最近読んだ本を紹介します。
「信長とフロイス」
全十二巻からなる、フロイス日本史の第二巻です。
最近、織田信長に興味が出てきたので、アマゾンで手に入れたものです。
あの「アテブレーベ・オブリガート」が流行語になった大河ドラマの底本となった書です。
信長その人のひととなりが活写されています。
当時の庶民、おもにキリシタンの生活が鮮やかに、細に描写されていて、実に興味深いです。
比叡山を焼き討ちするなど、仏教に対しても酷薄な態度を貫いた信長は、フロイスにはむしろ理性的な人物に映ったようで、終始好意的に描かれています。
フロイスは異国人の目を通して、日本の風習のいかに奇妙であるかを紹介しています。
しかしながら、その洗練度に驚嘆し、あるていど尊重しています。
でもです、でもやはり匂うのです。西洋の優越感の香りが。
信長の口を通して、彼はこう言わせています。
「大国からは大いなる才能や強固な精神が生じずにはおかぬものだ」
ただ、フロイスの残した業績に対する評価としては、過大ということはないでしょう。