真空管ラジオ製作

こないだの投稿から間が空いてしまいましたね…。
GWが終わってから急に忙しくなり、真空管ラジオ製作の進捗を報告できてませんでした。
実はとっくに完成しています。
その一部始終を記していこうかと思います。

その日(5月5日こどもの日)決意とともに目を覚ましました。
遅めの朝食を済ませた後、作業机に腰を据えます。
右手にハンダごて、左手にニッパー、右耳の上にドライバー、左耳に六角レンチ、鼻と上唇のあいだにテスターの端子を挟みます。
で、気合を込めて回路図を凝視してみたのですが、う~んサッパリわからん(!)
とりあえず完成イメージを掴むために主要なパーツをシャーシ上に配置してみました。

最初は作例の写真や実体図を極力見ないで作ろうと思ってたのですが、こりゃムリだわ~と諦めました。
むしろそれらを見てもよくワカラン部分が多々あり、持てる情報のすべてを駆使しなければ完成はおぼつかないことが明らかになりました。

作成は以下の順に従います。

  1. アース母線の張り回し
  2. 真空管のセンターピンのアース
  3. ヒーターの配線
  4. 電源回路の配線
  5. 低周波増幅回路の配線
  6. 中間周波増幅回路の配線
  7. 周波数変換回路の配線

なんのコッチャでしょうが、ボリュームを上にしてシャーシをひっくり返した時に、左から右に配線していく感じです。
なのでまずはアース母線張りから着手します。
これは余分な電気を逃がす線で、強い電圧はかからないので腕慣らしにぴったりなイージー作業なのですが、緊張で腕が震える…。
続いてアース線を真空管のセンターピンに通し、3番のピンにハンダづけする。
ちなみにここまでで3時間半くらいかかりました。

ヒーターの配線。これでやっと電圧のかかる配線です。
とは言えもっともイージーなので1時間ほどで完了。
ここからが本番です。
トランスで昇圧した電流をダイオードと電解コンデンサで整流する部分を作ります。

ここが最初のチェックポイントで、電気を入れてちゃんと電圧が出てるかテストします。
ダイオードと電解コンデンサにはプラス・マイナスがあり、間違えて配線していると最悪破裂する恐れがあります。
祈るような想いで恐る恐る電源を入れました。
「……」
どうやら間違ってはいないようです。

しかし、テスターで電圧を測るとどうもオカシイ。
ヒーターには6.3V、プレート(5番ピン)には260Vくらい掛かっているはずが、どちらも半分ほどしか出ていませんでした。
テスターが悪いのではないかとすら疑ったのですが、無論悪いのは私。
トランスの配線を間違えていました。
なので一度つけたハンダを溶かして再び付け直しました。
果せるかな…、もう一度測ってみると。
おー! ちゃんと設計通りの電圧が出ていました。
やはり機械は嘘をつかない、間違えるのはニンゲン。素直に間違いを認める姿勢を大事にしたいものです。
などと反省しているうちに、上記のロスもあり、作業開始から6時間ほど経過していました。

ここから作業はぐっと難易度が高くなります。
真空管6AK6と6AV6のソケットピンの配線を行います。
狭いソケットの上を跨ぐように配線するので、じつに細かい作業で神経を使いました。
6AK6はスピーカーを駆動する電力増幅を行う球。6AV6はその一つ手前の「検波」という、搬送波を取り除いて信号波を得る球です。

配線を終えてソケットに真空管を差し込み電源を入れます。
スピーカーから「ブーン」という雑音が聞こえてきます。
ボリュームをひねってその音が大きくなればとりあえず成功なのですが、どうか?
ーーOK!
先の失敗もあり慎重に作業したおかげで、このポイントは無事パスしました。
しかし4時間ほどかかりました。朝からだと10時間経過しています。
何も口にしていなかったので、ここでブレイク。

さて、今日はここまでにしようか、それともこのまま続行しようかと迷います。
進捗は6割ほどなので、続ければ日を跨ぐこと間違いなしです。
止めようかな…、とも思いましたが、まだ気力充分、何より一刻も早くラジオから音が出るのを聞きたかったので続けることにしました。

中間周波増幅回路(6BA6、IFT-B)の配線に着手。
ここからは本気モード(?)なので、写真を全然撮っていません。
ここは2時間くらい掛けたかな?

