最近思うこと

連休中ですが厳しい暑さが続いています。
そう今日関東甲信地方の梅雨明けが宣言されました。
これから本格的な夏がやってくると思うと体力が心配です。

さてこの間、ギリシアのお酒ウーゾを紹介しましたが、結構活躍しています。
うだるように暑いときにはあの歯磨き粉のような強烈な清涼感がむしろ好ましく感じられます。

ところでギリシアはこの間まで国際的な話題の中心でしたね。
わたしはノンポリだし、知識もないのですが思うところがあるのでちょっと記しておきたいです。

紆余曲折あって結果的にEUの緊縮案をほぼ飲むようで、なにやら一見落着メデタシメデタシの感がありますが、一体あの国民投票はなんだったんだ…? 「反対」に投じたギリシア国民が可哀相です。

「今までEUの金で楽をしてきたんだから当然の報い」という意見もあります。「アリとキリギリス」になぞらえる人もいます。
実は最初はこの「アリとキリギリス」の構図はわたしのお気に入りで、怠慢なギリシア人に「天罰」が下るのを大いに期待していたのです。
しかし次第に違和感を覚えるようになってきました。

インターネットでこのギリシア問題について検索すると、多くの掲示板上の討論を見つけだすことができます。
いくつかそれらの討論を読んでみて、ギリシアに対するあたかも制裁のような緊縮案を支持する意見が大勢なのを見出だしました。
ギリシアに対する非難は激しく、最初わたしは美しい音楽を聴くようにうっとりとしてその非難を読んでいました。

しかし次第に(おそらくは自己満足の念が高まりすぎて自家中毒をおこしたのでしょう)気持ち悪くなってきました。
多くの意見が「アリとキリギリス」的枠組みを一歩も出ないものでした。それはイソップ童話を習った幼少期の心を慰撫するものでした。

現実の世界はもっと複雑で割り切れないものです。
わたしの思うにギリシアの人々に(キリギリスのように)遊んでいるという感覚はなかったはずです。
それどころか真面目に、勤勉に働いていると思っていたはずです。

ある日本人と東南アジアの人が同じ仕事をして、手にする額に数倍の開きがあったとしましょう。
でもそれはその日本人が特別に勤勉だったからではなく、また東南アジアの人が怠惰だったからでもなく、単に円がその国の通貨に比べて強いからです。
ドイツとギリシアも同じことです。
ただ両者とも同じユーロなので、その差額を借金して埋めていたのです。

本来は複雑な議論が、まるで童話のように単純化されて語られるとき、そこに心理的な傾きが生み出されないか注意を払うべきです。

さて私は今は新国立競技場のことを考えています。
計画が白紙に戻ったことを(都民として)喜んでいます。
でも本当にそれで良かったのかは大人の頭でじっくり考えてみないとわかりませんね。