きょうブックオフで何気なく文庫本の背表紙を眺めていたら、「サイズ12はでぶじゃない」という本をみつけ、いいタイトルだなとニヤリとしました。
もちろんダイエット本ではなく、ミステリーのタイトルだったからですが。
タイトルが良いからといって必ずしも良い作品な訳でもなく、すべての名作が秀逸なタイトルな訳でもありませんが、タイトルは言わば「本の顔」
手に取るきっかけになったり、そのために好きになったりもします。
そんなイケメンな本を紹介してみたいと思います。
ただ、読んでない本もありますので悪しからず。
『沈黙の春』(レイチェル・カーソン)
「春」といういかにも楽しそうな語に、「沈黙の」という形容詞を付けることで、得体のしれない不安感を感じさせる秀逸なタイトル。
内容は、DDT等の化学物質による環境汚染を訴えたもの。
中学生のころタイトルに惹かれて読んだ記憶があります。
『水の中の八月』(関川夏央)
映画化もされたはず。
水泳に打ち込む、ちょっと屈折した青春恋愛小説。
『こんな夜更けにバナナかよ』(渡辺一史)
イイッ!!
こんなにそそられるタイトルはない!
でも未読。
介護のノンフィクションらしいです。
『ようこそ女たちの王国へ』(ウェン・スペンサー)
表紙とあわせてあざとすぎるが思わず読んでしまったので…。
内容は男子の出生率が物凄く低い世界を描いた、SF(?)、冒険譚です。
『イカはしゃべるし、空も飛ぶ』(奥谷喬司)
イカの雑学を載せた科学新書本のタイトル。
「しゃべるし」というのが、女子高生のようなノリを感じさせ、やや堅めの内容を和らげているようで良い。
『八甲田山死の彷徨』(新田次郎)
絶望そのもののようなタイトル。
中身もそれを裏切らずに凄い。
『春にして君を離れ』(アガサ・クリスティー)
「沈黙の春」同様、「春もの」ですね。
こういう逆接的なのに弱いのかも知れません。
『悲しき熱帯』(レヴィ・ストロース)
これも「逆接もの」か?
素っぱだか同然で暮らし、「何の苦労も無いんだぜ〜」って感じで川魚を獲ってる連中の「いや〜これでしんどいのよ」という思いがけない吐露に「そうか…」とホロリとさせられるーー、そんな感じでしょうか(意味不明)
これが「楽しき熱帯」だったら、氏の名声も虚しからんことになったでしょう。
文化人類学の名著と言われ、一度は挑戦してみたんですが、どうも文章が合わず読めませんでした。
「顔」だけじゃ相性は分からない、そんな好例を生んだ一冊。