西参道のバス停で中禅寺温泉行のバスを待っていたのですが、待てど暮せど来ない!
たっぷり10分以上経ってやっと坂を上がってくるのが見えました。
バスの中は超満員で、通路席を出してる人もいれば立ってるひともいます。
わたしはどうにか最後尾の席に腰を落ち着けることができました。
ここから中禅寺湖までは結構距離があり、時間も30分以上かかります。
途中のいろは坂、立ち乗りした人には辛かったでしょうね。
終点のバスロータリーでパスモをかざすと千円弱引かれました。ありゃ、うかうかしてると足りなくなってしまうぞ。
ここから程なく華厳の滝があります。
すぐに湯元温泉行バスが出そうでしたが、一本遅らせてまずは滝を見に行くことにしました。
付近のお茶屋には華厳の滝を一躍自殺名所として有名にした藤村操「巌頭之感」の写真が飾ってあり、不謹慎さにゾクゾクします。
滝には下から見れるようにエレベーターがあるのですが、例によっておマネーを徴取されるので、展望台から眺めるだけにしました。
う~ん、よくあそこから飛び込んだものだ…。
さて、中禅寺温泉バス停に戻り湯元温泉行に乗ります。
バスは中禅寺湖北岸の日光ロマンチック街道を走ります。
湖畔にはおしゃれなペンションやレストランが並んでいていい感じです。
街道は菖蒲ヶ浜付近で湖から離れて、戦場ヶ原方面に向かいます。
すこし進んだ竜頭の滝で降りました。
滝の側には茶屋があり、なかなか良い雰囲気でした。
そのまま上流に向かって歩いていきます。
豪快な流れが目を楽しませてくれます。
竜頭橋まで登るとほぼ平坦となります。
国道120号線を横切って、笹林の中に踏み入ってゆく。
熊出没注意の看板がとってもコワイです…。
竜頭の滝付近とはうって変わって、川の流れは緩やかです。
しかし林の中にはところどころ倒木があり、険しい一面も見せています。
しばらく行くと遊歩道が現れ、同時に視界が開けて400ヘクタールの湿原、戦場ヶ原に入ったことが分かります。
向こう側で雲に隠れるようにしている男体山まで、モヤシのように頼りなげに生えてる数本の木以外は、ずっとスゲやカヤの草叢が続くばかりです。
その風景は茫漠そのもので、心に空っ風が吹くようです。
若木に見えても実は樹齢50年を超えているものも珍しくないそうで、それだけ過酷な環境のようです。
ただ一部で早期の林を形成しつつある箇所があり、そこでは白樺の若木が競うように生えていました。
その景色にはたいへん心打たれるものがあり、来てよかったとしみじみ思ったものでした。
ただ、あまりしみじみしていられないことには、日が傾いてきて空模様がかなり怪しくなってきました。
そこで当初は湯ノ湖まで足を伸ばすつもりでしたが、泉門池付近で折り返すことにしました。
戦場ヶ原を光徳に向かう形で横断します。
かなり焦っていたのでここではあまり風景を楽しむゆとりはありませんでした。
120号線のタイヤの音が聞こえてきた時はホッと胸をなでおろしましたよ。
果せるかな、すぐそばに光徳入口のバス停が。
そして並んでる人がいる!
天に感謝を捧げたい気持ちでした。