荷物を置いて、湯畑へ降りていきます。天気は優れなかったものの、観光客で混んでいました。最初の目的地は湯畑のすぐ傍にある「白旗の湯」です。これは草津を代表する外湯であるとともに共同浴場なので、誰でも無料で入ることができます。なかなか雰囲気のある建物でワクワクしました。施設は素っ気なくロッカーなどはないので脱衣所の棚に荷物や衣類を置きます。脱衣所は狭く、そしてやはり混んでいました。浴場は総て板張りです。浴槽は二つあり入口から見て右手は高温湯で澄んだ色をしています。左手は低温湯で白く濁っていました。
まずは低温湯に入り体をほぐしました。低温とはいえ普通の銭湯で言えば適温くらいの温度です。硫黄の香りが心地良い。肩まで浸かって上を見上げると吹き抜けになっており、上部にステンドグラスが嵌めてあるという凝った作りになっているのが見えました。外からみると櫓のように見える部分です。
高温湯にトライします。同じ湯のはずなのに、こちらは不思議なほど澄んでいます。そろそろと足を入れると電気でも当てられたかのようにビリビリしました。それでも我慢して肩まで湯に浸かります。湯温は四七度位でしょうか? たまらず三〇秒と待たずに湯船から飛び出してしまいました。友人に耐え難熱さであることを告げると、彼は結局入らないまま上がってしまいました。
次に「西の河原露天風呂」と並んで草津を代表する温泉施設である「大滝乃湯」へ向かいます。湯畑を出ると雨足が強まってきました。足元が心許ないなか、旅館の間を縫うように東に三〇〇メートルほど移動します。途中「煮川の湯」前を経由して到着します。