしカセットって本来簡便さを志向しているじゃないですか?
いまどきよっぽど手軽にしかも高音質で聴けるのにわざわざカセットを選択する気持ちはあんまり良く分からないですね…。

話は西鉄バスに戻りますが、通学定期をわざわざ弥生が丘自動車営業所という、当時は(今もかな?)周りになぁんにもないところに、自転車をキコキコ漕いで買いに行ってました。
確か3ヵ月定期を3万円くらいで購入してたような気がします。
その当時はかなりの大金ですな。悪い気持ちが起こったことはありませんがー。

そう言えば聞いた話によると、中学校のクラスメートで高校を日田彦山線という超絶ローカル鉄道沿線に進学した奴がいます。
学校の最寄り駅が無人駅なのを良いことに、親から貰った定期代を遊びに使い込んで無賃乗車を重ねていました。
しかし地元の駅は無人駅ではないので、どうしてたかというと、ホームの端の鉄条網をよじ登って改札を通らず外に出てたそうです。
当たり前ですがそんな浅はかな行為がバレないはずは無く、ある時いつもの様に金網によじ登ってたところを御用になりました。

―――と書いたところで、あんまり彼を笑えないぞと、胸がズキッと痛むことを思い出しました。
私もバスでキセルに近いことをやっていたかも知れません。

高校は山の中腹にあると言いましたが、買ってたバスの定期は山のふもとまでのものでした。
JR駅から山のふもとバス停に至るまでのルートは二つあり、私の買ってたのは、かつての路面電車の線路に沿ったものでした。(Aルート)
こちらのルートの方が幹線道路沿いなのでバスの本数が多いのですが、一方のルートはちょっと山に登り、4合目付近でふもとに折り返すものでした。(Bルート)

当然ふもとから歩くより4合目からにしたいので、可能な限りBルートのバスに乗って途中下車するようにしていました。
しかし定期にはAルート沿いの経由駅が記載されてたので、規約違反だったんじゃないかと思います。
でも高校3年間通してそのことについて一度として運転手さんに指摘されることはありませんでした。

当時の定期はもちろんICではなく、バスに乗降する際に運転手さんに見せていたので、小さく印字されてる経由駅を見落としていた可能性もあります。
ただ3年間一度も言われなかったので、もしかしたらAルートとBルートは共用可能な区間だったのかも知れません。(今となっては分かりませんがー)

最後に色んな角度から撮った4520号車を載せて締めようかと思います。

開封すると想像以上に小さい(7cmくらい)ですが、細部まで実に良く作り込まれてて溜息が出ますね。

ブログを更新できなかった期間のこーとー

年が明けて早3ヶ月経過しようとしてますな……。
例年であればもう桜が咲いててもおかしくない時期ですが、今年は寒の戻りで桜の開花が遅れて、珍しく桜の見頃は4月になりそうですね。

去年からもおぉぉぉぉ忙しく、ブログを更新する暇がありませんでした。
特に年始早々が修羅場で、久し振りに徹夜までしましたよ。
残業時間がヤバいっていうのもあったんですが、なにより現場のピリついた雰囲気がいたたまれなかったです。

んで2,3月は悪夢のデスマーチ。平日は深夜残業がデフォルトで3,4時間睡眠の日々でした。
土日は基本的には休めましたが平日の疲れでなぁんにもやる気がせず、ひたすら身体を横たえて体力の回復に努めるという灰色の日々でした…。

不思議なもので、そんなに寝てないと普段眠くてたまらないだろうと思いきや、早起きする必要のない土日でもそんなに寝れなくなりました。
眠くは無いのだけど、頭にモヤッとした不快感がずっと付きまとう感じ。
そして布団に入って寝入ろうとすると、頻繁にこむら返りを起こすのも地味にキツかった。
たぶんこんな生活をずっと続けてたら、いつかとつぜん頭か心臓がプチッ!と逝ってしまうのではないかと思います。

お決まりの腹痛にも悩まされて、朝5錠ずつ飲む正露丸とビオフェルミンがお友達でした。
そして栄養ドリンク。
チオビタ2000とキューピーコーワαをよく飲んでましたね。

キューピーコーワαはほのかにパイナップル味がして好きだった

精神的にもかなり参って来て、出勤時の気の重さといったらなかったですね。
正露丸とビオフェルミンの瓶の隣に、赤ちゃん用の爪やすりが置いてあるのですが、飲む時に毎度目にするので、そのパッケージの愛らしさに癒されてました。

平時では何とも思わないのですが、「こわくないよ」というフレーズもまた心に来るものがありました(うんヤバい)

今になってまじまじと見てみるとちょっと生意気そうな顔をしてるな

「会社…こわくない」「かいしゃこわくないよ…ッ」

確実に病む寸前ですな。
しかし! 幸いなことに忙しさにはピリオドが打たれて、平穏な日々が戻ってきました。
今は3末までの代休・有休の消化中です。
まぁまだ修羅場の真っ最中というメンバーを尻目にですが。
彼らには頭が下がるんですが、私は天使じゃないんで……。

忙しくなる前はラジオを聴きながら悠々自適という感じで仕事をしていたのですが、ちょっとそれどころじゃなかったですね。

そんななか、よく聴いていたニッポン放送「あなたとハッピー!」の準レギュラーである、経済評論家の森永卓郎さんが末期がんを患っているというニュースに触れてビックリ。
森永さんの主張はいつも逆張りチックなので、「う~ん」と思うときが多いですが、特異なキャラクターでリスナーに愛されていたように思います。

