最近とんとん拍子に欲しかった写真集が手に入ったので、これまで眠っていた収集欲が頭をもたげて来ています。
筆頭は、植物写真家として高名な山村雅昭の「花狩」(88年)
出来れば「植物に」(76年)も欲しいですが、市場から姿を消しているとおぼしい。
市場価格も一万五千円くらいとこなれていて、今すぐにでもGETしたいところですが、今月は2冊も買ってしまったのでちょっと自重中。
ところで山村雅昭氏も「花狩」を絶筆に出版前に自殺されています――。
作家も芥川龍之介、太宰治、川端康成と枚挙にいとまがないですが、写真家の自殺率というのも実は高いのか……。
私の写真集収集の趣味は後悔の歴史でもあります。
当時の自分に言ってやりたい。「欲しいと思ったら即買え」
動物写真家の宮崎学さんの「死 Death in Nature」という写真集があります。
死んだ鹿やタヌキが自然に還るまでを克明に記録したものです。
現代の九相図とでも言うべき衝撃的な内容ですが、それでいて不思議と全くグロくなく、自然の調和の美しさに感嘆します。
10年以上前だと思いますが、それをたまたま書店で手に取ってたいへん感銘を受けました。
受けた――、ハズなのですがしばらく忘れており、ふと今になって思い出し調べたら、既に絶版で古書市場ではたいへん高価になっていました。
もう一つ!
水俣を撮ったことで知られている、世界的に著名な写真家ユージン・スミスの助手も務めた森永純の「河‐累影」(78年)
これも10年くらい前になるでしょうか、友達と中野ブロードウェイに遊びに行った際にまんだらけのショーウィンドウに展示されているのを見たのです。
確か¥22,000でした。
ひとりで来ていたら確実に手に取ったと思いますが、大型本なので、友と連れ立って歩くのに手がふさがって不便だと思いスルーしてしまいました。
しかしその後なぜか忘れ、今に至るまで中野ブロードウェイを再訪することもなく……。
大型書店の棚を覗けば数多くの写真集が並んでいます。
時の経過とともにその後プレミアムが付くのか、特に何も無く忘れ去られるのかは分かりませんが、定価はある意味バーゲンセールの値札のようなもの。
もしも少しでも心に残る本があれば、迷わずGETするのが良いでしょう。
たぶんそれは一期一会の出会いです。