RE:中伊豆旅行

 修善寺温泉入口でバスを降ります。すでに四時を回っていたので、日の暮れないうちにと慌てて名所を巡りました。
 まずは「修善寺」なんと手洗いにお湯が出る! さすがは由緒ある温泉街です。境内はそれほど広くはないですが手入れが行き届いていて綺麗でした。それからダルマ石がかわいかった。
 それから日枝神社、指月殿、源頼家の墓、十三士の墓、ハリストス正教会などを順ぐりに見て回りました。正直に言ってあまり感心はさせられなかったです。なんというかかなりの小粒感でした。
 旅の締めに、修善寺唯一の共同浴場、筥湯に入りました。有名な修善寺が、長岡でさえ三つもあったのに、共同浴場がたったの一つというのはなんだか寂しいものがあります。しかし、筥湯はすごく立派だったです。浴槽は総檜造り。浴室の下はタイル貼りですが、壁もまた檜でした。
 雪道を歩きまわって冷え切った体を湯船に沈めます。これがまさに至福のひと時です。檜の爽やかな香りが心地良い。手のひらで湯船の縁を撫で、腿のしたで柔らかな木の感触を楽しみました。今日一日の苦労が報われたような気分でした。と同時に、横浜に帰りつくころには、元のようにすっかり冷え切ってしまうであろうということを嘆かわしく思ったのでした。