このあいだ、平日にお休みを取って、久しぶりに恵比寿の東京都写真美術館に行ってきました。
とろけそうに暑い、良い天気の日でしたが、美術館の中は涼しく、コロナの影響かたいへん空いていました。
降って涌いたような休日だったので、お目当ての展覧会があったわけではなかったですがー。
前に来たのはもう3年半くらい前ですね。その時は「TOPコレクション 東京・TOKYO」を観ました。
今回やってたのは「森山大道の東京 ongoing」と「あしたのひかり」展。
森山大道は著名な写真家ですが、あんまし好みでないので「あしたのひかり」の方のチケットを購入します。
「あしたのひかり」展は日本の新進作家vol.17と銘打って、5組6名の写真・映像作品を展示するものです。
展示場は閑散としていて、入って最初のブースは私以外誰もお客さんがいませんでした。
鑑賞に集中できてたいへん結構ですな。
最初の作家さんは岩根愛。
なにか宙に浮かべたような不思議なディスプレイで写真が並んでました。幻想的な感じの作品でしたね。
途中カシャカシャ音がしてなんだろう?と思っていたらスライドフィルムが回っていて、何の説明も無いので分からないのですが、写真だけで想像するに、おばあちゃん子が育って、バンドマンと付き合ってヤンチャして、色々あって死んじゃって、最後におばあちゃんが残される?みたいな謎の作品でした。
その後はハワイの日系人のドキュメンタリーを壁に映写して流していて、それ自体はなかなか良い内容だと思ったのですが、最初の写真と次のスライドとこのハワイが何の脈絡も無く感じられてしまい、なかなかに謎感の強い展示でした。
次は赤鹿麻耶さん。
これも謎でしたね。
中国のどこかでやってる氷の祭典に参加して、氷の女王様になるみたいな内容なのですが、写真だけでなくその女王様のデザインのラフとか旅のメモとかも作品として展示していました。
自作のポエムを延々とリピートで流していて、「黒歴史にならない…?」と心配してしまうような危うさを感じました。
次は菱田雄介。
紛争地帯とかをテーマにしたルポ風作品。
写真を趣味にしている人からすると親しみやすい王道ですね。
ただ映像作品もあり、それは立ってこっちを見てるだけの人を固定のアングルでしばらく映しているというもの…。
謎だ…。
お次は原久路&林ナツミのコンビ。
おおー! 良いですね。
展覧会のポスターにも選ばれていますが、一言でいうとハヤオ・ミヤザキ的感性に強く訴えかける作品。
iPadでメイキング映像が流れていて、そこには楽しそうに少女を撮る原先生の姿が…。
最後は鈴木真弓さん。
写真屋を営んでいた実家が東日本大震災で被災してしまったそうで、ご尊父の遺品のカメラや津波でボロボロになってしまった写真が展示されています。
―――お気の毒にという言葉しか浮かびません。
展示数がそんなに多くなかったので、トータル30分くらいで回れてしまいました。
う~ん、これなら森山大道のチケットも買っておいたほうが良かったかも?
辛口のようですが、何かとっちらかった印象が残ったので、映像に頼らず写真だけで勝負したほうが良かったのでは?と思います。