港を一通り見た後、最後に遠州灘でも見ておこうと考えました。
海岸に平行して防風林の松林が続いていており、そこは遊歩道になっています。松林沿いにはしらすの加工場が並んでいて、従業員が発泡スチロールの箱を腕に忙しそうに立ちまわっているのが見えました。とにかくしらすの匂いが強烈でむせかえりそうでした。
遊歩道の先には舞阪灯台があり、そこまで歩きましたが残念ながら灯台の中には入れないようでした。
松林を抜けて今切団地の脇を通り過ぎると、海岸との間にとうせんぼをするように浜名バイパスが見えてきます。そのガード下を潜り抜けると遠州灘の白い砂浜にたどり着きました。正午の日差しを浴びた砂丘は目が痛いほど眩しかったです。
砂浜には浜名湖周辺の混雑に比べると信じられないほど人がまばらでした。何人か目に入った人たちもみなサーファーで、釣りや潮干狩りに興じる者はいませんでした。
わたしは波打ち際まで出てしゃがみ、黒い波頭に現れては消えるサーファーの姿をしばらく眺めていました。
その後弁天島に戻り、遊船家でお土産を買いました。しらすや練り物、うなボーン等の乾物です。一部はゆうパックで実家に送りました。
渚園には午後一時に着きました。レンタル料は二日分取られてしまいましたが、保証金は帰ってきました。おじさんはちょっと済まなそうにしていましたが、却っていい思い出になったかも知れません。
塩臭い風を胸一杯に吸って、わたしは帰路についたのでした。