RE:草津温泉

 ここはとにかく広い。浴室もさることながら、休憩場や食堂などを備えた総合施設となっています。料金は八百円也。
 浴槽は、内風呂が三〇人くらいは入れそうな大浴場。打たせ湯を併設しています。それからサウナあり。外に出るとこれまた大きな露天風呂があり、湯滝から源泉が注がれています。これが大滝なのですが、正直「大滝」というほどの迫力はあったかどうか。まぁ看板どおりということにしておきましょう。
 露天風呂は滝の足元にある滝壺型のものと、下段に流れる水路型のものとがあり、水路の方は湯が冷まされてぬるめとなっています。露天風呂は足元に注意が必要です。湯のかかる岩の表面はヌルヌルとしており、不用意に足を掛けると転倒する恐れがあります。実際わたしも友人も派手に素っ転んでしまいました。
 さて露天風呂の横の階段から降りると、下に名物「合わせ湯」があります。ここには二度づつ温度の違う五つの湯船(38〜46℃)が備えてあります。温度の高い湯船と低い湯船を交互に入るという趣向が楽しめるそうです。門をくぐって入ると上の浴室とは全く違う雰囲気です。浴室は総板張り。木の柱。灯りが少なく薄暗いうえ、もうもうと湯気が立ち込めているため視界はかなり制限されます。しかしこの雰囲気はレトロで悪くないです。まさにつげ義春の世界。
 適当な湯船に体を沈めます。ぬるめでしたが、上でのぼせ気味だったのでかえって都合が良い。しばらく浸かって上がりました。
 休憩場でしばしごろ寝をし、湯疲れした体を労ります。休憩所の窓からは雨の中傘を差して行き交う人々の姿が見えます。
 大滝乃湯を出た後、ふたたび湯畑に戻ります。すでに日は落ちていました。夜の湯畑はライトアップされ、湯けむりが幻想的にゆらめき目を奪われました。
 夕食は湯畑の側の「平野屋」というそば屋で摂りました。まぁまぁの味。若干お高かったような気もしますが…。