やつれた写真が出回っているので、「いよいよか……」と思っていたのですが、つい先日ラジオを聴いてみたところまぁまぁ元気そうでした。(声だけだったからかも知れないけど)
抗がん剤治療が上手くいってるのであれば良いなと思います。

「貧すれば鈍する」じゃないですが、忙しいと本当に視野が狭くなりますな。
視野どころか手足すら短くなったように何もしたくなくなる。ちょっと腰を上げれば済むような用事すら後回しにしてしまいます。

その結果、お風呂場にはピンクカビが蔓延り、換気扇のフィルターは埃でフサフサとなり、トイレの時計は1ヶ月以上も止まったままで放置されていました。(電池切れではなく壊れてた)
ずーっと気になってたのですが、「ちょっと」の手間をかけるのが億劫で手が付けられなかったんです。

コイツらは休暇に入ってすぐに片付けました。
特に時計。
出勤前にトイレに入ると電車の出発時間に間に合うか気を揉むんですよね。会社遠いので家でシッカリ済ませておいた方が良いからなおさら。
時計が止まってると不便でしょうがありませんでした。
止まってた時計は100均でしたが、鬱憤の反動かセイコーのちょっと良いのを買ってしまいましたよ。

休日は家族にほっとおいてもらって、ひたすらYoutubeを観てることが多かったです。
横浜、八王子の歴史とか散歩動画、限界ニュータウンの番組をだら~っと見てました。

従来からファンの限界ニュータウン探訪記は、このごろは更新が滞り気味。浮気してドスコイさんという旅系Youtuberの番組をだら~っと流し見してました。(BGM代わりにしているとウトウトしてよく眠れた)

下の動画は私がドスコイさんを知るきっかけになった動画で、限界ニュータウン探訪チックなところもありおすすめです。

あとはブラック企業の体験談みたいなのも、同類相憐れむではないですが、まーまー観てました。
下のは鬼の33連勤を収めたもの。こんなものまでコンテンツ化してしまうのがなんとも逞しい。

投稿者の方、食事をガッツリ食べてるので若い方だと思います。
私は忙しいとかえって食が細くなりましたね。
33連勤というと労基がブッ飛んできそうですが、土日は半ドンぽかったのでやってけたんでしょうね。それでもひどいと思いますが。
最後に休暇が取れて江ノ島に行けたのは良かったー。
「自分もいつかバカンス取るぞ!」と励まされました。

読書家を自認していたんですが、休日でも読書はほとんどしませんでした。
しないというかできない?
これまであまり意識して無かったんですが、本を読むのも意外と疲れるもんですな。
文字の羅列から脳内にイメージを生成している訳ですからね。そう考えると人間の脳ってまんまAIみたいですね。(逆か?)

「食人の形而上学」みたいな哲学書はもってのほかで、普通の小説でもキツイものがあり。
思うに休日でもどこかでずっと仕事のことを考えていて、脳にそのリソースが割かれていたんだと思います。
逆を言えば、良い読書体験って仕事も順調で、何の患いもないことがもらたしてくれる贅沢なことなのかも知れません。

漫画なら読めて、Amazonのプライムリーディングで無料で読めるのを適当に読んでいました。
食わず嫌いだった「ブラックジャックによろしく」とか「Dr.コトー診療所」とか意外と面白かったですね。
あと絵で敬遠してたんですが、「ナニワ金融道」は読むと裏社会の仕組み(?)みたいなのがわかって楽しかったです。

作者が亡くなった後にプロダクションが出した「新ナニワ金融道」も無料になってたんで読んだのですが、限界ニュータウン探訪記でもよく触れられているバブル期の乱脈な土地開発がトピックとして触れられていました。
この当時(07年)にもすでに社会問題化して広く知られてたんですね。
最近知ったので、バブルの負債が今になって表面化してるのかと思ってたのですが、さにあらずのようで。

そうすると限界ニュータウン探訪記の新味というのは、乱脈な土地開発を告発するというより、限界ニュータウンの実地に足を運んで生々しい現状をレポートし、あまつさえ自ら限界ニュータウンに住むというところにあるんだなぁと今更のように思い至りました。

話題転換。
お酒が好きで、このごろはクラフトビールに食指を伸ばしているのですが、年季明け(?)のお祝いにちょっとお高めのビールを開栓してみました。

……?(アレ)
こんなもの? なんかジュースみたい。全然味がしないんだけど。
たまたまハズレかと思い、別の一本を開けてみたのですが、これも空振り。
う~ん、どういうこと??

そこでリファレンスにしている激ウマ保証の「インドの青鬼」を開栓。
圧倒的なフレッシュ感と焼けつくようなニガミを期待して喉に流し込む―――ッ、が!
(……全然味がしない)

ここに来て、ビールがマズイのではなく自分の味覚がおかしくなってることに気が付きました。
コロナにかかった時みたいに、味や香りが全くしない、ということは無いのですが、どうも繊細な風味を感じ取ることができなくなってるみたいです。
肉体労働者は味付けの濃いものを好むみたいなことを耳にしますが、慢性疲労が味覚に影響を及ぼしている、とかでしょうかね…。

休暇に入ってすぐ健康診断を受けたのですが、高血圧気味だったのでそこに関係するのか気になっています。

前にソルジェニーツィンの「収容所群島」を読んで、酷いなぁ、こいつは人類史上に残る悲惨なことだとシミジミ思ったものです。
しかしある意味ではその稀有な経験が踏み台となり、ソルジェニーツィンをノーベル賞に届かせたのでは?と不敬なことも考えたりしていました。

