Alessandro Music Series PRO (MS-Pro)

新しいヘッドホンを手に入れたので、そのレポートを書こうかと思います。
もしこのモデルを購入しようか迷っている人がいて、判断の助けとなれば幸いです。

Alessandroというメーカーの“Music Series PRO (MS-Pro)”という機種です。
サウンドハウスという音響機器の通販サイトで注文しました。
アメリカから直輸入しているようです。

値段はあえてここでは書きませんが、結構します。
昨今の円安に焦りを覚えてポチった面もなきにしもあらずです。

小包は長辺50センチほどもあり驚きました。

品物間違えてるんじゃないのかとすら思いましたが、開けると下の通り。
緩衝材で嵩が増されていたのです。

箱はシンプルです。
表にMusic Seriesの三機種のスペックが印刷されています。

蓋を開けて、マホガニーのハウジングと初対面。

取り出して接写します。

サイズ調節は金属の棒で無断階で行えます。
ドライバーは棒を軸としてグルグル回すこともできます。
ちょっと他には見かけないような、オールドファッションドな機構です。
それと、アメリカ製らしい作りの大雑把さで、値段の割にチープだと揶揄されることもありますが、わたしは好きですね。

マホガニーのハウジングは意外と明るい色です。(3枚目の写真が肉眼で見る色に最も近い)
黒いメッシュは経年劣化で剥げると悪名が高いです。
よく見てみると、すでに左の網に二箇所剥げているところを見つけました。
先が思いやられます。

ハウジングには“ALESSANDRO MUSIC SERIES – GRADO LABS”と刻印されています。
これはAlessandroが著名なヘッドホンメーカーのGradoにOEM供給を受けているからです。
Music Seriesの”One (MS-1)”は、Gradoの”SR125i”
“Two (MS-2)”は、”SR325is”
MS-Proは、”RS1i”と同等の製品と言われています。
日本で買うと、代理店を通さないためか、Alessandroの方が安価で手に入る場合が多いので、オーディオマニアにはGradoの廉価版と見なされていますね。
Alessandroは取り扱っている所が少ないため、店頭で視聴する機会は皆無と言っていいでしょう。
MS-2とMS-Proのどちらを買おうか迷っていたのですが、Gradoの同等品(SR325isとRS1i)を聴き比べて後者に決めました。
もともとはMS-2を候補にしていたのですが、SR325isを試聴して止めにしました。
SR325isはアルミのハウジングで、非常にカッコいい見た目なのですが、高音がキツく、ちょっと長い間聴くのは辛そうだったので。
逆に、RS1iは低音が豊かで、暖色系の音です。

付属品としては、標準プラグからミニプラグへの変換ケーブルと、4.5mの延長ケーブルが付いています。

装着感ですが、イヤパッドが耳を覆わず、押し当てるタイプなので、しばらく聴いていると当たっている部分が痛くなってきます。
イヤパッドはザラザラとしたウレタン材です。
Grado製品は付け心地が悪いことで、とにかく悪名高いです。
ただ、ハウジングが木材であることで、メタルの製品よりかは軽く、幾分救われている部分はあります。

音質については使い始めたばかりで、まだ硬い感じがします。低音もまだ十分出ていませんね。
店頭で試聴したRS1iからは遠いです。
我が家のシステムは、CDプレーヤー(KENWOOD DPF-7002)→ヘッドホンアンプ(Cayin HA-1A)→ヘッドホンという構成です。
他にパワーアンプとスピーカーもありますが、今は外してコタツの上に置けるようにしています。
ちなみにヘッドホンを掛けているのは、ダイソーで300円で買ったバナナハンガーです。

いい機会なので、現在所有しているヘッドホンを紹介してみようと思います。
そこからオーディオ観が見えてくるかも知れません。

Alessandro MS-1

Music Seriesの最下位機種ですが、持っているのです。
というかMS-1を非常に気に入っているため、今回のMS-Pro購入に繋がった訳です。
(なのでこのシリーズの装着感の悪さ、作りの雑さには免疫があります)
カラリとした抜けの良い音で、ロックやジャズに適しています。
購入したのはもう8年ほど前になるかと思います。前回もサウンドハウスで通販購入しました。
そのため、現行機種とは世代が違います。
特徴的なのは、現行機種ではケーブルが4芯から8芯になり太くなっています(左が現行機種、右が過去機種)

イヤパッドがオレンジ色をしていますが、これは取り替えたのではなく、汚れたので漂白したらこんな色になってしまったのです。

Sennheiser HD555

これは5年ほど前に川崎のヨドバシカメラで買いました。
イヤパッドが耳をすっぽり覆うタイプで、しかもビロードなのでとても付け心地が良いです。でも夏は辛い。
刺さるところが少しもない、優しい音を出します。
しかしそれだけに、障子越しに聴いているような感じがしないでもないです。

アイワ HP-AK101

生産終了品です。
これはMS-1と同時期に、八王子のヨドバシカメラで購入しました。
アイワにしては高めで、フルオープンエアという意欲的な構造です。夏でも使用に耐える数少ないヘッドホンだと思います。
音質自体はあまり良くないですが、音像が篭らず頭の周囲に定位するところが魅力です。
この頃ヘッドバンドがだいぶくたびれてきました。

これまで、どちらかと言えば安価な、コストパフォマンスに訴える商品を購入してきたことがお分かりになると思います。
今回が初のフラッグシップモデルとなるので、果たして値段通りの買い物ができたか不安であります。
しばらく聴き込んで判断しようと思います。