最後の球、6BE6とIFT-A、局部発振器まわりを配線します。
6BE6は何と7極管!
アンテナから入った信号を局部発振器の信号と混合し、低い周波数に変換するという複雑なことを行う球です。
しかし作業も大詰めといったここで大トラブル発生!
20kΩの抵抗が見つからない。
よくよく回路を眺めたところ、50kΩの抵抗と間違えて低周波増幅回路に使ってしまっていた~。
やはり長時間の作業で集中力が低下していたか…。
しかしどうしようもない、一度配線した20kΩの抵抗のハンダを溶かして50kΩのに付け替えました。
タコ足のように他の線も繋いでいたので、冷や汗ものの作業でした。
しかしどうにかやり遂げ、シャーシ下の配線を終えます。

これで終わりーー、かというとそうではなく、最後にコイルアンテナとエアーバリコンの配線が残っています。
要するに信号の出口(スピーカー)から、入口(アンテナ)という向きに配線を行っていたのですね。
だがこれが最後の難関であった。
というのも、コイルアンテナやエアーバリコンはシャーシの上に付いています。
ところが写真や実体図はシャーシの裏側のものしかないので、回路図を頼りにするしかないのです。
しかし実力がないので全く自信が持てず、ネットで同じキットを色々な角度から撮った写真を色々と収集してやっと配線を決めました。

遂に配線完了!
時計の針は午前2時を回っていました。
途中ブレイクしたものの、朝から16時間もの作業となりました。
もうフラフラです。

とは言え、実際にラジオが受信できなければ完成とは言えません。
「どうか…」という祈るような気持ちで電源を入れます。

真空管に灯が点るとスピーカーからかすかな雑音が聞こえ出します。注意深くチューナーのダイアルを少しずつ回します。
12時あたりに来たところで大きく、鮮明な音声が再生されました。TBSが入りました!
さらに1時方向に回したところ文化放送を受信!
やったー!!

ボリュームを上げてさらに綿密に確認したところ、NHK(第一か第二かは分からず)、英語の放送(たぶん横須賀米軍の)が確認できました。
しかしどちらも感度は低く、日中だとまったく聞こえません。
実用になるのはTBSと文化放送の2局だけですねー。ちょっと寂しい。

音はデジタルオーディオと比較するとノイズが多いですが、人の声なんかはわりかし自然な感じで聴けると思います。
音楽も低音とかは全然出てませんが、意外と聴けるなと思うこともあります。
自分で作ったので贔屓目の塊りですがー。
つぎは他局も聴けるように感度を向上させるべくアンテナとか自作したいなと思っています。

真空管ラジオ製作(前哨戦)

このあいだGWに真空管ラジオを作りたいと書いてたわけですがー。
本とかも読んでみて、材料を一から集めるのはちょっと無理そうと思われたので、キットを注文することにしました。
札幌に「ラジオ少年」というNPO法人があって、学校教材としてラジオのキットを製作してます。
そこで出してる4球スーパーラジオ「4S-STD」を取り寄せました。

「スーパーラジオ」は「スーパーヘテロダインラジオ」の略です。
なにやらやたらといかつい名前ですが、「スーパー」も「ダイン」もあまり深い意味はなく、「周波数混合(ヘテロ)」するラジオという意味です。
4球というのは真空管を4つ使ってること指します。
本当はこの方式では5つ使うそうですが、このキットは整流管をダイオードに置き換えてコストカットしています。

さて気になるおプライスですが、定価2万円です。
が、秋葉原のショップに卸しているものを注文したので、プレミアムなのか一割五分ほどプラスされてました。まぁ送料と考えて…、も高いか。
これが5球スーパーラジオだと2万5千円となります。
う~ん、学校教材としてはかなり良い値段だなァ。

真空管とご対面!!
パッケージが古色蒼然としていて、もうスゴイ。
一体どのくらい前に作られたものなんでしょうか?
そして本当に動くのか不安です。

いかにも教材らしく抵抗やコンデンサーが厚紙に貼ってあって分かりやすい!
本当はカラーコードとか読めるようにならなきゃいけないんだろうけど。

さて、早速取り掛かりたいところですが、GW前半はちょっと立て込んでいるので、ぐっと我慢でちょっと置いておきます。
たっぷり二日は掛かるのではと踏んでいます。
そこで前哨戦としてスピーカーを先に作ることにしました。

