小杉

 今日は会社帰りに小杉をぶらぶらしました。
 今度は二眼もって行きたい。

内藤正敏

 今日は県立図書館から、内藤正敏の写真集、「遠野物語」「出羽三山」「東京」を借りてきました。
 まだざっと目を通しただけですが、怨念が渦巻いているような強烈な絵に圧倒されます。

撮影記

 昨日は神田で本を買った後、鞄を見たかったので、秋葉原経由でアメ横まで足を伸ばしました。
 自分がそうなったせいか、カメラを持った他の人が目に付くようになります。秋葉原ではメイド服のコスプレを撮っている人が多かったです。
 彼らは「カメラ小僧」などと揶揄され、厚顔無恥な振る舞いが非難されることもあります。
 しかし、この頃その無神経さも写真には大切なことかな、と思うようになりました。
 人の目をいちいち気にしていたら、良い写真は撮れないからです。
 「こんな所で撮っていたら怒られないだろうか?」
 「人の迷惑になるんじゃないか?」
 そんなことを考えている間にシャッターチャンスを逃してしまいます(よくやるのです…)
 須田一政の写真の中には、立小便をしている人を後ろから失礼したものや、電車の中から撮ったものなどがあります。
 良い写真が行儀のよさとは無関係であることを示していると思います。
 
 さて昨日(今日も?)は神田明神祭で、いたるところに着物を着た人々と、御輿が出ていました。
 末広町のあたりでパチリとやっていると、担ぎ手の中からカメラをもったおじさんが近づいてきました。
 「写真学校の学生さん?」
 「いいえ、アマチュアです」
 どうやら同好の氏でわたしのカメラに興味を持ったようです。
 大変状態が良いと褒めてもらいました。オークションで三千で手に入れたと話すと、驚いていました。おじさんの見立てによれば、二万円くらいの価値はあるとのことです。
 最初はとても汚れていて、掃除に苦労したのだと言うと、ガソリンで洗うのが良いのだと教えてくれました。しかも、ホワイトガソリンではなく、スタンドで買った普通の赤ガスで良いのだそうです。
 別れ際、おじさんは、この辺りに世界的に有名な写真家の「久保田博ニ」の実家があると教えてくれました。
 全然知らない名前でしたが、その実家のうなぎ屋を一目拝んでいけと強く勧められたので、お辞儀をした後、その路地に入っていきました。
 そこには確かに、「うなぎ久保田」がありました。
 
 アメ横に着くと、あいかわらずの混雑です。そしてカメラを持った人が目に付きました。年代的には若年層が多い秋葉原とは対照的に、お年寄りが多いです。
 わたしも威勢の良い掛け声が飛び交う店先を何枚も撮りました。
 そこで印象的な出来事に出会ったので記しておきます。
 人混みのなか、わたしの前を一眼レフをもったおじいさんが歩いていました。
 向かいから少女のグループがやってきました。その中にはっとするような美しい娘がいました。わたしはこんな娘を撮ってみたいなと思いました。
 すると、やおらおじいさんは彼女にレンズを向けてシャッターを押したのです。
 彼女は首をすくめていました。たぶん自分が邪魔になっていると思ったのでしょう。でもわたしからはおじいさんが彼女を狙っていたことがはっきりと判りました。
 最初は驚いたのですが、後から「良いものを見たな」と心が温かくなりました。

須田一政塾13期

 やっ、やったッ!
 今日何気なくブログを見ていたら、ななななんと、七月から始まる須田塾メンバーを募集しているではないですか。
 いつかはわたしもと思ってきたのですが、「まだはもうなり」です。脊髄反射的に、13期の東京須田塾に応募してしまいました。
 定員は十五名。先着順です。
 受かってるといいなぁ。

人間の記憶

 今日は神保町に行ってきました。
 お目当ては、須田一政の「犬の鼻」です。以前に「風姿花伝」を買った、魚山堂書店に入荷されたとの情報をキャッチしたのです。
 ところがぎっちょん。既に売り切れていました。
 目的を失ったわたしは、とぼとぼと本の街を当て所もなくぶらぶらしていたのですが、たまたま入った「源喜堂書店」という店で目にした背表紙に、「あー!」と声を挙げたくなりました。
 ななななんと、先日県立図書館で借りて大感銘を受けた、「人間の記憶」がそこにあったからです。
 しかも手にとってみると、帯はないものの新品同然の素晴らしい状態でした。
 値段は——、一万八千円。「犬の鼻」に使うつもりだった予算にほぼ収まります。さっそくレジに並びました。
 帰り道はずっしりとした重みが嬉しかった。
 実際に足を運んでみなければ判らない、神保町は奥が深い街ですねえ。