ワナビ気質な私は、そんな経験を乗り越えれば自分も世界中の人に響くような文学作品が書けるのではないかと不遜にも想像したものですが、労使協定(特別条項付きw)ギリギリくらいの残業で本も読めなくなる程度の文章能力ではムリムリムリムリカタツムリですね。

逆(?)に、もちろんソ連の強制収容所には比肩しませんが、日本のブラック労働も時に自殺者が出るほど過酷さがあるので、これを文学作品に昇華する人がいずれ出てくるのではないかという予感がしています。

八王子ホテルニューグランド閉館

個人的に郷愁を覚えるニュース
八王子駅の北東、日野に抜ける国道20号線沿いの、浅川にかかる大和田橋のたもとで営業していた「ホテルニューグランド」が11月30日をもって閉館したそうです。
1985年開業ということで、38年の歴史に幕を降ろしました。
何気なく八王子関連のYoutubeを観ていたら、関連動画としてこのニュースがあがってきて驚きました。

さてどうして郷愁を覚えるのかと言うと、リンク先を見てもらえばわかると思いますが、周囲の景色と違和感バリバリのヨーロッパ風建築です。
20年くらい前に八王子の大学に通っていた私は、当時鑓水のあたりのアパートに下宿していましたが、自転車で八王子バイパスの側道を通って北野を抜け八王子市街でよく遊んでいました。
浅川沿いをサイクリングすることもよくあり(八王子市場近くの業スーをよく利用していた)、大和田橋が近付くにつれて見えてくる威容に当時から感銘を受けていました。

いつか泊まってみたいな~と思っていたのですが、就職してからというもの八王子に出張する機会など特になく、ひたすら縁遠くなっていました。
(「ビジネス杉田ホテル」も別の意味で泊まってみたいホテルだったのですが、やっぱりというか案の定、機会は得られませんでしたね…。)

文化財とも言えるような立派な建物は今後どうするんでしょうね?
取り壊してしまうのはあまりにもったいないですからね。

あと八王子の心残りと言えば、料亭「鶯啼庵」(おうていあん)ですね。
夜中の棚卸のバイトをやってたのですが、現場に向かう途上でバンが八王子ICを通るときに、店名が車窓に光るのを虚ろな目でよく見ていました。
そんな思い出を肴に懐石料理に舌鼓を打てる日が来ると良いですね。

パペルブルグへの訪問は数年前に意外なタイミングで果たせたので、いつかは…!と思っています。

最近のオーディオ事情 その参「CDプレーヤーのピックアップ交換」

最近のオーディオ事情の最後の記事です。

KENWOODのDPF-7002というCDプレーヤーを20年来使ってるのですが、最近CDを読み込まなくなって来てしまいました。
その予兆は3月にノラジョーンズのCDを買った記事を書いた頃からあり、実は1STアルバムの「Come Away with Me」が全然再生できなくて難儀していたのです……。
CDトレーを何度か開閉していると、たまに読み込むことがあり(10回に一回くらい)それでやり過ごしていたのです。
CDによってもムラがあり、2NDの「Feels Like Home」はなぜか普通に聴けるときの方が多く、スガシカオの「労働なんかしないで光合成だけで生きたい」も良好でした。
なので、たまたま「ハズレ」の盤を掴んでしまったのかなと、深く考えずにいました。(中古盤だったし)
またCDもすぐにリッピングしてパソコンに取り込んでしまうので、CDプレーヤーで聴く機会というのもまれでした。

ところが、このあいだ久し振りにCDを聴いてみようとしたら聴けない。
難あり盤だと思ってたノラジョーンズのだけでなく、スガシカオのも、とにかく何にも再生できなくなってしまっていました……。
長年使ってる(しかも元々中古で手に入れていた)し、聴けなくなっても無理はないというか、むしろ長年お疲れ様でしたという感じなのですが、さりとて愛着があり捨てるのは惜しいと思いました。
色々インターネットの記事を見てみて、恐らくピックアップ(CDを読み取るレンズの部分)の劣化が原因であろうという感触を得たので、ピックアップの交換に及んでみようと決意しました。

んで、Amazonから取り寄せたのがこれです。

SONYのKSS-213C
もともとCDプレーヤーに付いてたのはKSS-213Bというやつで、その後継種だと思います。
メーカーはKENWOODですが、ピックアップまで自前で作ってるわけではなかったんですね~。

CDプレーヤーの上蓋を外したところ。
このままだとトレー部は基盤の下にあって見えないですね。

基盤を外せるように、出ているバス配線を外します。
パソコンのマザーボードでよく見るバス配線と似てますが、パソコンが配線の先にコネクタが付いていて、基盤側がピンになっているケースが多いのに対して、コネクタが基盤側についていて、配線の先をそのまま差し込むようになっています。
外すときにはコネクタの両端のストッパーをマイナスドライバーなどで持ち上げてロックを解除して引き抜く形ですね。

基盤を取り外すと、トレーが入っている黒いボックス部分が見えてきました。

ボックスカバーを外すとやっとトレーとピックアップが出てきます。
しかしトレーが収納された状態だとピックアップの上に載ってるので交換作業ができません。
なのでトレーの隙間からちょっとだけ見えている歯車をドライバーの先でちょっとずつ回してトレーを動かします。(思えばここが一番難しかったかも……)

