涼しくなってきましたね。
この頃はインフレの話題がよく聞こえるようになってきました。
その一因は円安にあって、年初は1ドル=115円くらいだったのが、今や145円くらいになっていて30円も下落しています。
つまりドルに対して円の価値が2割くらい減ったことになりますね。
その分輸入品の値段が上がったことが物価高を後押ししています。
詳しいことはよく知らないのですが、アメリカではインフレが凄い勢いで進んでいるそうで、インフレ潰しのために金利を上げたのが原因だそうです。
日本はずっとゼロ金利政策を取ってるので、円を銀行に預けていてもちっとも金利が付きませんが、ドルに替えて預けておけば金利が付くのでドルの人気が高まった、ということではないかと思います。
景気が悪いときに金利を上げると景気がさらに悪化するそうなので、日本はゼロ金利政策を続けざる得ないだろうという観測からか、円安ドル高傾向は一方的に進んでいました。
私の預金は特に増えても減ってもいないのですが、世界的に(ドルの世界から)見ると資産が2割も減ったとなると、何だか歯がゆいような気がしています。
そこでふとFXで、円をドルに替えて持っておけば円安でも資産を目減りさせずに持っておけるのではないかと思い、どんなものか調べてみることにしました。
「FX」と聞くと、2ちゃんねるの阿鼻叫喚コピペが恐ろしく「手を出してはいけないもの」というイメージが強いです。
貯金を全て溶かしたとか、魔が差して集金したお金を入れてしまったとか……。
そういう「名作」(?!)は09~13年頃にカキコされたものが多い印象です。
レバレッジが規制されてギャンブル性が下がったからか、爆死コピペを見て警戒するようになったのか、はたまた仮想通貨とか別の戦場に移動したのか分かりませんが、近年はそんなに盛り上がっている印象は無いですね。
いきなり口座を開いて「実戦」というのは怖すぎたので、デモトレードが出来る証券会社を探すといくつかあり、デモの期間が無期限の楽天証券が良さそうだったので申し込んでみました。
デモは500万円の元手が与えられていて、実際の値動きに沿ってトレードしてどれだけ増やせるか試すことができます。
トレードツールはパソコン用とスマホ用があり、どちらも入れてみましたが、パソコン用はいかにもプロ御用達という感じで、良く分からない画面やボタンがいっぱい並んでいて厳めしい感じです。
スマホ用はさすがにシンプルで、ゲームのようなお手軽さがあり、こんなので大金を動かすということが逆に怖くも感じます。
8月頭からポチポチと遊んでいて、今のところ収支はプラス3万円くらいです。
デモなので思い切って大きく張ればいいのですが、どうも小心者でいつも数千円のトレードに終始してしまいます。
私のトレード法(というほど立派なものではないですが)は、1時間足を見て順調に上がってる(または下がってる)ように見えたらトレンドに沿って売り買い(1,000~10,000通貨)し、数千円の利益が出たら手仕舞いするというものです。
逆に含み損になったら、しばらく様子をみてプラスに転換しないか、もしくはちょっとでも損が減ってくれないか見極めます。
つまり、含み益が出てる時はすぐに決済し、含み損の時はグズグズと決断を遅らす傾向があるということですね。
これは「損失回避バイアス」としてよく知られている心理状態で、トレードを失敗させる要因とも言われていますが、実によく当てはまっていますな……。
それにしても9月は激しい値動きをした月でした。
下は9月13日のドル/円の動きです。
21:30ごろから30分程度で142円から144.4円へと2円以上も急騰しました。
もう一つ同じ時間のユーロ/ドルです。
ユーロとドルのどっちが強いかでトレードするものですね。どちらも自国通貨でないので、どのくらい儲かってる(損してる)のか感覚的にいまいち分かり辛いのですが、上昇下降のトレンドがドル円より分かりやすいように感じていたので、このころ触っていました。
この時は円に対してもユーロに対してもドルを売るというポジジョンを取っていました。
冒頭で言っていた話(円安ドル高に乗る)と違うようですが、スマホでポチポチやっていると、どうしても目先のトレンドに乗りたくなってしまい、そうしてしまいました。
下がその時の決済履歴です。
9月9日に仕込んだのですが、軟調だったので、週をまたいでポジジョンを持ち越していました。
この間に思いもよらぬ急激な値動きがあったりしたら――、怖いですね。
それでしばらくウォッチしていたのですが、20時ごろに薄く利益が乗ったのでドル円、ユーロドルともに決済しました。
そしてその一時間半後に突然のドル急騰が!
危なーーい!! ぽけーっと放っておいたら4万円くらいの損失を出すところでした。
何でこの時間にこんなに沸いたのか? 理由は良く分かりません。
たまたま直前に決済したので偶然難を免れました。
次は9月22日なのですが、今度は逆にドルが急落しました。
理由ははっきりしていて、日銀砲をぶっ放したからですが、この日シルバウィークで有休を取ってソファーにぐで~っと横たわってスマホをポチポチしていた私は、市況ニュースなど一切見ずに、トチ狂ったかのようにドルを買っていました。
しかし、ななななんとドル/円は17時から21時くらいにかけて145.7円から140.7円へと一気に5円も急降下したのでした。
下が17時台を拡大したものですが、狙ったように天井で掴んだのはどういうことなんでしょう……。
しかし天性のチキンさが幸いしたのか、1,000通貨の様子見のトレードでした。
あれよあれよと膨らんでいく含み損(1,000通貨のトレードで出る損ではなかった)に、「こりゃ何かオカシイ」と慌ててYahoo!ファイナンスあたりを覗くと、お祭りになっていました……。
慌てて反対に10倍の玉数でドルを売ると面白いように含み益が乗り、先の含み損を帳消しにしました。
が、怖くなり(チキン!)いったんバスを降り、利益確定します。(オレンジの線)
「さすがにそろそろ反転するんじゃないのか~」と様子見をしてみても下降は収まる様子が無いので、おかわりのドル売り(ピンクの線)
これもビビリですぐに売りますが、含み損を超える利益が出たので観念して最初のドル円ロングを決済しました。
お陰で狙ったような天井掴み底叩きを実現しました。
う~ん、まんま損失回避バイアスが表に出ていますね……。
これが9月22日の決済履歴ですが、5円も落ちる大相場の割には3,810円のうっすい儲けって何なんでしょう……。
今回の相場で身代築いた人もいたでしょうに(ヤバイ発想)
しかしながら冷静に考えると。
FXのように市況がチカチカとリアルタイムで更新されるのを見ると、どうしても射幸心が煽られギャンブル的なトレードになってしまうものだと思います。
そこでは心の弱さがもろに表れて、ゆくゆくは阿鼻叫喚コピペの様な世界に突入していってしまう恐れがあります。
なので、私のような素人はFXはデモで留めておいた方が良いということが良く分かりました。
もっと心穏やかにコツコツと投資できるものが良いです。
そう「積立NISA」みたいな――。
この後半は「積立NISA」に続く……、かも?