最近のオーディオ事情の最後の記事です。
KENWOODのDPF-7002というCDプレーヤーを20年来使ってるのですが、最近CDを読み込まなくなって来てしまいました。
その予兆は3月にノラジョーンズのCDを買った記事を書いた頃からあり、実は1STアルバムの「Come Away with Me」が全然再生できなくて難儀していたのです……。
CDトレーを何度か開閉していると、たまに読み込むことがあり(10回に一回くらい)それでやり過ごしていたのです。
CDによってもムラがあり、2NDの「Feels Like Home」はなぜか普通に聴けるときの方が多く、スガシカオの「労働なんかしないで光合成だけで生きたい」も良好でした。
なので、たまたま「ハズレ」の盤を掴んでしまったのかなと、深く考えずにいました。(中古盤だったし)
またCDもすぐにリッピングしてパソコンに取り込んでしまうので、CDプレーヤーで聴く機会というのもまれでした。
ところが、このあいだ久し振りにCDを聴いてみようとしたら聴けない。
難あり盤だと思ってたノラジョーンズのだけでなく、スガシカオのも、とにかく何にも再生できなくなってしまっていました……。
長年使ってる(しかも元々中古で手に入れていた)し、聴けなくなっても無理はないというか、むしろ長年お疲れ様でしたという感じなのですが、さりとて愛着があり捨てるのは惜しいと思いました。
色々インターネットの記事を見てみて、恐らくピックアップ(CDを読み取るレンズの部分)の劣化が原因であろうという感触を得たので、ピックアップの交換に及んでみようと決意しました。
んで、Amazonから取り寄せたのがこれです。
SONYのKSS-213C
もともとCDプレーヤーに付いてたのはKSS-213Bというやつで、その後継種だと思います。
メーカーはKENWOODですが、ピックアップまで自前で作ってるわけではなかったんですね~。
CDプレーヤーの上蓋を外したところ。
このままだとトレー部は基盤の下にあって見えないですね。
基盤を外せるように、出ているバス配線を外します。
パソコンのマザーボードでよく見るバス配線と似てますが、パソコンが配線の先にコネクタが付いていて、基盤側がピンになっているケースが多いのに対して、コネクタが基盤側についていて、配線の先をそのまま差し込むようになっています。
外すときにはコネクタの両端のストッパーをマイナスドライバーなどで持ち上げてロックを解除して引き抜く形ですね。
基盤を取り外すと、トレーが入っている黒いボックス部分が見えてきました。
ボックスカバーを外すとやっとトレーとピックアップが出てきます。
しかしトレーが収納された状態だとピックアップの上に載ってるので交換作業ができません。
なのでトレーの隙間からちょっとだけ見えている歯車をドライバーの先でちょっとずつ回してトレーを動かします。(思えばここが一番難しかったかも……)
ピックアップは棒の部分がストッパーで固定されているだけですね。プラスドライバーでアタマを回すとストッパーは外せます。
あとピックアップの下の方から、紙みたいに頼りないバス配線が出ているのでスポッと抜いてやれば取り外せます。
新旧ピックアップ(←KSS-213C(新)|KSS-212B(旧)→)
グリスが汚いですが、意外とレンズはそんなに汚れてる感じじゃないですね。
交換する前に「ショートランド除去」を行います。
これは回路が静電気で破損するのを避けるため、ハンダで回路をショートさせているんですが、それを取り除く作業です。
熱した半田ごてに下にハンダ吸い取り線を重ねて溶かしてチュッっと。(赤丸部分)
後は元通り組立てて修理完了~。
さて、ドキドキの動作確認ですが……。
オー!! ちゃんとCDが再生できます。
難あり盤だと思ってたノラも、10年以上前に焼いたCD-Rも問題なく聴けました。
が、これでメデタシメデタシかと言うとそうはいかず……。
CDプレーヤーからの光デジタル出力をパイオニアN-50Aに入れてるのですが、そちらの出力を確認してみたところ「無信号」に。
どこで間違えたのかと、閉じた筐体を再び開け、配線を点検していきます。
案の定、コネクタに入れるバス配線が間違っていて、一つの穴に二つの線を入れてる箇所がありました……。
バス配線の端子は長いので、コネクタに挿す際にピッチがずれないように気を付けてたのですが、それでもミスしてたんですね。
再度動作確認を行うと、今度はOK!
元々のCDプレーヤーの機能を完全に回復しました。
もはやレガシーな機器と言えるCDプレーヤー。
たぶん今後買い替えることは無いので、なるべくリペアしながらまだまだ使っていきたいですね。