ピックアップは棒の部分がストッパーで固定されているだけですね。プラスドライバーでアタマを回すとストッパーは外せます。
あとピックアップの下の方から、紙みたいに頼りないバス配線が出ているのでスポッと抜いてやれば取り外せます。

新旧ピックアップ(←KSS-213C(新)|KSS-212B(旧)→)
グリスが汚いですが、意外とレンズはそんなに汚れてる感じじゃないですね。

交換する前に「ショートランド除去」を行います。
これは回路が静電気で破損するのを避けるため、ハンダで回路をショートさせているんですが、それを取り除く作業です。

熱した半田ごてに下にハンダ吸い取り線を重ねて溶かしてチュッっと。(赤丸部分)
後は元通り組立てて修理完了~。

さて、ドキドキの動作確認ですが……。
オー!! ちゃんとCDが再生できます。
難あり盤だと思ってたノラも、10年以上前に焼いたCD-Rも問題なく聴けました。

が、これでメデタシメデタシかと言うとそうはいかず……。
CDプレーヤーからの光デジタル出力をパイオニアN-50Aに入れてるのですが、そちらの出力を確認してみたところ「無信号」に。
どこで間違えたのかと、閉じた筐体を再び開け、配線を点検していきます。
案の定、コネクタに入れるバス配線が間違っていて、一つの穴に二つの線を入れてる箇所がありました……。
バス配線の端子は長いので、コネクタに挿す際にピッチがずれないように気を付けてたのですが、それでもミスしてたんですね。

再度動作確認を行うと、今度はOK!
元々のCDプレーヤーの機能を完全に回復しました。

もはやレガシーな機器と言えるCDプレーヤー。
たぶん今後買い替えることは無いので、なるべくリペアしながらまだまだ使っていきたいですね。

最近のオーディオ事情 その弐「無垢スプルース材ウッドケース」

以前この記事で、ムック本の付録でデジタルアンプを手に入れた話を書きました。
本の表紙にも載ってますが、50名に特製ケースのプレゼントの懸賞が付いてました。
こういう懸賞って当たった試しが無く、「どうせ当たらないだろうな~」と思いながら送ったのですが、ななななんと当たってしまいました!!
えー、すごいすごい!

実にいい感じです。
さりげさく上面にある「stereo」の刻印がチャーミングですな。
これONTOMOショップで見たら¥14,000もする品だそうでとてもそうは見えない結構なものを貰ったと感謝しております。

最近のオーディオ事情 その壱「バナナプラグ」

この頃は朝晩すっかり冷え込むようになり、冬の訪れを感じます。
今年もはや年末か……と、時の流れの速さに驚かされますね。

仕事で忙しい現場に配属されてしまい、最近はあまり趣味の時間を持てず気が滅入ります。
しかしオーディオ趣味は細々と続けているので、最近のトピックを載せておこうと思います。

まず一つ目は「バナナプラグ」について。
アンプとスピーカーを接続する際には、言うまでもなくスピーカーケーブルで繋ぐのですが、家庭用のアンプやスピーカーはスピーカーケーブルの端のビニール被膜を剥いて、裸の銅線を端子に挟むことが多いです。(下の写真のような感じ)

これで普通に音は出るので特段問題ないのですが、しいて言うなら脱着する時にいちいち端子(ねじ式で挟む場合が多い)を回すのが面倒だったり、裸の銅線を手で触れることで汚れたりする不都合があります。
バナナプラグはスピーカーケーブルの末端をプラグに処理するもので、脱着しやすくなり利便性が向上します。

前々から気になってたのですが、いったんアンプとスピーカーを接続するとそうそう繋ぎ変えないので手を出していませんでした。
しかしこのあいだバイアンプ接続の記事を書いたときに、何度も繋ぎ替えた際に「やっぱり不便だな~」と感じました。
んで巷にはどんな商品が出てるのか調べてみたところ、愛するAmazonベーシックのラインナップにバナナプラグを見つけ、リーズナブルなお値段だったので試してみることにしました。

それがこれ。

12ペア入りで¥1,092(税込み)也~
ちなみに家のオーディオのスピーカーケーブルも、RCAケーブルも光デジタルケーブルもみ~んなAmazonベーシックです。

軸の部分にビニール被膜を剥いた銅線を通し、傘のように広げます。

コネクター部分を被せて、ねじ込めば完成です。

これをスピーカーケーブルの両端に対して行います。
つまり方チャンネル辺り2ペア4本、ステレオだと4ペア8本ですね。
なので12ペア入りでいっぱい入っているようですが、アンプ・スピーカーを複数所有していたら、結構足りなくなることもあるんじゃないかと思います。

バナナケーブルとスピーカーの接続なんですが、実はこれまでバナナプラグが挿せることを知らなかったんですよね。

このようにスピーカー端子の頭をマイナスドライバーで回すと蓋が取れて挿し込み口になるという。
このスピーカーを使い始めて15年近く経ちますが初めて知りましたよ。

接続して音出ししてみます。
ちゃんと良い音で聴こえました。

音質がすごく改善された~とか言うことは無いんですが、接続がスッキリして精神衛生上よいですな。

(昔話)CROSS FMの思い出

つい数日前に、ホリエモンこと堀江貴文氏が北九州のFMラジオ局「CROSS FM」の代表取締役会長に就いたというニュースを耳にしました。
ホリエモンとラジオと聞けばニッポン放送を思い出しますが、今となっては大昔の話で普通の人には「フ~ン」という感じだったと思います。
そもそもCROSS FMなんていうラジオ局、聞いたことないんじゃないかと……。