このラジオキットにはスピーカーユニットが付属しています。
ダイトーボイスの“F120C85-1”というもの(上の写真の真ん中)
いかにもラジオ用という感じの安っぽい代物(販売価格は二千円弱くらい)ですが、意外やネットでの評判は良いようです。
しかし箱は付属していない。
裸のまま使う訳には行かないので、けっきょく秋葉原に足を伸ばしてスピーカーBOXをGETしてきました。
同じくダイトーボイスの“SV-7S(12cm用)”(上の写真の右)

入らない~~~ンッッ!!!!
そうなんである。
入らないんである。
同じダイトーボイスなのに! 12cm用と謳ってるのに!!
これは裏切りでしょう。

とは言えゴミにするわけにもいかない。
まさしくD.I.Y(己でなんとかする)時が訪れたのです。
気を取り直して「島忠」に向かい、穴を広げるための引廻し鋸をGETしました。
そして風呂場でギコギコと穴を5mm程外に広げます。
材質はパーチクルボードなので、切るというより砕くという感じです。
恐ろしいほど埃が出るので風呂場以外での作業はあり得ないでしょうね…。
最後は紙ヤスリで滑らかに仕上げました。

う~ん、多少デコボコしているがどうかーー。

入ったッッ!!

ユニットを木ねじで固定して、内部の配線を行います。
久しぶりにハンダ付けをしたので緊張しました。
出来栄えは、ウ~ン。
まぁ見えない場所だしいいか。

中には吸音材をいっぱいに詰めます。
スピーカーBOXに付属していたのは黄色いグラスウールだけですが、足りないと見て、別の吸音材も島忠で手に入れました。
この白いの何だと思いますか?
アクアリウムのコーナーにあった、水槽の濾過フィルターです。

後ろの蓋を閉じて完成。早速音出ししてみます。
アンプに繋いで、ボリュームをひねる。ドキドキの瞬間です。

おー!
出ました。やった!
しかもちゃんとした音。フルレンジらしい素直な音です。
低音はほとんど出ませんが、ラジオ用としては充分でしょう。

いや~、いきなり大変でしたが、手のかかる子ほど可愛いではないですが、やはり愛着を覚えますね。
とは言え本戦のラジオ作成はトラブル無く行って欲しいと切に願うばかりです。

今年の桜

GWですね…(3日目)
今年は9連休の人が多いんじゃないでしょうか?
私も幸い忙しくなく、休みの島をブリッジする感じで有給が取れました。

今日は普段あんまりやらないキッチンとか、玄関、お風呂場の掃除をしました。
入居以来一度も開けてなかったキッチンの換気扇カバーを外して…。ギャー!!
油と汗まみれになって奮闘しましたよ。あー、くたびれた。
しかしまだベランダと窓掃除が残ってるんだよなぁ…。

それにしても羽が生えたかのように飛び去った4月。
どうやって過ごしてたのでしょうか?
ブログ更新しなきゃなぁ…、とかボンヤリ考えてたものの、なんだかバタバタしてるうちに終わってしまいました。
4月と言えばお花見ですが、なんか週末に限って天気が悪く、ちゃんと撮る機会を逃してしまいましたよ。
そんな中でも、出掛けたついでに撮れたものがいくらかあるのでUPしてみたいと思います。

これは3月末に友人と上野に花見に行ったときに撮った長明寺の枝垂桜です。
上野公園はまだ全然だったのですが、谷中を歩いていると良い桜に出くわしました。
有名な桜らしく、観光客で賑わっていました。

これも同じ日に撮ったものです。
日暮里にほど近い本行寺です。
駅前のタワマンをバックに。

これは上野公園の入口あたりで撮った夜桜です。
残念ながらこれくらいしか見るべきものはなかった…。

これは翌週くらいに用事で杉並に出かけた際に撮ったもの。

同じく杉並で、神田川の桜。

ほぼ満開の桜。
そう言えばこのちょっと後で、杉並で粘着テープで縛られた遺体が発見される事件があったな~と不吉なことを思いだします。

ほころびかけの桜。
ただこの日はどこまでものどかな一日でした。