写真家、清野賀子の写真集「THE SIGN OF LIFE」を入手しました。
以前、須田一政のTwitterアカウントでツイートされているのを見て興味を持ち、ネット上で見れる作品を見るにつけ、その静謐さに惹きつけらるようになりました。
17年に東京都写真美術館に見に行った「TOPコレクション 東京・TOKYO」にも彼女の作品は収録されていました。
しかし何の印象も無かった……。押しつけがましさというのが一切ない(言い換えれば「地味」?)作風ですね。
清野さんは09年に亡くなっていて、生前遺した写真集は2冊のみ。
一冊目はこの「THE SIGN OF LIFE」(02年)、二冊目は「至るところで 心を集めよ 立っていよ」(09年)
もともと定価7千円の「THE SIGN ~」ですが中古市場では結構な高額になっていて、Amazonなんかで見ると複数の出品者から4万円台を最安として15万円~150万(?!)など無茶苦茶な値付けがされていました。
たぶん150万は桁を見間違えてポチるのを期待しているんじゃないかと思います……。
4万円でも高価に過ぎるので一年以上様子見していたのですが、ある時2万円台で出品者が現れたので、光速でポチりました。
「本当に届くのか? 状態は綺麗なのか?」と届くまで不安でしたが、美品が届き大変満足しています。
人物を撮った写真は一枚も無し。
写真集の形も珍しい横長なのは全ての写真が横向きだからですね。
01~02年の間に日本各地を中判カメラで撮ったものが収められています。
中判だからか、どの写真も精緻で美しいですね。
どこにでもあるような、殺風景な眺めが大半を占めているのですが、それでいて印象深く、心が澄むような静謐な感情を覚えるのはなぜでしょう?
国旗のような画面の分割パターンが目に付きます。
その絵画的な構図の安定感がそうさせるのかな?とも思います。
画面に見られる静かな美しさは、清野さんが心の平安を希求していた表れなのかなと、事情もよく知らないのですが思い巡らしてみたりもします。
読んで、二冊目の「至るところで~」もぜひ手に入れたいと思えてきました。
しかし今の市場価格はちょっと手が出ないので、気長に機会を待とうと思います。