しかし、北九州に住んでいた私にとっては実に懐かしい名前でした。実に青春の一ページと呼ぶべきラジオ局でした。
もう四半世紀以上前のことになります。

CROSS FMは1993年に開局したFMラジオ局で、最初は米軍放送よろしく洋楽しか流さないような硬派な局だったようです。
しかし急速に社会に迎合して(?)、私が聴き始めた95年当時はふつーにJ-POPもガンガン流していました。

当時私は高校受験を控えていて、少なくとも机に向かっているフリはしなくてはならなかったのですが、机上の友は誕生日プレゼントに買ってもらったAIWAのラジカセCS−P5でした。
それで勉強の傍らラジオを聴いていたのですが、当時北九州に住んでいたので一番よく入ったのがCROSS FMでした。

その頃人気を博していたDJは「JK」こと北野順一氏で、カッコイイ英語と兄貴分の様な親しみやすいトークで中高生のハートを鷲掴みにしていました。
冠番組「北野CLUB」はラジオのゴールデンタイムと言える平日の21:00~24:00枠でかじりつくように聴いていました。
とは言え大昔の話なので、ウィキペディアを参考に思い出しつつ印象に残ったコーナーをお話しすると――。

「CROSS COUNTER」のコーナー
これは似たような二組のアーティストを取り上げて、番組内で双方のヒット曲をかけながら気分を盛り上げ、人気投票で雌雄を決するというものです。
確か「ボンジョビvsヴァンヘイレン」「マイケルジャクソンvsプリンス」「アラニスモリセットvsジョーンオズボーン」とかがあった気がします。
必ず洋楽対決で「オフコースvs安全地帯」みたいなことにならないのが、オシャレであり適度な温度感で良かったです。
私は判官びいきで大抵負ける方を応援してましたね。

「ダブルブッキング」のコーナー
これは要するにラジオ内お見合いですねー。
面識のない男女を番組内で電話を繋いで会話させるというもの。
メインリスナーである中高生同士がたどたどしいやり取りをするのが、聴いているこっちまでムズ痒くなりますが、野次馬根性で聞かずにはいられないです。

当時全国区で人気のあった「赤坂泰彦のミリオンナイツ」と放送時間がぶつかっており(FM福岡でネットされていた)、北野も意識するような発言を繰り返していたので、双方のファンの間に軋轢を生んでいたようでした。
「ダブルブッキング」のコーナーに応募してきてると見せかけて、「ミリオンナイツ聴けー!」と一言叫んでガチャ切りされるという事件(?)があったのを記憶しています。

当時同じくラジオリスナーだった友人と、自転車で浅香通りにあった旧本社スタジオに行ったのもこの頃ですね。
日曜だったので、たしか「ホットワンハンドレッド」という流行曲のランキング番組をやっている最中だったと思います。
オープンスタジオの中から手を振ってくれたのを覚えています。ステッカーも二枚貰っちゃいました。

北野CLUBの前の放送枠で、16:00~21:00でやっていた「POWER STATION」も良く聴いてましたね。
こちらは日替わりのパーソナリティーでした。木曜担当の田中リエさんがキャラ立っていてよく覚えています。
プリンスの大ファンで、必ずプリンスの曲をかけていました。
96年に最初の妻のマイテと結婚した時はショックを受けてましたね。(「どうせすぐ離婚するさ」とやけくその台詞)

その頃、新人アーティストが担当する「ミュージックヴォイス」という深夜番組があったのですが、平井堅とか及川光博、川本真琴なんかがナビゲーターを務めていました。
その縁で及川光博と交流があったみたいで、プリンスのCDを貸したと話していましたね。

POWER STATIONはほどなく終了してしまうのですが、最後に涙声になりながらオンエアした曲はやっぱりプリンスで、当時リリースされたばかりの「イマンシペイション」だったことを覚えています。

「JK」と並んで、当時私たち中高生リスナーを虜にしたDJ
それは福岡吉本の芸人「おたこぷー」
今では全国区となった「博多華丸・大吉」とともに福岡ローカルのTV番組「とことんサンデー」に出演し、「おタコ体操」などシュールな芸風で好評を博していました。
「ハイパーサンデースーパーリクエスト」というリクエスト番組を担当していましたが、ラジオでもその独特な喋りとネタで、北野CLUBのようなオシャレさは無いですが、大人気でしたねー。
でもこちらは勉強しながらBGMとして聴こうと思っても、笑ってしまってそれどころではありませんでした。

博多華丸・大吉は今や全国的に人気者となりましたが、おたこぷーはどうしてるんでしょうか?
おたこぷーに限らず、JK、田中リエさん、その他のパーソナリティーのその後が気になります。

CROSS FMも大学入学とともに上京して以来とんと聴いていませんが、ウィキペディアによると経営母体が何度か変わっているようで、厳しい感じなのかなと思います。
北九州自体が斜陽ですからね……。
ホリエモンがどう考えてるのかは知る由もありませんが、CROSS FMにも北九州にも元気を与えるような経営をしてもらえると嬉しいですね。

スガシカオ「イノセント」

3ヶ月くらい前ですが、ブックオフでスガシカオの「労働なんかしないで光合成だけで生きたい」を500円でGETしたという記事を書きました。
実に素晴らしいアルバムで聴くほどに味わいがあり、今に至るまでよくリピートして聴いています。
それにしても500円というのは犯罪的というか、不当に安かったなと後ろめたさすら覚えます。(初回特典版でDVDも付いてるのに……)

