通勤について

だいぶご無沙汰していました…。
夏~秋口にかけては仕事がかなり多忙で、なかなか自由な時間を持てませんでした。
10月末で別業務に異動することとなり、その引継ぎ作業やらで忙殺されていました。今のところは異動後のバタバタも一段落ついて、仕事の上では割と余裕が持てています。

しかし、異動したことで勤務地も変わり通勤時間が大幅に長くなってしまいました。
これまでは川崎だったので、片道30分くらいだったのですが、およそ3倍の一時間半ほども掛かります。
東急東横線で渋谷に出て、京王井の頭線に乗り換えて吉祥寺まで行き、そこから更にバスに乗ります。

朝の東横線はヤバい…。
初日にいきなりもみくちゃにされ、強烈な洗礼を浴びさせられました。
京浜東北線だと運良ければすわれることもありましたが、東横線だとまぁ千に三つといったところでしょうか。
各停なら菊名で始発待ちすれば座れないこともないと思いますが、東横線のほぼ端から端まで乗るので、ただでさえ通勤時間が長いのにそんなに時間をかけたくないなーと思います。

仕事は余裕が出てきたのにこの路線のせいでストレスが異常ですよ…。
ニンゲン…、ヤバい。
みんな善男善女みたいな顔しながらグイグイ押してきます。
例えば、座れないまでもどこかの吊革にやっとしがみついて、目の前の網棚に鞄を置くじゃないですか。そうしたら、その吊革の真下は紛れもなく「私の場所」の筈――。それが通じない。
ヒヨシあたりから金型に流し込まれるようにゾロゾロ乗って来た乗客が、人の法よりも液体の法則に従ってグイグイ押してきます。
無論その前から車内は満員で、隣の乗客との隙間なんて無いんですよ。
それを知ってか知らずか「自分さえ乗れれば後は知らねー」とばかりにエゴ丸出しで押してきます。
しかし、吊革はこの1ダースもの成人病を抱えた東京という中年の硬化した動脈を流れるコルステロールまみれの血液を泳ぎ切るための「浮き輪」なので、どうしても手放す訳にはいきません。
なので生き汚く吊り輪にしがみつきながらバナナのように身体を曲げて、何千人ものエゴイストを満載した箱に揺られて渋谷を目指すことになります。
渋谷駅に吐き出された後はもうボロボロですよ…。

いったい誰もこんな状況をおかしいと思わないのでしょうか?
自由が丘だ、田園調布だ、ナカメだのとハイソを気取っておいて、その実は毎朝押し合いへし合い、息も吐かせぬほどの混雑の中で、他人も「自分自身」もの尊厳を踏みにじっていることに気が付いていないのでしょうか?!?
今世紀後半では、旧ソ連のラーゲリよろしく日本民族の心に後ろ暗い記憶として刻まれていること請け合いですが、「今」それを公然と指摘できる人はいないのですか?
それとも私が日本のソルジェニーツィンにならなければならのいのでしょうか――。

とまぁ、変なことを考えるくらい辛いものがあります。
こんな環境でもたくましくスマホをいじってる人がいますがー、私には無理ですね。だいたい音楽を聴くか、録音していたラジオを聞いてやり過ごしています。
二週間くらい通勤して分かったのは、とにかく車両の奥に行くことですねー。
入口近くだと乗降客の流れに洗濯機の中の靴下みたいにモミクチャにされます。
車両の中央、もしくは連結部のそばにまで行ければ人の流れが少ないので無難にやり過ごせます。液体の法則ですね。

しかしそんな思いをして辿り着いた渋谷も単に中継監獄(注:ソルジェ用語)に過ぎない…。
東急渋谷駅は地下深くにある(なぜ?)
そこからわざわざマークシティの上にある京王線の改札まで移動しなければなりません。その道順が迷路過ぎて何度間違えたことか…。もう慣れたので大丈夫ですが。
慣れないのは遠さ!
地下5階(?!)の東急の改札から、地上2階の京王まで毎日7階分の移動ですよ?!
それに加えて人の多さ。
とちゅう半蔵門線からJRに乗り換える人の流れが京王線を目指す流れと直角にぶつかるため、その「大河」を毎回渡航しなければならず辟易させられます。
例によって液体と化した連中は「絶対通らせないぜぇー」と言わんばかりに距離の詰まった行列を形成し、人間らしさを失った横目でこちらを白眼視してきます。
その進化しすぎたゴジラみたいに八心室もある心臓を流れる憎悪を運ぶ赤血球を押し分けて向こうに渡るわけですが、ここでもコツが…。
それは白刃を晒して凄む――。ではなく、いったん列に並び流れに同化しつつ徐々にスライドし反対側に抜けることです。ただ、急いでいる時は本当にイライラしますね。

マークシティの2階まで上がると改札まではぶわ~っと道いっぱいに広がった人の流れと逆行して進むことになります(これもまたシンドイ)
しかし、上りと下りでこうも掌を返すみたいにと感心するのですが、吉祥寺行の井の頭線は激空きです。
改札に近い5号車は駆け込み客で混むことがありますが、先頭車両に行くほど空いていて、座れないことはまずありません。私はだいたい端の席を確保して居眠りをキメ込んでいます。超絶圧縮の東横線の後だけに癒されますねー。
不満と言えば私が利用する8時台は何故か各停しかないため無駄に時間がかかる点ですが、まぁ目をつぶろうという気になるいっときのオアシスです。

吉祥寺からはバスとなります。
5分間隔くらいで出ているので、いつもそれほど待たずに乗れるのですが、ここでもやっぱり超満員です。
これが2、3駅くらいだったら歩くのですが、わりと結構あるんですよね。
ただ歩いて出勤してくる人もいなくもないです。
バスは乗車時の先払いなので近距離だともったいない気がしなくもないです。
慣れてきたら運動不足解消のため歩いても良いかも知れませんね。