久しぶりに感動的な書物との出会いを果たしたので紹介させて頂きます。
柴崎みゆき『古代マヤ・アステカ不可思議大全』&『マヤ・アステカ遺跡へっぴり紀行―メキシコ・グアテマラ・ホンジュラス・ベリーズの旅』の二冊。
わたしは定期的にマヤとかアステカとかの中央アメリカの神話や歴史にハマるのですが、今回コレにより猛烈に燃料を投下されています。
ケチな自分には珍しく、新品でGetしました。
(ちなみに前回のピークは、07年に国立科学博物館でやった「インカ・マヤ・アステカ展」でした)
『古代マヤ・アステカ不可思議大全』は、マヤ・アステカの歴史と神話を解説したものです。
『マヤ・アステカ遺跡へっぴり紀行』の方はその姉妹本という位置づけで、柴崎先生が07年に行った遺跡巡りの旅をまとめたものです。
この本の何がスゴイかと言うと、全てが手書き!
イラストのみならず、文章も全て手書きなのです。
その労力たるや……。
そして漫画もいっぱいなので、とにかく分かりやすい。
実は今までマヤやアステカの本を読んできても、イマイチよく分からなかった…。
地理が曖昧なうえ、人物名(とか神の名前)が読みずら過ぎて頭に入らなかったのです。
先の展示会でも、「スゲー!(けど何だっけコレ…?)」という感じでした。
しかし今回初めて系統立てて理解できた気がします。
Amazonでもクリック!なか見検索でサワリが見れますが、雰囲気が分かるようにちょっとだけ引用させて頂きたいと思います。
これは『古代マヤ・アステカ不可思議大全』の漫画のパートの一部。
マヤの神話「ポポル・ヴフ」を解説しています。
マヤ神話にここまで親近感を感じて接することが出来たのは史上初めてではないでしょうか。
(しかしそれでもストーリーが余りに理不尽過ぎて、マヤ人と現代日本人との隔絶を感じずにはいられないのですが−−)
これは、イラストと文章からなるパート。
全体的にはこっちが基調で、要所要所に漫画が挿入されるという感じです。
先にも述べましたが、これみな手書き。
300ページほどもあるこの本、スゴイです。
『マヤ・アステカ遺跡へっぴり紀行』の方も同様の構成ですが、↓のように各遺跡のガイドが載っています。
これには実地を踏んだ生のアドバイスが満載(転びやすいとか)で、旅行前の予習としても有益なんじゃないかと思いますね。
それから旅先での生々しい人間模様がたまらない。
傲慢な白人ツアー客が出てくる場面では、柴崎先生の鬱憤に首を痛くなるほど縦に振りたい気分でした。
あと、ヤクザに憧れる変なお兄ちゃんが出てきたり、物売り攻撃はあるものの、想像していたよりメキシコの治安が良さそうだったのが意外でした。
柴崎先生も遺書を書いて出発したそうですが、わたしの印象も「北斗の拳」並だったので。
いっぱいある親切エピソードに、メキシコに対するイメージがだいぶ変わりました。
おかげでメキシコへの憧憬がふつふつと湧いてきましたよ。
柴崎先生ほかに、エジプトとギリシア神話本を出しているらしいので、見つけたら即入手したいです。