私はスガシカオの長年のファンなのですがー、そう胸を張れないのはほとんどお金を落としていないからですね。
だいたい中古をブックオフで手に入れるか、ツタヤでレンタルしてリッピングして済ませていました。
CDを定価で買いたくないのは、ブックオフをはじめとするリユース店で二束三文で叩き売られているのを見るにつけ「定価などあって無いようなもの」という意識が頭をよぎるからです。

「労働なんか~」(19年)はふだんのアルバム以上に内省的な感じで、派手さは無くて最初は地味に感じるけど、何度も聴いているうちに歌詞の内容とかが生活の端々で思い出されるような、シミジミとした良さがあります。
一つ前のアルバム「THE LAST」(16年)も同じような感じで、スガも円熟の境地に入ったのかなと思わせます。

しばらくは「THE LAST」と「労働なんか~」をとっかえひっかえ聴いていたのですが、次第に新しい曲への渇望が湧いてきたので、今年の2月に出たばっかりの12枚目のオリジナルアルバム「イノセント」に手を伸ばしました。

いちおう見て回れる範囲のブックオフとディスクユニオンを見てみたのですが、「ナシ!」
ここに来て初めてファンらしく新品をGETしようかと決意します。
しかし、どうしても定価¥3,300を払う気にはなれず、Amazonアウトレットで出品されていたものを¥2,673で購入しました。

アウトレットってどんな状態なんだろう? バキバキだったりしないよね……。
と、心配しつつ届いたCDをみるとこんな感じ。

「安心してください!」とばかりに「検品済」のシールが貼ってあります。

ケースの裏を見ると小さなキズが入っていたので、恐らくこれでB級品落ちしたんだと思います。

ディスク自体は綺麗で、読み取り面にも傷はありませんでした。
ブックレットも問題なし。
今回はクリムゾンレッドで統一されてカッコイイですな。

早速聴いてみます。

一曲目の「バニラ」はサディスティックな感情を歌った曲で、前作、前々作にはない挑発的な雰囲気に「おや…」と面喰います。
ファーストアルバムに入ってる「イジメテミタイ」系列の曲ですね。
過去アルバムにしばしば入ってますが、ここ最近は影を潜めたかと思ったら枯れ切れなかったと見えます。

二曲目の「さよならサンセット」はアルバム「TIME」に入っている「June」に似た爽やかかつメロウな曲。
三曲目は……、という調子で一曲ずつ解説していくことは止めますが、12枚も出しているので「前にも聴いたことあるな…」と思い当たるような曲が多いです。
それによって昔からのファンはいつものスガシカオ節を感じ、安心して聴ける面もあるかも知れません。

しかしアルバムを通して聴くと感じるのはスガシカオの「変節」ですね。
3曲目の「叩けばホコリばっかし」、6曲目「バカがFUNKでやってくる」、10曲目「メルカリFUNK」、12曲目「おれのせい」はファンクザウルス名義の4曲。
一聴して「ウッ?!」と思う。
70年代にアメリカで流行った、大人数でガヤガヤとやるファンクミュージックのよう。
これまでのスガシカオの音楽って、ファンキーだけど基本的にはJ-POPだったと思うのですが、これはその枠を飛び越えている。
前二作と内省的なのが続いたのでその反動でしょうか?

もしかしたら3作続けて同じような作品にならないようにという判断なのかも。
でもスガシカオの根暗な曲が好きな人がファンクザウルスのネアカな曲を歓迎して聴けるかな?
私はアルバム通しで聴いている時もこのトラックは飛ばすことが多いですね……。

そしてどうしても一言いいたいのは、8曲目の「東京ゼロメートル地帯」
シっ、シティポップっすか?!
スガシカオ一流のブラックジョーク、だと思いたい。
いや、シティポップは海外から人気が再燃していると聞くし、定額音楽サービスの隆盛を見込んだ一流の戦略なのかも……。

とにかく前二作に対してバラエティーに富む作品になっていることは確かですね。
「このまま枯れるつもりはねぇぞ!」という意思を感じる作品です。

ちょっと今は付いていけてませんが、聴いているうちに「やっぱスガ最高だわ」「ファンクザウルス最高」と言ってるかも知れません。

バイアンプ接続を試してみる

デジタルアンプを手に入れた機会にある実験をやってみたいと思っていました。
それはスピーカーの「バイアンプ接続」

これは私の持ってるスペンドールのS3/5という小型スピーカーなのですが、ポピュラーな「2Wayスピーカー」というやつで、高音を鳴らす2cmのツイーターと低音を鳴らす14cmのウーファーが付いています。
大型のスピーカーだとさらに3Way、4Wayとスピーカー数が増えていく傾向がありますね。

普及帯のスピーカーだと、アンプから出た一対の信号線をプラスマイナスの端子に挟んで音を出すのですが、高級機だとツイーター用、ウーファー用それぞれの端子が用意されていたりします。
それって、スピーカーを鳴らすのに2台アンプが必要ってコト……?!(ちいかわ構文)

「でも一台しかアンプ無いようッ……」って言う人が多数かと思います。
「安心してください、履いてますよ」
って感じで普段はツイーター用とウーファー用の端子の間は銅板(ジャンパー)を渡してショートしてあるので、一台のアンプで問題なく音を出すことができます。

「じゃ何でわざわざツイーター用、ウーファー用に分けて用意しているのッッ?!」
当然の疑問です。
それはアンプを奢って二台で駆動したいというマニアが居るからなんですな……。
いや、二台なんて序の口ジョージで、左右のチャンネルを独立したアンプを使って四台で駆動するなどという狂気すら存在します。

