RE:東丹沢 七沢温泉の旅

 大釜弁財天を過ぎたあたりに第一のチェックポイントがあり、ここからいよいよ山道なのですがうっかり見落とし、別の道に入り込んでしまいました。というのもそちらが舗装道路なのであまりに歩きやすかったのです。
 気付かずにしばらく進むと道の脇に熊出没注意の看板が立っていました。いよいよ山奥に入ったという感じです。いま熊に出くわしたらおそらく冬眠明けで気が立っていて大変でしょう。急にひとりでいるのが心細くなり足を早めました。
 何時まで経ってもチェックポイントが見つからないので、変だな〜と思っていると、眼前にバンガローの集落が現れてきました。七沢弁天の森キャンプ場でした。地図で確認すると日向薬師とは別方向です。また戻らねばならぬのかと思うと、急速に力が落ちるのを感じました。
 とにかく腹が減っては戦はできぬです。腹ごしらえをしてから考えることにしました。行きがけに買った助六寿司を炊事場のテーブルの上に開き、遅めの昼食を摂りました。
 お茶を飲み、一息ついてからまじまじとキャンプ場を見渡すと、実に気持ちの良い所であることがしみじみ感じられました。キャンプ場全体が沢へと続く斜面にあって、バンガローは背の高い杉林の中に配されています。木々は青空に向かって定規を当てたようにスックと屹立しています。建物はまだ建てられて間もないのか、いかにも清潔そうで、快活な雰囲気に溢れていました。道も敷石でキレイに舗装されていて、人気のないことが却って奇妙な感じを覚えました。夏に来れたら実に楽しいだろうと思いました。また来れたらいいなと惜しみつつキャンプ場を後にしました。