これはひどい。
ひどすぎて思わず表紙を撮るのを忘れてしまいました。
これはミステリーなのかと首をひねりたくなってしまう作品です。
わたしが殊能将之の作品で最初に手に取ったのは、例によって「ハサミ男」なのですが、いっぺんにファンになってしまいました。
その魅力はトリックよりもむしろ文章そのものにありました。
どんなキチガイじみたことでも淡々した語り口を崩さない。磁器のような冷たさと滑らかさを併せ持つ文章だったのです。
しかし、今回の漫画チックな展開ときたらどうでしょう。文章もそれに引きずられて、恐怖よりもむしろ笑いを誘います。
そんなアイディア一発の作品よりも、緻密なものを期待しているのですが、無駄なのでしょうか?