さすがにS3/5のごとき小型スピーカーでそんなことをする人はいませんが、大型フロア型スピーカーなら普通に考えられます。
JBLの5Wayの大型スピーカーを、各ユニットごとかつ左右独立に10台のアンプで鳴らすというキチガイじみた事例も聞いたことがあります。
まさに贅沢の極み。システムの総額は家が買えるほどの値段になるでしょうね。

スピーカーを鳴らした時にピストン運動によって逆起電力が生じ、ジャンパーで端子をショートさせているとそれが他のユニットに伝わって音が濁る。
バイアンプにすることで高音、低音それぞれからの影響の伝播を排除することができる――。

――的な説明をネットで良く目にしますが、恐らく皆さんの眉毛は唾でしとどに濡れていることかと思います。

しかしやらずに否定するのはよろしくない。
もしかしたら意外に目覚ましい効果があり、新しい世界が開けるかも知れません。
前々から機会があったら試してみたいと思っていたのですが、このたび余分なアンプが手に入ったので念願叶って試してみました。

その実験のためにアマゾンで手に入れたのは、AmazonベーシックのRCAケーブル(¥890×2)

アンド、2分岐アダプター(2個で¥629)

これを使って、一対しかないCDプレーヤーのライン出力を2分岐させ、一方は真空管アンプ、もう一方はデジタルアンプに送ります。

今まで製品のおまけに付いてきたようなRCAケーブルしか使ってきませんでしたが、AmazonベーシックのRCAケーブルは太いし端子もシッカリしてて良いですね。
スピーカーケーブルもAmazonベーシックを使ってるし、私にはAmazonベーシックが必要にして十分ですな。

役割分担ですが、デジタルアンプの高音はキツさがあるように思えたので低音側を担当してもらい、真空管アンプは高音側に割り当てました。

デジアンの出力は一対のウーファー用端子(下)に繋がっています。この写真では見えてませんが、真空管アンプからの出力がツイーター用端子(上)に来ています

適当にアマゾンミュージックの曲をかけて、最初は高音側のボリュームを絞って聴いてみました。
この状態だとウーファーからしか音が出ていないはずですが、けっこう普通に聴こえます。

ちょっと調べてみたところ、このスピーカーのクロスオーバー周波数(ツイーターとウーファーの役割分担の切れ目)は4.5キロヘルツということでした。
シンバルとかオルガンとかは例外ですが、大抵の楽器の音域は最高でも4キロヘルツくらいです。
ウーファーの担当音域でカバーできていることになりますね。
この大きなウーファーでも意外と高い音まで出せていることに驚きを感じます。

しかし、古いラジオのようなナローな音です。
この状態から少しずつ高音側のボリュームを上げていくと次第に音が潤い、弾むような生気がみなぎってくるのを感じます。
ただ、最も好ましいバランスを超えて高音のボリュームを上げるとヒステリックで神経質な音になります。

次に低音側のボリュームを完全に絞ってみました。
そうすると、シンバルの音やサ行のボーカルだけがツイーターから小さく出ています。
小さな音とはいえ侮るなかれ、音楽全体の印象を大きく変える作用をするんですね。

音の土台を作るのはウーファーですが、ツイーターは音の質を決める大事な役割を果たしていることが分かりました。
よくオーディオマニアのシステムで、大きなスピーカーの上にチョンとツイーターが追加されて置いてあるのを見るのですが、なんとなくその理由が分かったような気がします。

そんな興味深い実験をしつつ、色々な曲をとっかえひっかえしばらく聴いてみたのですが……。
「バイアンプにしても音は変わらない!」という結論に達しました。
少なくとも私の耳では分かりませんでした。

そして高音と低音のバランスが大事であることを学びましたが、ツイーター端子とウーファー端子をジャンパーでショートさせた時が最良のバランスになるようにできてるんだなと感じました。
なので二台もアンプを繋いでアレコレ腐心するのは、はっきり言って不要かと思います。
まあ、全てのスピーカーについてそうであると強弁することはしないのですが、私のなかではそういう結論ですね。

雑誌の付録でデジタルアンプをGETした話

いやぁ~久し振りにやっちまったなァ……!
久し振りにオーディオに散財である。

「ステレオ」という老舗のオーディオ月刊誌があるのですが、近年では出版不況で紙の本が売れないためか、こういう特別付録の付いたモックをしばしば出しているようです。
オーディオなんていうかさばるものを、雑誌サイズに収めるのはなかなか苦労があるんじゃないかと思うのですが、今回の付録は「デジタルアンプ」です。

“LXA-OT4”という型番で、なんか名義貸し臭い気もしますが、ラックスマンという高級アンプメーカーが設計したものだそうな。
完成品ではなくキットなので、ドライバーとラジオペンチで組立てる必要があるのですが、簡単そうなのでちょっとした電子工作気分で楽しめそうです。

フォローしているオーディオ系のブロガーさんがいるのですが、その方が記事に取り上げているのを見て衝動的にGETしてしまいました。
そのブロガーさんは昔は金満系のシステムで派手に楽しんでいたのですが、今では簡素なシステムに落ち着いている方。
その枯れていく過程に興味があり、記事を読んでいます。

私のなかにもいずれは三桁万円のオーディオをガツン!と買うてやりたいナァ……、という埋火のような仄暗い情念があります。
とは言え、家のローンもまだたんまりある。
一体そんなものをどこに置くの? いつ聴くの??という現実により、実現は程遠いです。

