RE:東丹沢 七沢温泉の旅

 正午ちょうどに九番からバスは出発しました。神奈中バスはパスモが使える! これば便利です。降車駅が近づくにつれ「小銭足りるかな…」などと不安な顔で財布を覗く必要がありません。
 さてバスにはリュックサックを背負ったハイカー風の客が何人か乗っていました。お仲間に違いありません。車窓の景色は市街地から住宅街、のどかな田園風景へと移り変わって行きます。三十分ほど揺られていると「歓迎 七沢温泉郷」と書かれた鳥居のような看板が見えてきました。にわかにテンション急上昇です。リハビリセンターの前を通りすぎたあたりで、右手に七沢森林公園の白いアーチ橋が目に入りました。この付近に三叉路があり、右が目的地である広沢寺温泉、左が七沢温泉へ続くのですが、バスはいったん七沢温泉を経由します。七沢温泉地の奥のどん詰まりにある玉川館の前まで来て、ぐるりと巡回するのです。ここでほとんどの客が降りてしまいました。元の道に戻り、大沢川沿いの道をしばらくくねくねと進むとついに終点、広沢寺温泉に到着しました。バスは広沢寺温泉唯一の湯宿である「玉翠楼」の前、砂利を敷いた庭のような場所に乗り付けました。
 広沢寺温泉は日本でも有数の強アルカリ性温泉で、そのペーハー値は10.3。洗濯用石鹸くらいの強度です。これにより肌の角質が溶かされてスベスベになると謳われています。
 ところで終点の降車客はわたし一人だけでした。「なんか変だな」と思って受付に回ってみると、なんと『本日の入浴は終了しました』のメッセージが…。地震の影響かも知れませんが、営業時刻の変更などウェブサイトには何も告知されていなかったので軽く憤りを覚えました。と同時に、事前に電話確認は必須だなと反省させられました。
 仕方が無いので広沢寺を見物などして心を落ち着けました。境内は手入れが行き届いていましたが、特に名刹古刹という訳でも無いようなのですぐさま飽き、予定を早めて日向薬師ハイキングコースを行くことに決めました。