建国記念日の翌土曜と、日曜日、中伊豆に旅行に出かけてきました。せっかくの連休を無為に過ごすのはもったいないと思ったことと、さいきん太宰治の「津軽」や、つげ義春の漫画を読んだりして、旅への憧憬がふつふつと湧いてきていたからです。
伊豆を選んだのは、安・近・短であること、温泉があること、それから山梨や北関東方面はやたらに寒そうなので除外した結果です。
この時期の伊豆のイベントを調べてみると、伊東で「大室山の山焼き」という豪快な催しがあるので、当初はそれをターゲットにしていたのですが、折からの大雪の影響で一週間の順延となってしまいました。予定通りなら、本日行われるはずです。
それで急きょ旅を『「伊豆の踊り子」の道を辿る』に変更しました。正直に言うと特に「伊豆の踊り子」のファンでも何でもないのですが、「伊豆」と言われて他のアイディアが思い浮かばなかったのです。
いずれにしても目的地は決まりました。旅のスタートは大船からの踊り子109号です。
特急券は車内で購入。自由席でしたがかなりガラガラでした。車体はかなり古い感じで、窓も最近ではあまり見なくなった、下からスライドさせて開くタイプです。でも乗り心地は快適でした。この列車は三島でそのまま伊豆箱根鉄道に切り替わるので、初日の目的地の伊豆長岡までのんびりしていられます。所要時間はおよそ一時間半です。
この日、天候があまり優れず小雨がチラつく空模様だったのですが、それでも旅の車窓から景色を眺めるのは楽しいものです。とくに小田原、真鶴、熱海にかけての、傾斜地にへばりつくような街並みは特別な情緒を湛えているようでした。
途中、キャバ嬢とおぼしき頭を盛大に盛った四人組が一緒に乗り込んできました。こんな派手な子たちの行く先も温泉だったりするのだろうかとぼんやり考えたりしました。