ちょっと脇道に逸れますが、ステレオ誌は大学生の頃よく立ち読みしてました。(20年くらい前)
紙面で紹介されているような高級機はとうぜん貧乏学生の手に届くような代物ではなく、一体どんな音がするんだろうと想像を膨らませていました。

「渡辺篤史の建もの探訪」のオーディオ版みたいな、マニアのお宅を訪ねて自慢のシステムを見せてもらうコーナーがあって、毎回けっこう楽しみにしていました。
主役はオーディオ機器なんですが、そこにステータス全降りして部屋は六畳の和室なんです……、みたいな恥ずかしい姿を開陳するはずもなく、住環境からして隙なく整えていたように思います。
当時はあまり気にしてなかったのですが、並大抵の財力じゃないと成立しないでしょうね。
みんな経営者とか医者、弁護士みたいな高給取りだったのかな……?

しかし時には心に巣食うケモノに餌を投げてやらないといけないので、こういったモックは格好のアイテムになりますな。
さてお値段は¥27,500(税込み)
アレ……、結構お高い。

お高いんですがー、デジタルアンプにはかねてより関心を抱いていました。
マッキントッシュとかの超重い高級アンプと、弁当箱くらいの中華デジタルアンプを目隠しで比較して、遜色ない結果だったみたいな動画がYoutubeに良くあるのですが、見るにつけ「デジタル」カメラが従来のフィルムカメラを葬り去ったように、「デジタル」アンプは旧来の真空管とかトランジスタのアンプを葬り去るポテンシャルがあるのでは?と思います。

ただ実際のところ、遜色ない結果となったのは、聴覚というのが絶対評価を下すことができないイイカゲンな感覚だからだと思います。
もし目隠しでなければ視覚に引っ張られて高級アンプの方が絶対良い音だと感じたハズ……。
イイカゲンである以上、個人の好みの世界なので旧来のアンプも新しいデジアンも市場に混在したまま残っていくでしょうね。

デジタルアンプの大きな美点は消費電力の少なさ。
旧来のピュアオーディオのアンプはたかだか音を鳴らすためだけにアホ程電力を食い、暖房器具のように発熱してきました。
しかもハイエンド製品に関しては消費電力を減らそうなどという殊勝な考えは露ほども無く、熱ければ熱いほどエライと言わんばかりです。
そんな頭ジュラ期のエレクトロニクス製品はサスティナブルとか気取って言っちゃうこの時代にそぐいません!(机を叩く)

ちょっと電卓を弾いてみたところ、今のシステムをこのデジアンで置換すれば、291Wから114Wに約60%消費電力がダウンすることがわかりました。
フルパワーの大音量で聴いてる訳ではないので実際はここまでの消費電力は無いと思うのですが、アンプって結構電気を食いますね……。

キットはこんな感じでパックされてます。

全部出してみたところ。

基盤をアップで

<組立ての様子>

やはり特に難しいところは無く、説明書に従って30分くらいで完成しました。
――ドキドキのスイッチ・オン!

おお! ちゃんと音が出てる。
ボリュームは9時くらいで充分な音量が出ています。

ノラジョーンズとかスガシカオの曲を数曲聴いてみます。
う~ん、高音がキンつく感じがする。

ちなみに従来のシステム

が、こうなりました。

従来のシステムは、なんでこんなに取り回しているんだという感じですが、色々なソース(ラジコ/アマゾンミュージック(パソコン)、インターネットラジオ/サーバに置いた音楽ファイル(ネットワークプレーヤー)、CD)を聴きたいという願望を取り込んでいくとこんな形になっていました……。

何と言うか、今までのシステムの音が芋焼酎だとすると、キンミヤ焼酎のような味も素っ気もないような音ですな。
試しにプリアンプをデジアンの前に噛ませると音が太くなり従来の音にかなり近づきました。
それってさあ、音のキャラクターはプリアンプで作られるってコト……?!(ちいかわ構文)

しかしプリアンプは真空管アンプなので夏場はカンカンに熱くなるためどうしても外したい。
なので外してしばらく聴いているとー、次第に慣れてきて高音のキツさも気にならなくなり、むしろクリアな音で心地良いと思えてきました(単純)
長く聴いていても箱を触ってもぜんぜん熱くなりません。
また聴きたいときにスイッチを入れるだけで聴ける簡便さも良いですね。

そう言えばこれまでは音楽を聴く分には気にならなかったのですが、ラジオを聴いていると男性DJの声が太すぎて聞き苦しいと感じることがしばしばありました。
それが気にならなくなった。
たぶん、というか間違いなく、こっちの方が元々の音に忠実なのでしょうな。

ネットで同じような経験談を探してみるとー、真空管アンプで聴くとコンプレッサーをかけたように音が太く、密度が増して聞こえるという意見を見つけました。
いまに始まったことではないですが、ポピュラー音楽ってラジカセとか(もしかしたら最近はスマホも)で聴くことを想定して、収録している音の大小の差が小さくなるように仕上げているんですよね。
「海苔音源」と揶揄されるんですが、音圧が上がって一聴したところ迫力のあるいい音のように聴こえます。
真空管アンプ特有の音の歪みによって、そういった圧縮効果が意図せず生まれてたんじゃないかと思います。

まぁちょっとこれまで真空管信仰みたいなところがあったのでー、そこを相対的に見れるようになったのは良いことだったんじゃないかと思います。