クラガンモア

また久し振りにシングルモルト紹介シリーズです。

この間久し振りに御徒町を訪れたところ、長らく工事していた「吉池」がリニューアルされているのを発見しました。
ここの二階にあったお酒売り場は凄い品揃えで、他所では見たこともない銘柄を取り揃えてあり、本当に夢のある空間でした。
それがリニューアルでどう変わったのかと、期待に胸膨らませつつ店内へ。
以前はすこし煤けた感じの店内でしたが、ピカピカに生まれ変わっていました。
そしてお酒売り場は地下二階になってました。

ところがエスカレーターで地階に降り立った私の目に入ってきたのは、以前の半分ほどに縮小された売り場。
それも雑貨売り場と同居という残念な姿でした。
あれほど色々な種類のボトルを揃えて目を楽しませてくれた売り場はどこに行ったのでしょうか?
どういう経営判断があったのかは判りませんが、東京の台所の御徒町に相応しく、「ここに来ればどんなお酒でも手に入る」という信頼感を残して欲しかったですね…。

しかし、はやり吉池で、品揃えは並の酒販店以上はあります。
そして「クラガンモア」という渋いウィスキーが特売されているというのも面白い。
ちょうど探していたところなので、渡りに船と購入して帰りました。

クラガンモアは「スペイサイド」というスコットランド北部の蒸留所が密集しているところの産です。
で、何かの格付けでスペイサイドの「クラシックモルト」に選ばれたとかいうことが、化粧箱に誇らしげに書いてあります。
他の地域のクラシックモルトの名前を上げて(いずれも有名な銘柄)、「どうだこいつらと同列なんだぞ」という感じで書いてあるので、ちょっとその態度が「クラシック」に相応しいのかと危ぶんでしまいます。
とはいえ、本当の評価はボトルの中身でしかありえません。

色は紅茶っぽいゴールドですね。
香りは甘く、奥ゆかしい感じがします。しかし何と形容してよいか分からない。
「紅茶のような香り」という人もいます。

味は穏やかでサッパリしています。
とはいえ例の紅茶のような香りはしばらく口中に残ります。
スコッチによくあるピート臭はまったくありません。
複雑な香りを持つ事で有名だそうで、ナシや青りんごの匂いという人もいるそうですが、ちょっと自分には判りませんでしたね。

オールド・パーの原酒だそうで、数年前に飲んだかすかな記憶を辿ってみると、確かにこんな後味だったような気がします。
ただ、もっと色んなモルトをブレンドしてゴージャスに仕上げていましたね。
それに比べるとやはり玄人好みの酒なのでしょう。
「クラシックモルト」と評されるのも、むべなるかなと言ったところでしょうか。